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「a接点b接点の違い」を電磁接触器の話と合わせて解説します【保護継電器も考え方は同じ】

お疲れ様です。

 

電験を研究し続けている桜庭裕介です。

 


・電験1種、2種、3種を合計して50年分以上見てきた「知識」


・これまでの「経験」

 

これらを活かして、今日は「a接点」「b接点」「電磁接触器」の話をしたいと思っています。

 

「a接点b接点の違い」を電磁接触器の話と合わせて解説します


いきなり本題に入っても、イメージもわかないし「理解できないよ!」といった方は結構います。(自分もそうでした)

 

 

そのため、まずは「電磁接触器」がどんなものかを紹介しておきますね。

 

電磁接触器とは何か


下記の写真が「電磁接触器」です。

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この白い箱の中に接点が入っています。


簡単に仕組みを説明すると


箱の中にあるコイルに電流が流れることで、可動鉄心が動く構造になっています。


可動鉄心が動くことで、可動鉄心と一体構造となっている接点がくっつくといったシンプルな作りです。

 

接点の動作原理は磁石の原理??

接点は「鉄心」と「コイル」で構成されていると説明しましたが、どういった構造になっているか具体的に想像できたでしょうか??

 

 
当時、電磁接触器を分解したことのなかった自分は一切イメージできませんでした。外観だけだと、全然わからないです。

 

 

 

 

実は至って、シンプルな構造でした。

 

 

「コイルを巻いた鉄心」「磁石」をイメージしてみて下さい。

 

 

コイルに電流が流れるとどうなるでしょうか??

 

 

 

 

 

磁力が発生して、くっつきます!

 

 

磁石化した鉄心と磁石がくっつこうとする力を利用する

「物を動かす動力源が確立されていること」に気付いて欲しいです。

 

 
動力源さえあれば、その動く対象に接点をつけたりすることで「接触点」を動かすことができるということ。

 

ここまで文字で説明してきましたが、おさらいとして図を用意しました。

 

電磁接触器の動作を図で見てみよう

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ちなみにこれはa接点です。(あとで詳しく説明します。)



コイルに電流が流れることで、可動鉄心に磁力がかかります。

 

 

そして・・・

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接点がくっつく!!!

 


コイルに電流が流れなくなったら、ばねがあるので、ばねが元の位置に戻してくれます。(ばねの力で接点は離れるというわけです。)

 

≪注意事項≫

電磁接触器を分解すると、ばねが「びよよん!!」といった具合に飛び出てくるので注意が必要。

もとに戻せなくなる!!と焦ることでしょう。

 

接点にはいくつか種類がある

電気系の学校を卒業した方、電気関係の仕事経験がある方は「a接点」「b接点」という言葉を恐らく聞いたことがあると思います。

 

「a接」「aコン」「b接」「bコン」といった表現をする人もいます。コンの意味はコンタクトで「接点」という意味ですね。


 

ちなみに電験ではここまで細かい知識は要求されません。


リレーの仕組みも問われることがないのですが、エンジニアを目指す方は知っておいた方がいいです。知らないと現場で困る日が来ます。

(近い将来、電験も形を変えて現場知識を問うようになる可能性は大ですので、勉強しておいて損はないでしょう)

 


一方、電験2種以上を受験するのであれば、勉強しておいた方がいいでしょう。


配電システムに関する問題の中に保護継電器が登場します。(具体的に言うと、保護協調を問うような問題)

 

 

保護継電器自体の意味が分かっていないと「よくわからないけど・・覚えるか・・」といった感じで、暗記することになってしまうでしょう。

 

 

ですが、たぶん上手くいかないでしょう。

 

理由は暗記では対応しきれない分野だからです。


それに気が付き、1から勉強しようとして進めていくのですが・・・問題にぶつかります。

 

 

 

 

 

 

 

保護継電器って調べてもよく分からない

しかも「a接点」と「b接点」といった考え方も出てきて、余計に混乱することでしょう。

  


このあたりの知識を整理しておくと、論述問題で自信を持って回答できるようになりますよ。 

 

まずは基本知識である「a接点」と「b接点」を理解するといいです。

 

A接点とB接点とは何か

文字で覚えるより、図で覚えることを自分はオススメしています。


理由は「記憶に残りやすい」から。



下記の図が一番分かりやすかったです。
(理解すると、保護継電器や補助継電器の動きがどう役立つのか、わかるようになりますよ。)
 

旧JIS記号のA接点とB接点

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参考までに現在のJISのA接点とB接点についても掲載しておきます。

 

現在のA接点とB接点

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上の記号は「通常のA接点」を示す記号です。


下の記号は「ボタンスイッチがついているA接点」を示します。

 

 

そもそもなんで「A接点」と「B接点」は存在するのか?

ここを理解すると、色々なことが見えてくるでしょう。

 

ボタン付きの接点は理解しやすいと思います。

 

人間がボタンを押すことで接点がくっつくといったイメージです。下記の図は頭の整理に適しているでしょう。

 

ボタン付きのA接点イメージ

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ボタン付きのB接点イメージ

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ボタン付きではない接点はどうやって動いているのか?⇒保護継電器、補助継電器のおかげ

世の中にあるA接点B接点の大半は「保護継電器(リレー)」「補助継電器」です



人間が手で押す仕組みという物は圧倒的に少ないでしょう。


では、どういった具合に現場で活躍しているかというと・・・


①作業員がスイッチをひねったことで

②水槽の水位がレベルスイッチに到達したことで


保護継電器や補助継電器が励磁されて動作し、接点がくっついたり、離れたりするのです。


ここにA接点タイプ、B接点タイプといった考え方が入ることで、動作にバリエーションが出ます。

 

保護継電器の勉強や現場経験がないと、ここを理解するのは結構難しいです。知っちゃうと、納得なんですが。

 

 


シーケンスを見る機会がある方は、こういった原理を含めてチェックしてみると違った景色が見えるでしょう。

 

 

まとめ

以上「「a接点b接点の違い」を電磁接触器の話と合わせて解説します【保護継電器も考え方は同じ】」の記事となります。

 


電磁接触器の仕組みはネットを見てもよくわからないものばかりなので役立つと思います。


wikipediaも文字ばかりですし、具体的にどう動くのか!?といった疑問は解消できません。


図を作って、説明文を入れたところ、かなり分かりやすい資料になったかと思います。

 

 

接点という考え方をこの記事で学んで頂ければと思います。