以前配信した記事(V結線は電験3種のある過去問で完結していた )で「V結線」を紹介した。
V結線に関して、実は面白い経歴がある。
平成25年と26年の試験問題をご存知だろうか??
平成25年に「電灯動力共用方式」が選択肢の中に出てきた。直接のワードではなかったが、電灯と動力を共用する方式といった表現で登場した。
その翌年。
「電灯動力共用方式」は計算問題で登場した。
結構衝撃だったのだが、重要な知識ではある。しかし、試験本番に初めて対峙した人はほぼ解けないと思う。
それから約5年の歳月が流れている。
余裕が少しある人はここを理解してみてはどうだろうか??
電灯動力共用方式の試験問題
図のように2台の単相変圧器による電灯動力共用の三相4線式低圧配電線に平衡三相負荷45kW(遅れ力率核30°)1個及び単相負荷10kW(力率=1)2個が接続されている。これに供給するための共用変圧器及び専用変圧器の容量の値(kVA)はそれぞれいくら以上でなければならないか。
ただし、相回転はa-c-bとする。
※校正完了次第、追記します。解けるかどうか力試しをしてみて下さい。言葉の定義を含めて知識の確認をしておきましょう。共用、専用ってなんだ?となる人もいるでしょう。焦ることなく、ここで覚えれば良いです。
重要な考え方
この問題で一番重要なのは「ベクトル」の考え方である。
容量を求める為には電流を計算する必要があるのだが、その電流は位相が同じでなくては足すことができない(電験3種だからたぶん位相は同じでしょと推測し足しこむという最終手段は本当に困った時だけ使用しよう)
相電圧と相間電圧の位相差は30°
Vabといつも何気なく使っているが、相電圧とは位相の差が発生していることを理解しておこう。
30°の遅れがある。
電流の位相を問題文と合わせこむ
試験本番では恐らく、三相負荷側が遅れ位相30°で与えられると思う。
何故なら、線間電流と同じ位相にしたいからだ。
位相がズレると、コサインをかけて有効成分だけにして単相負荷の電流と足し合わせるという手間が発生する。
有効成分の計算は電験2種レベルと3種の境目なので、そこまで多くは出題されないような歴史がある。
勿論、無効電力計算はするけども。電流の成分まではがっつり出題されていない。
こういった背景もあるが、電灯動力共用方式を理解する上で電流ベクトルの意味は理解しておくといい。
綺麗な字でなく、申し訳ないが、理解する為には十分だと思う。自分で手書きで一度書いてみて欲しい。
※問題の解説は夜追記していきます