段絶縁にはメリットがあるのか
一部の参考書では、取り扱っていない「段絶縁」を今回紹介する。
電験の1次試験だけではなく、2次試験において出題されているので確実に覚えておいた方がいい内容だ。
変圧器の結線方式の分野で記載してくれている参考書もある。それは丁寧な参考書である。
こういう「知らなかった」で失点することは避けたい。
本番の試験では数点を争う戦いになることがあるからだ。
そもそも段絶縁とは一体何なのか
まず、覚えやすいように簡単な言葉でまとめておく。
「絶縁の強度を必要な所は高くし、それ以外は低く抑えるといった段階的な絶縁設計のこと」
何故にこんな面倒なことをするのかというと
「経済的」だからである。
自分自身が社長になったと想定して考えてみよう。
設備は安全なほどいいが、不必要な部分を無駄に強化する必要はしないだろう。
値段は数十万円変わってくるからだ。
段絶縁のメリット
段絶縁のメリットを箇条書きにまとめておくと
①寸法を小さくできる
②重量を減らすことができる
③寸法、重量を低くすることで、耐震強度を抑えた施工ができる
以上の3点から「経済的な施工」が可能となる。
具体的にどこで「段絶縁」が行われているのか
「変圧器」だ。
変圧器の形式によっては中性点接地を施す場合がある。
以前学習したYーY結線やYーY-Δ結線の変圧器のことである。
中性点接地をすることにより、事故時に中性点の電位上昇を抑えることができる。
※復習する場合、こちらの記事が便利です
つまり、事故時の電位上昇を抑えることさえできていれば、絶縁強度も抑えた施工にすることが可能となるのだ。
まとめ
「変圧器の段絶縁の意味とメリットを知る」の記事は以上になります。
この記事を読んで、段絶縁の意味をイメージできるようになって頂けると嬉しいです。以前勉強した接地方式が関わったりしてくるので、合わせて覚えておきましょう。
接地方式と絡んでくるのは電験3種でも2種でも1種でも変わりないことですので、頭の中を整理しておきましょう。
過去問を見ると、接地方式のメリットに「段絶縁」という言葉がスッと入っている場合があります。よく質問を受ける部分でもあるので、今回解説しました。
お役に立てることを願っております。