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CVCFの仕組みを超簡単に理解したい方が読む記事。UPSとの違いはあるのか。

CVCFを超簡単に学ぶ

この記事では
「CVCF 定電圧定周波数装置」を超簡単に解説したあとに、詳しく解説していく。


整流器/インバータ(IGBT,MOSFET,GTO,バイポーラ)/フィルタ回路についても簡単に解説するので合わせて覚えて欲しい。


これらは全て電験で役立つ知識であり、点に繋がる。

 

 

【目次】
・超簡単にイメージを掴む
・CVCFの仕組みを学ぶ
・①整流器とは
・②フィルタ回路とは
・③インバータ回路とは
・電験におけるCVCFの位置づけ




超簡単にイメージを掴む

まずは「CVCF」の言葉の定義から確認しよう。


CVCFとは「Constant Voltage Constant Frequency」の略であり、定電圧定周波数装置といった意味だ。

 



どんな装置か一言でいうと
「交流を直流に一旦変換し、綺麗な交流波形を作り出す装置」


下記の図を見るのが一番分かりやすい。ノイズの乗った交流波形が綺麗な正弦波形となっている。⇒の役割を担うのが「CVCF」

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※交流の電圧は「電圧の瞬時低下」といった現象により、脈動を含むケースがある。

 

もう少し深堀して仕組みを考えてみよう。


下記の2点が特に重要なので考えてみて欲しい。

①どうやって、交流を直流にするのだろうか。
②どうやって、直流から交流にするのだろうか

 

 

CVCFの仕組みを学ぶ

入力した交流電圧は下記の機器を通すことで一旦「直流」になる。そこから「交流」に変換される。


変換の過程は大きく分けると3ステップ。

①整流器
②フィルタ回路
③インバータ
 

各ステップについて、超簡単にまとめたのでチェックして欲しい。

 

①整流器

ダイオードをイメージして欲しい。

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ダイオードは、交流電流を「一方向にしか流さない特性がある(整流)」


交流波形で言えば、波の下半分カット機能だ。


ただ波の半分がカットされたままだとマズイ。出力波形もカットされてしまうので、波形でなくなってしまうからだ。

そこで考えられて作られた回路が
「全波(ブリッジ)整流回路」だ。

 

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この回路のブリッジ部分から出力される波形は下記のようになる。

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察しの良い方は勘付いたと思うが、+の電圧しかない状態になった。4つのダイオードのおかげで入力電圧が+だろうと、ーだろうと出力されるようになったのだ。


「全波(ブリッジ)整流回路」というと聞きなれないが、ACアダプタが代表例だ。


もはやスーパーファミコンなどやったことがない世代もいるかもしれないが、家庭用コンセントが交流電源であるため、電気製品であるファミコンんを駆動するために交流を直流に変換しているアダプタ。興味があれば、ブリッジ形ダイオード回路で調べると一発で理解できる。プラス側の交流電圧もマイナス側の交流電圧を正に変換するといった回路だ。

 

②フィルタ回路

上記に掲載した「全波(ブリッジ)整流回路」のコンデンサのことを示す。


コンデンサを回路に並列接続することでノイズがのった電圧を綺麗にすることができる。平滑コンデンサと呼ばれるものだ。コンデンサが充放電することで電圧が滑らかになる。(綺麗な言葉を使うとすれば「リップルがのった電圧」が綺麗な正弦波になるともいう。)

 

③インバータ回路

「直流」⇒「交流」に変換する回路。インバータ回路に用いられる機器としては、下記の4つがある。

・IGBT
・MOSFET
・バイポーラトランジスタ
・GTO


※主流としてはスイッチング速度の速い「IGBTやMOSFET」


動作原理は様々だが、それぞれの素子のスイッチに入力を入れることでONとOFFできると思っておくといい。


制御方式としては「PWM制御方式」が主流。


電験の参考書等で見かけたことがあると思う。PWM制御方式と書くと難しいが、要はインバータ部分だけの話。


インバータに入力された電圧を「どのくらい取り込んで出力するか」を決めているだけである。(スイッチング操作による電圧波形の切り取り範囲を決めているだけの話なので簡単に思っておくと、理解しやすいです。)

 

電験での位置づけ

電験における「CVCF」の話をする。


CVCFは「機械科目 パワーエレクトロニクス」で出題される。

「あ・・パワーエレクトロニクスなので捨てます」と仰る方もいるが断言する。


「勉強しておいた方がいい」

なぜなら、少しの工夫で点が取れるからである。パワーエレクトロニクス分野で捨てるのは、主に二種以上の二次試験の話だ。電験3種や2種一次試験では、本当に難しい問題だけを捨てて、拾えるところでは拾うといった戦略にしておいた方がいい。



実際に出題された平成27年度の電験3種の問題を見てみるといい。


<問題>
無停電電源システム(UPS)の一つの基本構成である常時インバータ給電方式を単線系統図に示す。このUPSは,図の破線で囲まれた部分をここではCVCF(Constant Voltage Constant Frequency)装置を定義すると,その(ア)回路に蓄電池を接続して、商用電源が停電した際のエネルギー源としている。図に示すように,蓄電池を整流器とは別の充電器で充電し,サイリスタを用いて蓄電池をCVCF装置と接続する方法は,(イ)と呼ばれることがある。充電器によって蓄電池に適した条件で充電できるので,この方法は大容量の蓄電池をもつシステムなどで使われる。常時インバータ給電方式のUPSの信頼性を向上する方法には,バイパス方式,(ウ)方式などがある。前者は運転しているUPSが故障した際には,切換スイッチを使用して商用電源から直接負荷に給電する方式であり,その一例が図に示されている。切換スイッチA及びBにサイリスタなどを用いた半導体スイッチを使用すると回路を無瞬断で切り換えることができるが,常時のインバータ運転は商用電源(エ)運転であることが必要である。また,後者は,複数台のUPSを用いる方法であり,1台のUPSが故障した場合に速やかにそれを検出して切り離すことによって,残りの健全なUPSで負荷に給電を続ける方法である。この方式を用いると,必要な負荷容量を複数台(n台)のUPSの合計容量で給電する際に,信頼性を向上したシステムが(オ)台だけのUPSで実現できる特長がある。





(ア)直流
(イ)直流スイッチ方式
(ウ)並列冗長
(エ)と同期した
(オ)n+1

※冗長化とはシステム自体(蓄電池)が故障した場合にもバックアップさせることができるようにしておくといった意味。

※並列冗長の場合は全体に対して、一つのバックアップがあればよい。つまり負荷容量がnの場合はn+1だ。



また次のような問題では確実に点を取れる。

<問題>
電気車を駆動する電動機として、直流電動機が広く使われてきた。近年、パワーエレクトロニクス技術の発展によって、電気車用駆動電動機の電源として、(ア)の交流を発生することができるインバータを搭載する電気車が多くなった。インバータの使用デバイスは、ゲートターンオフサイリスタ(イ)やIGBTが採用されている。駆動電動機は構造が簡単で保守が容易な(ウ)三相誘導電動機や小型・軽量化を目指した永久磁石同期電動機などがある。

 

(ア)CVCF
(イ)GTO
(ウ)かご形

 



 

CVCFの目的

①冒頭でも述べた「綺麗な正弦波」を供給することが目的である。ノイズを取り除いた上に「電圧」「周波数」を一定にする装置。


②電圧・周波数の値を変えること。必要な電圧値・周波数に調整することができる。




「ん?」と思う方もいるかもしれない。(「既に電力会社から交流電圧は供給されているじゃないの?」といった疑問を自分は持っていた。)


実は、供給される電圧は電圧の大きさだけではなく、周波数も変動しているのである。しかも、各相ごとでも異なっている。技術基準上も数%のばらつきは許容されている。


※技術基準上のばらつき許容値をオーバーすると、2012年頃に日本国内を震撼させた「1相開放事象」のように機器の運転状態に悪影響を与えてしまう。(フォルスマルク(Forsmark)発電所、バイロン(Byron)発電所)ここの解説は興味のある方がいれば、別記事にて紹介しようと思う。


「技術基準で許容される電圧・周波数のばらつきだったら、CVCFはいらないのでは・・・?(ややこしい設備だし)」と昔の自分は思っていた。


CVCFが必要な理由を言うと





「精密機械の運転を妨げない」ためにCVCFは必要なのだ。



工場等の大きい電源系統を持つ場合、電動機が起動すると瞬間的に母線の電圧降下が起こる。電動機を回すための起動電流が発生してしまうためだ。これを瞬時電圧低下(別名:瞬低)と呼ぶ。


また、電流が大きくなればなるほど、主にケーブルの抵抗分だけ電圧降下が発生してしまう。つまり、負荷の起動停止が起こるたびに電圧は変動するのである。

 

また工場等によっては、変圧器にタップがついていたりして、負荷の電圧がある程度下がると、タップ切り替えが自動で行われて、電圧が急に上がったりする。

 

これらからわかるように、電圧変動は結構、身近なものなのである。

 

CVCFの導入実用例を知ろう

導入例を知ることで、よりCVCFの大切さを認識することができる。大切さを知れば、自ずと脳内で記憶されやすくなるので知っておいて損はない。


UPS(無停電電源装置)という言葉を聞いたことがあるだろうか??
病院や工場で使用される装置なのだが、役割は基本的にCVCFと同じだ。だが、バッテリーが備わっていた限りなく100%電源供給が途絶えることがないといったものだ。


現在だと、CVCFとバッテリーはシステムとしてセットになっているため、混乱しやすいがUPSと言えば「CVCF+バッテリー」と覚えておくといいだろう。

 

実用例①工場等の計算機や制御装置

ゴミ焼却場や製造現場、発電所、病院では「より精度の高い機器制御」と「安定した電源供給」が要求される。

「瞬低で電圧が低下し、制御装置に不具合がありました」では許されない現場にCVCFは設置される。

CVCFを販売しているオムロン株式会社の製品資料は分かりやすい。

https://www.oss.omron.co.jp/ups/product/upsnews/UPSNews_vol17.pdf

 

実用例②サーバーやデスクトップPC

バッテリーを持っているノートパソコンではなく、重要データが保存されているサーバーやデスクトップPCに電源を供給するためにUPSは設置される。


デスクトップPCと言われるとイメージしにくいが、今の世の中、インターネットに接続していると、ダウンロードや些細な事でネットトラブルに巻き込まれる可能性がある。


そのため、大抵の企業や大学等は重要情報にアクセスできるPCはインターネットには接続させずに社内だけのネットワークを構築する。それらをUPSは保護する。

 


実用例③研究所や大学の電源

研究の内容によって、精度の高い電圧、安定した電源供給が必要になるので、そのためにCVCF(UPS)は用いられる。

 


実用例④試験用の電源

現在の日本は、多くの電気製品を海外に出荷している。その際に、各国に適した試験電圧で製品チェックをする。

海外旅行の経験がある方はご存知だと思うが、海外と日本では使用電圧・周波数が異なる。そのため、海外渡航者は小型の変圧器を電気屋さんや空港のコンビニ等で購入する。

 

 

 

電験での戦略を考えよう

冒頭で紹介したが、パワーエレクトロニクスを完全に捨てるのは勿体ないし、ハイリスクだ。

電験3種の過去問を見て欲しいのが、年々難易度は上がってきている。同期機や誘導電動機、変圧器の問題が主流であることは間違いないが、これらが難しい年度もある。


もし、歯が立たずに解けなかった場合、当然不合格になる。そうなると、1年後にまた再受験だ。


自分がよく伝えているのは
「泥臭くてもいいので点を取る」ということ。


変圧器の問題が難しい!1問解けるかどうかだ!と感じたら、パワーエレクトロニクスの問題を確認して、数点取りに行ける選択肢を持っておいて欲しい。年度によっては確実に1問以上正解できる問題だったりするのだ。


機械の合格点が55点で、50点台で落ちることは往々にしてある。勉強をして落ちることは仕方がないことだ。それぞれ忙しかったり、バックグラウンドが違ったりするから。

ただ、こういった戦略を準備せずに、情報に流されて特定の分野を全く勉強せずに試験に臨むというのは残念で仕方がない。


最後になりますが、電動機の勉強を頑張った努力を、発電機の勉強を頑張った努力を無駄にして欲しくないと思っているので、アドバイスさせていただきました。参考にして頂ければと思います。

 

まとめ

以上「CVCFの仕組みを超簡単に説明する。UPSとの違いはあるのか。」の記事となります。


本記事では、電験で出題されやすい上に短時間で点が取れる範囲を紹介しました。(同然、実務では知っておかなくてはいけない知識ではあります。)


・CVCFの目的と仕組み
・整流器の仕組み
・インバータの仕組み
・フィルタの仕組み
・CVCFとUPSの違い



これらに加えて、CVCFの採用実例を学びました。


さらには、電験の過去問についても触れることができたので基礎知識が相当身についたと思います。何か雑誌等を読む際にパワーエレクトロニクスに関わる記事がありましたら、簡単にでも読んでおきましょう。


これを継続するだけで、大きい点ではありませんが2点~6点が取れたりします。これが合否を分けることになるので、日常生活の中でも知識を吸収しておきましょうね。

 

 

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