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変圧器のタップ切替装置が1次側に付いている理由

「変圧器のタップ切替」を勉強しているがよくわからない。こんな質問をもらった。

そして、以前、どこかの過去問(恐らく電験3種)では数回(たぶん1回)下記のような質問があったと思う。

 

「変圧器のタップ切替装置は( )側につける」

 

これは問題文をきちんと読んで判断しないといけないのだが、大抵は

 

タップ切替装置は1次側に付ける

後段で図をつけて紹介するが、タップ切替装置の目的は

二次側の電圧を一定にする

だ。

 

ここが考え方の起点となる。

(何故にタップ切替装置が必要になるかは実機を見てみるのが一番早いのだが。)

 

このあたりを押さえておくと、電験の穴埋め問題だろうが論述だろうが怖くない。

きちんと目的と役割を把握していると暗記に頼る必要すらなくなる。

 

電圧は常に変動している

高圧になればなるほど、電圧は変動している。

何十ボルトという単位で変動している。

しかも、三相全てバラつきがある。

 

実際はそんなものである。

さらに、電源系統には負荷がある。その負荷が大型になればなるほど、起動電流が大きくなる。

電流が大きくなれば、その分、電流が流れる線路の電圧降下も大きくなる。

 

そのため、できる限り変圧器の二次側は一定にしておきたい。

一次側が大きく変動してしまえば、二次側の電圧も巻線数に応じて当然変動する。

 

負荷変動と重なってしまえば、ズレは相当大きなものになってしまう。

 

それ故に二次側の電圧は一定にしておきたいのだ。

 

例題

柱上トランスを考えてみよう。

需要家もあるのでトランスの二次側電圧は常に一定であることが望ましい。

 

しかし、高圧側(6600V)は配電線路の末端になるほど電圧降下があるので低下する。

 

その対策として、一次側にタップを用意しておくのだ。

タップは数段階あって、巻線比が変わる仕組みなっている。

 

一次側の電圧が下がった場合には巻線比も下がるようなタップが選定されるようになっていれば、二次側電圧はある程度一定に保たれる。

(a=E1/E2)