二次試験の詳細解説集とは
電験1種2種の二次試験の過去問解説を読むと気付くことがある。
「たった数行の文章を理解するために、かなりの知識が必要となるもの」が存在することに。
電験の二次試験は他の資格試験と異なる。過去に出題問題された問題が全く同じく出題されることはほぼない。
⇒つまり、試験本番では自分の知識をフル活用して、過去問解説レベルまで回答を記載する必要がある。
自分は、二次試験対策の為に色々調べてきた。本記事のように、解説集として整理することで、誰かの役に立てると思うので今後配信していく。
二次試験について
いきなり採点関係の話になるが、二次試験の論述では回答スペースがとても広い。
採点基準や採点結果は公表された実績がなく、ブラックボックスになっている。ただ言えることは「出来る限り、綺麗にわかりやすくし、分量を増やすこと」が大切ということである。
あまり述べると、悪口になるので黙っておくが、回答スペースを埋める努力をしよう。
問題によっては知識が足りなくて、回答スペースが余ることが多々ある。できる限り、そういった事態にならぬように、知識の肉付けをしておこう。
それでは、本題に入る。今回は、給水加熱器を紹介する。
詳細解説vol.1「給水加熱器を使用する理由」
「給水加熱器を使用することで、プラントの熱効率を向上させることができる」
再生サイクルの考えの基、給水を加熱させることで熱効率を向上させることができる。しかし、この設備を追加するに至った経緯としては、ボイラー側の理由だけではなかった。この設備の追加の裏側には、タービン側の問題、汽力発電方式の欠点を解消するためでもあった。
実は、タービンに流入する蒸気の全量が、タービンケーシング内で仕事できる訳ではない。
タービンとケーシングの間には、ぶつからないように当然の如く、すき間がある。そこを通りぬけてしまう蒸気が存在する。通り抜けた高温の蒸気は、復水器で冷却しなくてはいけない。
せっかく高い燃料を燃焼させて作った蒸気を使用せず、廃棄することになる。
この事の重大さを見逃してはいけない。蒸気自体、物凄い高価なものである。
さらに、復水器での冷却、タダで行うことができる訳ではない。もの凄い大きいポンプで、海の水を吸い上げ、復水器まで持ってこなくてはいけない。毎秒何トンもの量を。
大きいポンプを駆動させるための電気代、海水のゴミ取りの費用、復水器内の清掃費用、これら設備と配管のメンテナンス費用。この費用は膨大である。
そういった背景もあって、熱効率向上について検討が進んだ。
結果として、流体解析を行い、タービンケーシング内に流入する蒸気の数%を給水加熱器に引っ張ってきても、タービンで仕事をする蒸気側には影響がないことがわかった。
電験本番で、どのように記載すればいいのか
問題にもよるので、試験問題をよく見て、臨機応変に書こう。
項目を立てて記載すると、とてもわかりやすい。
今回の「給水加熱器について、熱効率の観点で説明せよ」といった問題が出題された場合、その回答として
「給水加熱器は、ボイラーへの給水温度を高めることができるので、結果としてプラントの効率を向上させることができる。」
これだけでは分量が少ないし、知識のない人ではよくわからないだろう。そういった人でもわかるように、簡単なことも含めて、詳細に記載するようにしよう。
⇒公式問題集の解説の中でも、詳細に記載しているものを倣って回答しよう。
【回答例】
給水加熱器を使用することで、下記の二つの理由から、プラントの熱効率を向上させることができる。
理由①「ボイラーへの給水温度を高め、ボイラー効率を向上させることができる」
タービンに流入する蒸気の一部を使用し、ボイラーへの給水を温めることで、ボイラー内の温度低下を抑えることができる。そのため、温め直すエネルギーが減り、使用燃料量を抑えることができる。
理由②「蒸気の有効利用により、プラントの全体効率を向上させることができる」
タービンに流入する蒸気の一部が、タービンケーシング内で仕事ができず、復水器に廃棄されてしまうことがわかっている。その蒸気を廃棄せず、利用することで復水器での無駄な冷却を避けることができる。
このように、項目と理由を明確に記載することで、採点者が点数をつけやすい。
さらに、同じような言葉を繰り返し使用することで分量を増やし、点数をもらいやすくしよう。さらに、中間点ももらいやすくなるだろう。
以上が、【電験完全攻略 1種2種二次試験の詳細解説 vol.1】になります。電験の二次試験に挑戦する人の役に立てる記事になればと思います。
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昨年の電験1種2次試験
— MACO|電験一種までの合格を綴る (@denken_1) October 2, 2018
「不合格」
であった。
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