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電験で狙われるボイラーの種類・特徴をまとめる(汽力発電の仕組み⑥)

2019.8.13追記
「記事の充実化をしました」

ボイラー設備とは

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本記事では「ボイラー」という蒸気供給設備を説明する。


大きく分けて3種類ある。
用語を覚えることに論議はあるものの、現状の試験では出題されるので答えられるようになっておこう。


以前、電験1種の二次試験では「熱サイクルの名前を答えなさい」という問題が出て驚いたことを覚えている。


再生再熱サイクルというのが答えだったが、こういった用語が答えられなかったらかなり大きい失点をすることになる。(・・痛すぎる!!)




ボイラーと言われて、3つ答えられるだろうか。




①自然循環ボイラー


②強制循環ボイラー


③貫流ボイラー


である。これらの特徴を整理したので、知っている方もいるかもしれないが本記事を見たきっかけに復習してもらえればと思う。


使わない知識は意外と忘れるので、知っている知識でもたまに復習することが重要である。


ところで「ボイラー技士試験」をご存じだろうか。

ボイラー設備を取り扱うために必要となる資格だ。もしかしたら本記事の読者にはいるかもしれない。


電験の過去問分析を行うと、電験3種ではボイラー技士試験までは詳しくは問われない。


押さえるべきポイントはボイラーの「種類」「特徴」だ。

ちなみに電験3種だけで言えば、そこまで多く出題される分野ではないことは認識しておこう。つまり発展問題が出にくいということだ(電験2種では多く出題されている感覚を受けるが、2次試験で出題されることも影響しているだろう)


まずはボイラーの定義から勉強していく。 

ボイラーの定義

ボイラーは燃料(石炭や重油、LNG)を燃焼させ、ボイラー水を加熱して蒸気を作る設備だ。

役割としては「火力発電」「原子力発電」の蒸気を作る部分と同じだ。要は「給水に熱を加えて蒸気を作り出す」といったものだ。


役割だけを見ると簡単に思える。




では、何故、ボイラーには種類がいくつもあるのだろうか??


ここに興味を持って勉強していけば電験の問題は解けるようになる。時代の流れや設計の話に混ぜ込んでおくので、知識を深めつつも楽しみながら、それぞれの特徴を覚えてもらえればと思う。

 

ボイラーの種類と特徴

ボイラーの種類は前述したとおり

①自然循環ボイラー
②強制循環ボイラー
③貫流ボイラー


これらの違いは

「ボイラー水の循環方法」

にある。

どのボイラーもバーナーと言われる火炎放射設備から「水が通る配管」に熱を供給する。ここの配管形状を変えたり、水の通る速度を高めたりして発生する蒸気量と熱量を変える。

①⇒②⇒③の順に、発生蒸気量は多く、蒸気圧力も高くすることができる。結果として、高出力の発電を行うことができるのだ。


では、全て貫流ボイラーにすべきでは?と思った方もいると思うがそうもいかない。


当然、用途のマッチングによる。(導入予定のプラントが高圧蒸気が不要であれば、高圧ボイラーは必要がない)

また、それ以上に「費用の問題」も大きい。貫流ボイラーはメンテナンスに手間がかかる。手間はボイラーの種類によってかなり違ってくる。

自然循環ボイラーは簡易なだけあって、とにかく安価だ。

 

自然循環ボイラー

「バーナーの炎により水管内の水を加熱し、ボイラー水の密度差を作り出すことにより、蒸気ドラム、下降管、蒸発管で水を自然循環させるボイラー」


だが、時代の変化とともに蒸気の必要容量と必要圧力が増大する。その結果、ボイラー自体の規模、蒸気圧力を高めることが必須となった。


蒸気圧力が増加すると、自然循環型ボイラーでは缶水の循環が円滑に行かなくなる。これがいわゆる設備の設計限界だ。


こういった背景があり、ボイラー水の循環経路に循環ポンプを設置して強制的に水を循環される「強制循環ボイラー」が開発されることになった。

 

強制循環ボイラー

「自然ボイラーに「循環ポンプ」を追加したボイラー」

 
水は高圧になるにつれ、飽和水と飽和蒸気の密度の差が小さくなるので自然循環力が低下する。その代わりに「蒸気圧」を高めることができる。

ここで問題が発生した。
蒸気圧力を高めるためには水管の径は小さくする必要があった。管内抵抗も増加するのでいっそう循環力を高める工夫が必要になった。


こういった課題を解決すべく、循環水を強制的に循環するボイラーに注目が集まったのである。



強制循環ボイラーは中小容量火力(175~350MW級)で使用されている。


自然循環式と比較した結果をまとめると・・・


〇メリット
「蒸発管の肉厚を薄くできる※」

「始動・停止を速く行うことができる(毎日起動停止運転(DSS運転)が可能)」

「ボイラーの高さを低くすることができる」

※自然循環ボイラーと比較して、熱が均一になるからだ。


〇デメリット
「設備が増えるので購入費用、保守量が増加する」

貫流ボイラー

強制循環ボイラーよりも、さらに「供給蒸気圧力」「供給蒸気流量」を増加させたのが「貫流ボイラー」だ。ちなみに超臨界に達している。

 

循環式ボイラーと比較した結果をまとめると・・・


〇メリット
「蒸気ドラムが不要」

「蒸気ドラムが不要なので省スペース化を図ることができる」

「循環不良といった焼損事故の発生を防止することができる」

「保有水量が少ないので始動時間が短い」

〇デメリット
「保有水量が少ないので負荷変動に弱い」

「メンテナンスに手間がかかる」

 

まとめ

以上、「【電験完全攻略】ボイラーの「種類」と「特徴」をまとめる」の記事となります。

電験3種では文章の羅列で正解を選ぶ問題や不正解を選ぶ問題が出題されます。少なくても、3つのボイラーの特徴は覚えておきましょう。互いを比較して、違いを言えるようにしておくとベターです。

メリット、デメリットで区分けしておいたので、参考にして頂ければと思います。