「電験が延期や中止になる可能性があるので勉強に集中できない」といった相談や声を受けることがある。延期になるかどうかは決定権が自分や貴方にないので何とも言えないから苛立ちが募る。「コロナウイルスで電験は延期または中止になるのか」という懸案はあるものの、自分たちは指をくわえて勉強を無駄にしてはいけない。
おはようございます。
電験と電気業界を研究している桜庭裕介です。
初めての方もいらっしゃると思いますので、いつもの簡単な自己紹介を添えておきます。
≪実績≫
❑転職関係❑『残業10時間以下』&『年収変動なし』の企業に転職成功
※詳細を下記のnoteに集約
電気エンジニアとしての決断【超大手企業を退社する選択】
❑電験研究歴❏
✔トータル100年分の過去問を分析
・電験1種 40年分
・電験2種 40年分
・電験3種 20年分
✔雑誌連載を開始
「理論の超入門」
≪実績≫
❑電験3種関係❑
【電験|電力(水力発電)】水車まわりの記事がそのまま試験に出題されました
❑電験2種関係❑電験2種|機械【結論:ポイントを押さえて選択肢を減らす攻略法は有効だった】
❑TOEIC❑
電気エンジニアTOEIC攻略までの道のり【800点までは取れた】
一言で言うと、電験をずっと分析している人間です。
夢はある?と最近聞かれた。
電気、プラントの運転操作を教えて、自分が飯を食えれば最高だと答えた。
妻子なしなら、小さなアパートの一室で納豆や卵とごはんだけの食事で暮らすと思う(栄養の事は無知)
今後、確実に介護施設の問題が挙がる。
そこに貢献できれば良い。
そんな事を考えている。
電験や危険物取扱者、ボイラー技士、TOEIC、プラントの運転操作を教えてるといった生活ができれば、最高だと考えています。
今日は「試験の延期」をテーマにお話ししていきます。
・・・
電験はコロナウイルスの影響で延期中止になるのか
今の世の中で起こっている状況を冷静に分析すると
延期や中止になる可能性は十分ある
と言えるだろう。
医療従事者でもないので、ワクチン等の話を解説できないが、ワクチンは開発をスタートさせてすぐに完成するものではないことは誰もが知っている。
副作用があるからだ。
過去、人類はそれで何度も失敗してきているので安易に導入することはできない。
では、設備面で対応して試験できるかと言われても、それもまた難しいと言える。3密を守って試験をすることはかなり難しい。
(電験には全く関係ないのだが、一部の某企業は普通に集団で会を催したりしているのを聞いた。公の場で、きちんと対策を説明する責任がある試験は某企業のように強引に開催するのは難しいし、そもそも間違っていると言える)
現状だと、ホテルを貸し切って個室で試験をしたり、リモートで試験でやるしかない。
しかしながら試験官の監視がないと、今は連絡手段がたくさんあるのでカンニングの可能性を消すことはできない。
ウイルスの拡散が収まらない場合、大きなお金を使わない限り、開催は厳しいと言わざるを得ない。
試験延期(第二種電気工事士)
電気工事士の試験は延期となった。昨日(15日)発表となった。
❑第二種電気工事士の中止連絡文書(4月15日付)❑
❑電気工事士2種の試験実施検討文書(4月7日付)❑
参照元(一般財団法人 電気技術者試験センター)
電験の延期中止の判断基準
電験の試験開催を決定する側にとって、非常に判断しにくい状況だ。
だが、開催の決定権のある人は何に基づいて、決定するかを考えると少しだけ見えてくる。
「新型インフルエンザ等対策特別措置法」
「緊急事態宣言」
「緊急事態措置」
緊急事態措置の対象期間がかなり影響力を持っている。空港の運営をも左右させるほどの影響力がある。
今後、ここの動向を見ていけば、何となく予測は可能できるだろう。ここを守らずに運営することはない。
電験の延期と中止がちらつく不安定な状況が続く
電験学習者にとって、過去にないぐらいの不安定な状況だろう。
電験の試験日は
電験3種:9月13日(日)
電験2種1種:9月12日(土)
である。
※試験申し込み方法および注意事項については、記事(令和2年|2020年の電験申込日は5月26日~6月11日【戦略を立てよう】)にまとめてある。
もし、延期や中止が発表されるとしたら、前述の電気工事士のようなパターンが予想される。
半月前にいきなり連絡が来るパターンだ。
しかしながら、電工は試験が中止になる側だったからまだ良いかもしれない。(勉強していた人はツラ過ぎる)
というのも
もしウイルスの拡散が急激に収まった場合、試験準備をしていない人は試験に合格することはできない。
ここからが大事な勉強方法の話になる。
試験が中止になっても問題ない勉強をしよう
これを一番に伝えたい。
試験勉強は大きく分けると、2種類に分類できる。
「経験として残る勉強」と「残らない勉強」
ここは是非とも意識して欲しい。
大きく舵を切るという選択をして良いと考えている。
経験として残る勉強とは何か
1.計算問題を解いた経験
2.理解する経験
である。
過去、学校での勉強経験を思い出して欲しい。
必死で暗記した「歴史」「地理」といった知識は残っているだろうか??
おそらく残っていないだろう。
幕府を開いた年など覚えていないはずだ。
だが、分数の計算はどうだろうか。
「2x+8=10 xを求める」といった一次方程式の計算問題をどうだろうか??
電気回路の電流計算はどうだろうか??
そう。
「計算問題を解いた経験」と「理解した経験」は体で何となく覚えているのである。
自転車の例えが分かりやすい。
乗れるようになってしばらく乗っていなかったとしても、特に難しいことを考えることなく乗れる事と同じだ。
一度苦しんで体に経験を染み込ませてしまえば、忘れることはほぼない。電験も同じで、該当する分野は早い段階でここに到達しておくべきだ。
「理解」というステージを抜けようということ。
ではどの計算問題を習得するか
完全に自分の意見ではあるが
「自分の気分が乗る分野からでいい」※
楽しくないと続かないからだ。youtubeやNetflix、Amazonprimeを見た方がよいなと思ってしまったら元も子もない。
自分の成長を楽しんで欲しい。
※しかしながら道を踏み外して、あまり点に繋がらない問題を解くのは注意して欲しい。(マイナーすぎる問題は控えようということ)
そこで個人的にオススメするのは
・理論科目の電磁気(コンデンサ問題)
・理論科目の交流回路
・機械科目の電動機計算
・機械科目の制御
・電力科目の水力計算
・法規科目の計算全般
これらを4月中にマスターできたら、かなりヤバいぞ。
型にハマっている問題が狙い目
上記のオススメした問題に共通しているのは「全て型が決まっている」という事。
・公式を覚える
・公式の当てはめ方を覚える
・展開方法を覚える
・答えまでの道筋を覚える
無駄に悩むことが少ないのが特徴。
機械科目の電動機計算問題では「入力電圧を1/√3する」で混乱することもあるだろうが、それも何度も解いていれば「ああ、そういうことね」「このタイプの問題ね」といったように強引に理解してしまう方法だって使える。
異質なのは「機械科目の制御」
この分野は少し注意がいる。
何故なら、学校であまり経験していないからだ。
大半の人が、独学で理解し突破していかないといけない。
そのため、早い段階で「理解するというステージ」を抜けておいた方がいい。
試験直前で「理解する」と「計算問題を解く」を同時にやろうとすると、しんどい。
今、時間の余裕がある段階で如何に理解していない分野を潰しておくかが重要である。
勉強で使ったノートは保管しておくこと
長期戦の勉強は「復習できる仕組みを作っておくこと」が非常に重要。
内容を理解して、計算問題まで解けるようになった
ここのステージに到達するまでのプロセスを分かるようにしておくと、後で必ず役に立つ。
・自分はどこで躓いたのか
・どの資料を見て解決したのか
・どう解いたのか
具体的に言うと「使用した紙・資料」だ。
振り返りができるように保管しておくこと。
もし、あまりにも汚いようだったら、あとで見て分かるように簡単にまとめ書きを添えるという方法もアリだ。
時間が経過しても、知識と経験を再インストールできる仕組みを作るのだ。
自分は基本的に超簡単な計算問題以外は、全てこの取り組みをしている。(デメリットは引っ越しの際に大変だということ。)
余談だが、知識と経験の再インストールに関する話をしておく。
東大大学院編入試験対策の数学ノートさえ保管
以前勤めていた会社では、社内選考試験というものがあった。
その際に、大卒だからということで、東大大学院編入試験を受けさせられた事がある。1度目は50点しか取れずに馬鹿にされた。
受験者の氏名、卒業大学、点数がエクセルの表にまとめられて、職場中にメール送信されたのはショックだった。
競馬のようにかけ事をしていたことを知って驚いたが、それ以上に好きな数学で50点は凄いショックだったことを覚えている。
こういったイベントは終わってしまえば、上の人間は笑って飲み会をして忘れてしまうもの。
自分はリベンジを誓った。
それから自分は1年の間、何も言わず努力をし続けた。
2年目の選考試験シーズンが到来した。
「桜庭、社内試験受けてみるか?」
と声がかかった時、内心かなり燃えていた。
結果、数学は「95点」を取った。社内で一位だった。
このノートは「ラプラス変換」「一次方程式」「微分方程式」「部分積分」といった分野をきちんと整理していて、解いた計算問題も綺麗に収納してある。
このノートは電験でも活きる
電験を受ける時期になると、自分はこのノートを引っ張り出していた。
特に役立ったのは電験二種の機械科目の制御。
「ラプラス変換」が極めて重要になる。というより、ラプラス変換ができればほぼ点になると言っていい。
理論科目でも役立った。
「過渡現象の計算問題」だ。
忘れてしまっても、すぐに思い出せる環境を作っているので、また勉強を1からやり直すといった時間のロスがほぼない。
何をやるにしても、自分はこういった環境を作ることを常に考えている。
まとめ
以上「電験がコロナウイルスで延期中止でも問題ない仕組みを作ろう」の記事となります。
非常に不安定な時期で、勉強しにくいなと感じると思いますが、残念ながらどうしようもないことです。
これに苛立ったりして逆らわずに、どう対応しようかな?と考えてみて欲しいです。それが一番自分自身の為になります。
今回はコロナウイルスでしたが、人によっては「仕事の繁忙期」で勉強できないこともあります。
4月に休んでいる企業が多いので、しわ寄せがあとに来る可能性が高いです。今のうちに仕組み作りをしていきましょう。
お互い今日も良い一日になることを願っています。
桜庭裕介