2019.8.2 追記
「話し方改善の1つ目の解説を追加」
「実際に使った原稿を追記」
プレゼンを成功させる
プレゼンテーションを成功させるためには「重要な要素」が2つある。
「人を魅了する話し方」
「分かりやすいスライド」
前回の記事では「スライド」の話をした。
「Power Point資料の作成ポイント」をお伝えしたのだが、学問的に言うと「視覚的アプローチ」の部分を改善するといった内容であった。
前回記事はこれだ。
今回の記事では「話し方」に特化した情報だ。
「音声的(聴覚的)アプローチ」の部分である「話し方」について、プロから学んだことを共有していく。
プレゼン本番では、数社の副社長クラスに説明をした。説明は上手くいき、高評価頂くことができた。さらに大量の質問を処理することがその場でできたので本当に安堵している。
この経験から自分は「話し方の重要性」を学んだ。この記事を読んで何か得て頂ければと思う。
普段の職場でもそうなのだが
話し方が良くないことで不利益を被っている人は多いと思う。(まさに自分のことなのだが)
特に、プレゼンテーションでは話し方が超重要。
時間制限がある上に、大抵目上の方に対して行う。内容は良いのに、話し方が悪いだけで話を聞いてもらえず、門前払いされてしまうことは国内だけでなく、国外でも往々にしてある。
話し方の重要性を知ろう
「ビジネスでの話し方」
「相手を飲み込む話し方」
「プレゼンでの話し方」
こういった講義・講座は東京を中心に沢山行われている。土日だけではなく、平日の夜にまでも行われるほど需要がある。
こういった講座に行くと「視覚的アプローチ」「聴覚的アプローチ」といった言葉を耳にすると思う。
「意識高い系かな?」
自分は正直なところ、伝え方系の本、講義、講座を信じていなかった。たとえ報告が下手でもちゃんと内容さえ調べてきてあれば伝わるものは伝わると考えていたからだ。
「体裁はあまり気にせずとも頑張っている人の声はちゃんと届く」というのが自分の思いだった。
ところが、世の中には
「わかりやすい報告」までがコンテンツだ!!!といった方が沢山存在することを知った。
言葉を変えると
「綺麗な報告もできない奴の伝える情報など、たかが知れている」
自分はそういった方に出会ったのは初めてだった。
びっくりしたのと同時に嫌悪感を持った。
ただそういった方と色々話をしていく中で分かったことがあった。
そういった方は総じて分単位、秒単位で動いているからとにかく時間がない。
しかも疲れていることが多い。
ササッと情報吸収したいという思いが態度に出ているのだ。
こういった背景を知り、話し方の重要性を実感したこともあり、自分は「話し方」を改善することを決めた。
厳しいプロの指導を受けることを決めたのである。
・・・・・
「意識高い系の方かな?」なんていう偏見を持ったまま、指導を受けたので、めちゃくちゃ指導(怒られる?)されたのは言うまでもない。
話し方を改善してみた感想
一番気になるのは「話し方を改善してみた感想」だと思うので先にお伝えする。
正直なところ
「話し方の改善をやってみて良かった」
話し方が変わると、相手に与える印象がかなり変わる。
ビデオで自分の話し方を撮影して見てみると良い。恐らく、何のトレーニングもしてなければ、想像以下の話し方だと思う。
話し方のコツを学んで、数時間の練習をするだけでかなり改善することができた。
今はインターネットに沢山の情報があるので、話し方のコツと練習だけでかなりいいレベルまで引き上げることができる時代だ。
あなた自身が得をするので、時間のある時に本記事を見ながらでも挑戦してみて欲しい。
話し方の具体的な改善方法
それでは、話し方の改善方法を詳細に解説していく。ポイント形式にまとめたので、自分自身の話し方をチェックしてみて欲しい。
・話し方に型を持たせる
・使う言葉を決めておく※
※特に副詞、語尾、接続詞を決めると上手くいく
・何を言いたいのか詳細まで分解する
・話の長さを適切にする
・何度も同じことを繰り返さない※
※言い回しを変える工夫をする
・分かりやすい言葉を選択する
・程よい表情を取る
・原稿は作るが、その通り話す意識は捨てる
・プレゼン前に気軽に話せる人の前で話すこと
・相手の反応を見ながら話すこと※
※間を作る、話す速度を下げる
学んだことは10項目に集約できた。
まずは最も効果的な「話し方の改善」を解説する。
話し方に型を持たす
これが最も効果的な改善であった。
まさに「目から鱗」だった。
プレゼンが上手い人と下手な人で決定的な差が表れるのが「話し方の型」であることを学んだ。
身近なところでいえば「結婚式のスピーチ」「親戚の集まりでの挨拶」が分かりやすい。分かりやすくて、カッコいい話し方には必ず「型」がある。
慣れていないおじさんだと、支離滅裂な話はさておき、話し方にばらつきがある。そのため、聞く側が話の流れを捉えられずに混乱しがちだ。
一方で、型がきっちりしていると話の冒頭を聞くだけで本筋がわかる。内容も頭に入ってきやすい。(第一印象でよくわからないと感じると、内容が入ってこないものだ)
ここまでスピーチを聞く側のメリットを話してきたのだが
実は「話し方に型を持たせること」は話す側にもメリットがあることを知っておいて欲しい。
話す側のメリット
「話す内容が変わったとしても、コンテンツを分解して型に入れこむだけで済む」というメリットだ。
これって思う以上のメリットで、プレゼン以外でも使えるスキルなのでかなり有益。
具体的にメリットを書き出すと
①支離滅裂な発言を減らすことができる
②人前でカンニングペーパーを読む必要がなくなる
③しかも人前で話すことに緊張しなくなる
これだけのメリットがあった。
「話し方に型を持たせる」と言われた時は難しい言葉を使われたこともあり、自分は最初ピンと来なかった。
実際に説明の際に使用した「型」
「型」を作るためには、下記を考慮するといい。話す内容に統一感を持たせることができる。
①結論⇒なぜなら⇒結論(別の言い方で言う)
②話始めと語尾を決めておく
③言い回しを決めておく
④副詞、接続詞の使い方に注意しておく
⑤スライドを使う場合は次のスライドへ繋げる文言を入れる
実際に使用した原稿をそのまま載せるので、参考にして頂けたらと思う。
【1枚目スライド】
〇〇所属 macoです。
この度〇〇プロジェクトの成果報告をさせて頂きます。よろしくお願い致します。
この〇〇プロジェクトはコスト削減を目的として立ち上げたものであり、この3ヶ月で5つのアイディアを形にし、80%のコスト削減を達成しました。
まずは5つのアイディアを次のスライドで説明致します。
【2枚目スライド】
わかりやすいように表にまとめました。
左が弊社で改善すべき課題、中央が課題を解決できるアイディア、右がコスト削減費用となります。
まずは1つ目のアイディアですが「製造工程の数を減らす」といったものです。製造工程の評価の結果、弊社には作業時間が極端に短い工程があることがわかりました。工程の見直しを行うことで結果としては4割のコスト削減をすることができました。
次に2つ目のアイディア、こちらは「製造ラインを増やす」といったものです。1つ目のアイディアで工程数を減らすことで、作業員に余剰が生まれます。新たに製造ラインを追加し、その作業員を活用することで全体の生産数を増やすことできました。
次に3つ目のアイディア、こちらは「〇〇」といったものです。
~できました。
次に4つ目のアイディア、こちらは「〇〇」といったものです。
~できました。
最後に5つ目のアイディア、こちらは「〇〇」といったものです。
~できました。
今回報告したい5つのアイディアとコスト削減の概要は以上となります。
これらのアイディアを導入した作業工程をもう少し詳細に説明します。次のスライドで、今までの作業工程と比較しております。
【3枚目スライド】
比較表
お分かり頂けただろうか。
スライドは後日配信するが、プレゼンで難しいと言われている「表の説明」を簡潔に行うことができている。
型を決めずに説明すると、まず確実にグダグダになる。項目毎の説明時間に大きくばらつきがある人もいる。話をしているうちに恥ずかしさが増し、焦りで早く切り上げてしまう人も結構いる。
また、基本的に「主語、述語」を癖にして「です、ます」で統一して話すことで、きっちりとした話し方になる。
「~は~です」
「~は~を~です」
「~することで~ます」
そして、スライドの終わりには次のスライドの概要説明を入れて意識を引き付けること。説明がしまる。
またスライドの始まりの言葉だけはアドリブにしないこと。スライドが切り替わった瞬間だけは傍聴者は必ず耳を傾けてくれるからだ。
アドリブを入れると、プレゼン初心者は無駄な焦りを発生させることになる。スライドを見た瞬間に「~のスライドとなります」といったスライド自体を説明するような言葉を発するといい。
忘れるような言葉を暗記して言おうとすると、失敗する可能性が出てくる。
使う言葉を決めておく
プレゼンを成功させる上で、使う言葉は非常に重要。プレゼンをする場面によっては勘違いを避けるために「使う言葉」に制限がかかることがある。
それは厳守しなくてはいけない。
一方で、制限のかからない言葉がある。
「副詞や接続詞」だ。
さきほどの説明例の中で使用していた「まずは」「次に」「以上」といった部分だ。プレゼンの上手い方と下手な方で違いがはっきり出る。
さきほどの例でいうと、2つ目のアイディア説明を終えたあと、3つ目のアイディアを説明する際に「え~と」や「その下の」なんていう言葉を使うと、説明がグダグダになる。
使う副詞と接続詞を絞り込むと、話し方がよりスマートになる。
さらに、それだけではなく、迷うことが激減するメリットもある。
自分のような人前で話をするのが得意ではないと思う方は意識してみるといい。
「どうやって、次の話に繋げよう・・・」とコンマ何秒迷った上に変な言葉を発することがなくなる。
何を伝えたいのか分析する
プレゼンをする人の中にはスライド資料の作りこみばかり一生懸命になる人がいる。エンジニアに多い傾向があるそうだ。(偏見だと思ったが、事実そうらしい。パソコンが好きというのも影響しているだろう。)
ここで問題なのが
「伝える内容を深く理解していない人がいる」ということだ。
実際、自分もプロジェクト報告する際にスライドに記載していたにも関わらず、よく理解していない部分があった。
こういった理解していない部分の説明はビデオ等で見るとはっきりわかるのだが、上っ面の内容の話になっていて、当たり障りのない内容であることが多い。
つまり、突き抜けて良い提案になっていないのだ。
そのため、質疑応答で問われることが多く「検討不足だと指摘される可能性が高い部分」だということ。
もっと深刻なのが、企画やプロジェクトの理解不足が多いと、そもそも報告の視点がズレているといった事態。これをやらかすと大変な目に遭うので注意。割とここでハマっている人も多いから馬鹿にできない。
会社の短期目的が「生産数を向上させること」なのに、時代の風潮もあり「コストや品質」を声高に報告する人が現にいた。
話の長さを適切にする
相手に理解してもらい、良い印象を持ってもらうためのスキルの1つだ。
人それぞれ好みはあるが、自分は「ショートスタイル」を意識している。1文を10秒以内にして、テンポの良い説明を心がけている。
上級者であれば、著名人を真似し、長いセリフをストーリーのように話してもいい。
ただ初心者は危険だと忠告しておく。(「簡潔に話したまえ!」などといったコメントを説明中にもらうことになるからだ。)
短い文をゆっくり読んだりして、頭の回転に合うように調整していけば発表の緊張も徐々に収まる。
何度も繰り返すのをやめる
「結論から話す」というルールが強く刷り込まれていることもあり、緊張するとやりがちな失敗の一つのだ。
失敗例を見て欲しい。
【失敗例】
この度80%のコスト削減を達成しました。達成に至るまでに、弊社にある課題をすべて抽出して資料にまとめあげております。課題の対応策につきましては、主に5つのアイディアで構成されています。それらは現場検証も終え、形にすることに成功しました。そのため、この度80%のコスト削減を達成できました。
結論から話すことを意識しすぎて、同じ言葉を発してしまっている。まず、これは注意される。本番でやってしまうと、まだ未熟な方なのかなといった印象を持たれてしまい、報告データが正しいのかさえも疑れてしまう。
【修正案】
この度80%のコスト削減を達成しました。達成に至るまでに、弊社にある課題をすべて抽出して資料にまとめあげております。課題の対応策につきましては、主に5つのアイディアで構成されています。それらは現場検証も終え、形にすることに成功しました。会社の目標設定を達成することができましたが、まだ削減の余地はあると考えていますので今後継続して検討していきます。
このように「改善の余地はあるのかどうなのか」といった報告を受ける者が知りたいと思う部分を添えることで、報告がシマる。
ここは匂わせるように報告することで、質疑応答で戦う土俵を敢えて作ることができる。
※記事校正次第、順次配信していきます。