今日対峙した問題は「オシロスコープ」である。実際に研修等で使用したことのある人は楽勝に解ける問題であるが、使ったことがない人は厳しいかもしれない。
コツさえ掴めば、大きな得点源になる。
平成20年理論科目 問16
問16(a)
垂直偏向電極のみに、正弦波交流電圧を加えた場合は、傾向面に(ア)のような波形が現れる。また、水平偏向電極のみにのこぎり波電圧を加えた場合は、蛍光面に(イ)のような波形が現れる。このとき波形を静止させて見るためには、垂直偏向電極の電圧の周波数と水平偏向電極の電圧の繰り返し周波数との比が整数でなかればならない。
(b)
正弦波電圧va及びvbをオシロスコープで観測したところ、蛍光面に図7に示すような電圧波形が現れた。同図からvaの実効値は(ア)(V),vbの周波数は(イ)(kHz),vaの周期は(ウ)[ms],vaとvbの位相差は(エ)[rad]であることが分かった。ただし、オシロスコープの垂直感度は0.1[V/div]、掃引時間は0.2[ms/div]とする。
解いたみた結果
「正解」
押さえておくべきポイント
今回の問題は「オシロスコープ」を知っているか否かで勝負は決まっていたと思う。故に、この記事で重要なポイントを押さえておけば、今後恐れることがなくなる。
押さえておくべき(点に繋がった部分)を共有する。
1.オシロスコープの軸を理解しているか
水平電極という言葉が出てくるが、まさにオシロスコープの表示画面の話である。結論として
オシロスコープの横軸は「時間」である
そのため、測定を実際行った結果というのは、普通の交流波形を測定すれば、いつもの見慣れた波形が出てくる。
つまり、横軸が時間なのだ。
(イ)だと、横軸に電圧をかけているが、それだと単純に時間だけが揺れ動く波形が出てくる。
一方で、(ア)は垂直方向にしか電圧をかけていないので、時間軸を進むことができないため、上下をいったりきたりする波形となる。
2.実効値と最大値を理解しているか
実効値=最大値/√2
この関係をきちんと覚えているかを試されている問題でもあった。
また、グラフからマスを読み取る必要がある。
最大値は3マス。
1マスあたり、0.1Vと書かれているので
最大値は0.1×3=0.3[V]だ。
3.divを理解しているか
「そもそもdivってなんやねん」
こんな苛立ちを覚えて人もいるかもしれない。(昔の自分は思っていた)
気持ちはめちゃくちゃわかる。
ゆえに、日本語に変換しておこう。
div=1マス
4.「ただし」は超大事
試験全般に言えることだが、電験は特に「ただし」が重要。
「ただし」がないと、問題が解けなくなってしまったりする。そのため、わざわざ追記しているのである。
そこから推測して問題を解くという手もある。
今回の問題で言えば、グラフ自体に目盛り数字が書かれていないことから、divの意味が分からなかった場合、推測で問いていくしか方法がない。
ただ、「ただし」の一文を読めば何とか食らいつくことができるだろう。大抵、単位のようなものは「1」や「1つ」を基準するものばかりだからだ。
ここ1週間で平成20年問題を解いてきたが、電荷問題の電荷の大きさについても、「距離より十分小さいものとする」といった一文が入っている。ちょっとマニアックだが、そういった文から距離に関係する解法なのかと予測することもできる。
まとめ
今回、オシロスコープの問題は(a)と(b)が完全に独立した問題だった。
こういう独立した問題は必ず解いてみて、どちらかを正解したい。何故なら、B問題の(a)も(b)も配点が5点だからである。
A問題の1問が5点だから甘く見ては絶対にダメ。この認識が甘い人が不合格になっているイメージだ。
たとえば、今回の(b)はオシロスコープの知識がなくても強引に解きにいけたりもする。「実効値と最大値の関係」が分かっていれば、(ア)が求まる。
(ア)が求まると、(イ)(エ)を解く必要がなくなる。
あとはシンプルに(ウ)のvbの周期を求めるだけで答えが導ける問題だったのである。これが巷で言われる5肢択一問題の攻略方法。(行政書士の資格試験でよく見かける)
※行政書士の試験も難易度が上がりすぎて、5股択一問題がかなり難しくなってしまっている。電験にも同じことが言えるので注意しておこう。
以前共有した記事であるが、電力科目の5股択一問題はかなりキツイから注意して勉強して欲しい。
■参考記事■