「電験には将来性はありますか??」「資格を取っても無駄になりませんか??」こういった声は多い。実際、世の中の資格試験、特に難易度低い資格は価値が下がりつつあるのは事実。今日の記事ではこのあたりの話をしていく。
お疲れ様です。
電験と電気業界を研究している桜庭裕介です。
いつもの簡単な自己紹介からいきます。(徐々に実績が増えてきて嬉しいです)
≪実績≫
❑転職関係❑『残業10時間以下』&『年収変動なし』の企業に転職成功
※詳細を下記のnoteに集約
電気エンジニアとしての決断【超大手企業を退社する選択】
❑資格関係❑
超分析してTOEIC885点を取得
❑電験研究歴❏
✔トータル100年分の過去問を分析
・電験1種 40年分
・電験2種 40年分
・電験3種 20年分✔雑誌連載を開始
「理論の超入門」
今日も勉強のきっかけに見て頂けると幸いです。
電験に将来性があるなら挑戦したい
新卒の若い人間はとても素直だ。
こんなストレートな質問をしたりする。
完全に最近あった話。
4月になると新入社員が入社し研修を受ける。その研修の中で「資格取得」を人事から勧められるわけだ。リスト化されていて、資格を取るとお金が貰えるので盛り上がる。
これが通例。
会社において、資格を持った人材は非常に価値があるので人事も煽ったりする。
これはだいたいどこの企業もそうだろう。
(ブラックな職場を除く。電験1種の二次試験があるのに仕事の方が大事だ!なとど前日の夜中まで仕事をさせていた上司も知っているがそれは異常)
では本題に入っていく。
数ある資格の中で
人事が言うように
本当に「電験は将来性のある資格」なのだろうか??
業界を長年経験してきて、転職業界も調査している自分の考えを述べさせて頂く。
電験保有者の将来は確実に明るい
自分が現状および今後の市場から判断した「回答」だ。
合格率を何倍にも引き上げて電験合格者を毎年排出し続けて、価値を下げすぎない限り、確実に将来は明るい
と言える。
現状分析をした2本の記事がある。
終身雇用が崩れたからこそ「手に職」「資格」という技術が重宝される。就職事情の厳しい海外は資格保有の有無がかなりシビア。
他業種を見ると、中間搾取する事務員という職は消えていく。
(引用元:【電験完全攻略の原点】 電気主任技術者試験に合格できない理由|maco|note)
1年前に配信して、いまだにTwitterで見てくれている人の報告があったりする。話に出てくるのは嬉しいし、かなり本質を突いていると思う。
日本の人口が急激に減少していくことはもう分かっている。一方で、高齢者ばかりになっていく。
もはや言ってしまうと
・高齢者に重要な施設の電気設備の対応は難しい
・若い人材が必要
ということなのである。
現場の電気エンジニアの数が圧倒的に必要
そんな状況なので、中小企業は結構焦って中途採用をしている。
高齢者でもイケる!と豪語する人もいるかもしれないが
そもそも近くの字が読めなかったりする
現場の改造工事といった作業はできない。
名盤が読めないと仕事にならない。
もし、あなたが会社のオーナーや工場長だったらどうだろう??どういう現場の人員配置を行うだろうか??
55歳を超えて老眼が始まっている人を最前線に送るだろうか??
命に関わる上に、故障トラブルは絶対に避けたいはずだ。ベアリングを落としたり、工具を落とす程度ならまだ良い。いや、高所だったらそれすらも大問題になる。
ただし、高齢者がダメだと言っているのではないことだけは伝えておく。今後の日本の将来は「適材適所」を考えていかないといけないということ。
既に、そういう流れになりつつあるということを少し他業種の話を交えてお伝えしておく。
ゴミ焼却場に行ったことはあるだろうか??
ゴミ焼却場を訪れると、気が付くことがある。
「シニアスタッフの人数が異常に多い」ということ。
(お聞きしたら経歴はバラバラだから面白い。電気関係の仕事をしていた人もいた)
人員不足どころか過多だ。
一台の車のゴミ廃棄を4人、5人で行っていたりする。
これを「ムダだ!!」
などとトヨタ式カイゼンを気取って叫ぶ人は全体が見えていない。(意識高い系の市の職員等)
行ってみると気が付くと思うが
車一台のあたりのゴミ処理にかかる時間が物凄く短いのだ!
ワゴン車に収納できるゴミの量であれば、3分程度で廃棄作業が完了してしまう。
そのおかげで、ゴミを廃棄に来た若い人がすぐに帰宅できるのだ。
難しい制御や細かい作業は不向きだけども「壊してもよい廃材を運ぶ作業」「上り下りをしないような力作業」には【現場経験のある高齢者が活きる】ということ。物の持ち方も心得ている。
最近、工場長の方とお話す機会があって、この話を聞いた。そして、最近引っ越しの為に家具を廃棄しに行く機会があってゴミ焼却場に実際に訪れたら「まさにその通り」だった。※
※ワゴン車の後ろに廃材をガンガン当てていたが・・・それはまぁ気にしないでおこうと思う。
つまり「強み」「適正」を考慮した人員配置が大事で、電気エンジニアの自分たちも今後、シニアスタッフを上手く管理していかないといけないということだ。
やれる仕事、やれない仕事を切り分けたものの上手くいっていない企業は多いだろう。
次は「電験を持っている人の定年退職後の働き方」についてだ。こんな動きがあることをご存知だろうか??
定年退職者向けの求人
電気主任技術者の資格を持っていれば、こんな働き方もできるのだ。
仕事量を相談して、件数を決めて仕事をするというスタイルが取れる。キュービクルの点検であれば、高所でも、プラントでもないのでシンプルで安全だろう。余裕をもって確実に作業できる。
ライフワークバランスに合わせた仕事をすることができるのはとても魅力的だろう。
ただ「資格」と「経験」が採用条件であること
は忘れないで欲しい。
身体をかなり動かす現場、環境の悪い現場、重要施設の現場は若い人材が担う仕事。一方で、高齢者でも対応できると判断する現場は高齢者に。
労働災害が頻発しない限り、こういった分担も今後加速していくだろう。
だからこそ、勉強はやっておいた方が良いのだ。