「試験直前の勉強方法は?」
「過去問を周回していく事が正しいのか」
ここを自身の経験に基づいて、解説していく。
関わる人が100人を優に超えた。
— 桜庭裕介/電験講師&電気仕事 (@denken_1) 2020年8月21日
全員に合格して欲しい。
自分自身もプレイヤーとしてエネ管に挑む。
試験一週間前からは各分野で「幹」となる問題を解き直そう。
そこから「枝葉」を生やして応用が効くようにする。
今日からが勝負だね。
Twitterの人達も頑張るべ!!#頑張る宣言#エネ管#電験
試験直前の状況
本当に凄いことになってきている。
100人以上と関わりを持っているのだ。さらには企業からも「問題解答速報に参加して欲しい」などと言った声が届くようになった。明らかに去年よりも活躍の場が広がってきている。
自分は電験に関しては一旦「企業に属さない」といった選択をした。それこそ、有名校からもオファーがあった。
単純に契約を結び、労働時間に対して賃金を貰う。
これが一番王道で楽だし、もしかしたら現時点よりも知名度が高くなっていて生活も安定していたかもしれない。
ただここには懸念があった。故に断った。
試験直前の勉強方法にも関わるので話をしておく。
察した懸念
「本当の事が言えなくなる」
という点。ここを昨年察した。
紹介するテキストの制限もあるだろうし、自分なりの戦略という話もできなくなるだろう。(有名校での教えと自分の戦略がズレていたら問題になる。)
「有名校の合格率」がめちゃくちゃ高くて、80%を超えるような所だったら、自分も従う。
だが、実態は半数以下。
※これはくれぐれも有名校を批判しているのではなくて、事実の話をしている。
ここに対して自分の中で「違うな」という思いがあった。
自分がやるなら
8割どころか勉強した人全員を勝たせるようなやり方を採りたい※
そんなことを思って活動している。
故にメールやTwitterの相談も受け付けているわけだ。
実際、昨年は頻繁にメールをしていた方は5人とも合格し、科目合格している人もいた。(今も付き合いがあるくらい)
「やっぱり間違っていなかった」と思う。
※自分の仲の良い先輩は受験申込期限を超過したので、既に全員を勝たせることが達成できなかったのは除く
とここまで思いを綴ったのだが
いよいよ試験まで約3週間となった。
これまでは「試験範囲を押さえて欲しい」「勉強時間を投入して欲しい」「毎日勉強して欲しい」というお願いをしてきた。
試験直前では「どういう勉強方法を採れば良いのか」をもっと細かく伝えておこうと思う。
試験直前は頭が「ごちゃごちゃ」
ここまで日々頑張って、「過去問を解く」という勉強段階まで駒を進めてきた人、本当にお疲れ様でした。
約5年分の過去問をインプットしつつ、自分が紹介する年度の過去問を経験していると思う。
さらには「参考書」の問題を解くという段階まで来ている人もいるので過去問は年数で言うと6年以上ということになるだろう。
しかしながら、恐らくだが・・・
混乱していないだろうか??
この「混乱」を正しく捉え、対処することを今日の目標としたい。そして、ここを解消できれば一気に合格に近づくだろう。
混乱の正体と原因
混乱の正体と原因を考えてみよう。
ちなみに自分は基本的に試験前は混乱している。
電気に関しては常に戦えるようにしているのでエネ管でも即対応が可能だったのだが、電子回路やアナログ回路、電気加熱は混乱している。
この混乱はちゃんと正しておいた方がいい。
紐解いていくと
「混乱」=「試験本番で問題に対応できない」
こんな状態だったりするのだ。
今まで勉強してきたことがスムーズに出てこないようだと、混乱状態と言っていい。また自分なりの基準としては
「試験に出題される問題が浮かぶか否か」
も大事にしていて、混乱しているとまず問題をイメージできない。故に対応もできないのだ。
残酷なことをいうと、京都大学や東京大学に合格できてしまうような人というのはこのあたりの対応力が若い時から優れているように思える。
凡人は「知識をインプットしても使えるようになるには時間がかかる」というのが自分なりの今までの経験から感じることだ。
だが、ここを嘆いても仕方がない。
混乱の原因は「知識の整理」「経験の整理」ができていない所にあると自分は分析しているので、整理をすれば良い。
では具体的にどうすれば良いのだろうか??
まず新しい問題を解いてみる
これまでの話を実際に確認してみるためにも、新しい問題を解いてみるといい。
恐らくだが、法規はスムーズに解けるようになっているはずだ。
※実際に予想模試を問いてみたので掲載しておく(電験3種法規の模試挑戦【連続正解数をストップさせられる】)
だが、理論はそう簡単にはいかないはずだ。
しかも付け焼刃的な学習になってしまう短期型の人は特に。実際に自分はオペアンプの問題を1問捨てている。
この違いはどこにあるのだろうか???
違いは「経験が必要か否か」
「計算問題か暗記問題か」
まずはこの違いがある。
法規と理論科目には決定的な違いはここだ。
計算問題は付け焼刃での学習ではちょっと歯が立たない。それこそ、優れた対応力、応用力があれば解けてしまうのだが、優秀な方と同じ土俵で比較してはダメだ。
これまでも伝えてきた通り、計算問題をマスターするには「経験」が必須だ。
知識を収納しているタンスの引き出しを探して、知識を引き出す作業の慣れが必要なのである。
余談だが、緊急訓練で「あれしてこれして」と急に手順を言われてもできない自分のような人間は事前練習が必要なのである。
過去問周回すればいいじゃん
試験直前になると、このアドバイスをする方もいるが正しいと言えば正しい。だが、このアドバイスは「理論上」という話で、全員には当てはまらないと個人的には思う。
学生時代や20代ならこの戦略で良い。
むしろ、正解だ。
時間も脳の容量もフルだし、インプットすればするほど点を取れる確率は上がっていく。
だが、社会人、特に30歳以上。
これらの方は同じ戦略というわけにはいかない。
体力がなくて帰宅した時点で通常HPの1割程度。
足はむくんでいるし、目も痛い。
インプット効率は格段に低下しているはずだ。
早朝学習に切り替えても、5時に起きて2~3時間確保が精いっぱい。1日8時間学習という強引なやり方をすると、帯状疱疹になったり熱中症のリスクがある。(実際に今年も発症した)
やはり、時間に関しての工夫をしていくしかない。
※エネ管の挑戦を少し後悔しているとは言えない
知識の幹となる問題をインプットしよう
これだ。
自分は時間がない場合、この戦略をまず採る。(膨大にインプットするという勉強も大海原で航海するが如くで楽しいのだがまとまった時間が要る。)
具体的にどうやってインプット(復習作業)をしていくかというと
コンデンサ問題は「完全マスターの問●」
交流回路計算は「平成●年の問●」
ブリッジ回路計算は「平成〇年の問〇」
※勿論、電験理論(計算問題)の総仕上げ資料。勉強の抜けを無くす【3種用】をベースにしてもらっても良いです。コンデンサ問題は確実に強くなるでしょう。
このようにまずは「ベース」となる問題を出題分野の各分野に埋め込んでいくこと。
これをすると、めちゃくちゃ対応力が伸びる。
そして、ここで話が繋がってくる。
公式と問題をセットで覚え込みをしている方は絶対に強い。
※昨年の冬、今年の春から準備ができている人の合格確率が高いのはここにあると個人的に見ている。
パッチあてみたいに勉強していないので、網羅的に対応できるということ。どういう角度で問題が飛んできても、きちんと捉えられるということ。
参考までに自分のインプット用の問題を1つずつ共有しておくので、参考にしてみて欲しい。
自分なりのインプット
基本的に自分は「完全マスター」でインプットをかけているので、抜けが少ないタイプの人間ではある。(問題自体は10年以上前の参考書の問題をベースにしているが)
例えば、昨日だとこんなツイートがあった。(優秀なソウケイさんとのやり取り)
▪️誘導加熱と誘電加熱
— 桜庭裕介/電験講師&電気仕事 (@denken_1) 2020年8月21日
誘導加熱は「磁界による渦電流」を利用する。
⇒ジュール熱
誘電加熱は「電界」を利用する。
⇒誘電損失
両者には利用するモノと発生熱の違いがある。ここから加熱対象が「導電性or絶縁体」といった違いに繋がる。
渦電流は絶縁体を加熱するのには向いていない。
となる。
問題は見てないですが、3種の合格率を見るに去年の機械は簡単だったようですね。
— ソウケイ@電験会、電験2種合格 in 2020年度 (@Merivale_Auto) 2020年8月21日
そしたら今年はひねくれた問題が出るかもです🤔
自分も捻くれものなので一種一次の問題(理論、機械)に取り掛かってますが…何とも難しい😅
そういえば電流の浸透深さの√1/μfρは誘導加熱の方でしたっけ?
浸透、渦電流ですので誘導ですね😊
— 桜庭裕介/電験講師&電気仕事 (@denken_1) 2020年8月21日
変圧器が渦電流で損失が大きく出そうで出ていないのは「積層鉄心」のおかげですもんね。
(pは抵抗率ですもんね、分子側に入れてくださいね。打ち間違いだと思いますが😌エネ管でこの問題が出てたので注意です。分母にμたちと入るのは導電率※)
※抵抗率の逆数
いえいえ、本番のミス防止になれば儲けもんですもんね!(このツイートを見た方も含めて)
— 桜庭裕介/電験講師&電気仕事 (@denken_1) 2020年8月21日
仰る通りです。
大抵の参考書で機械科目の「変圧器」に記載があると思います。
完全マスターだと、変圧器カテゴリーに端子電圧と鉄損、周波数と鉄損で記載があります。
V/f一定制御の関係が入ってきますね
渦電流損が周波数比例ではないことが分かります。(右下の直線)
— 桜庭裕介/電験講師&電気仕事 (@denken_1) 2020年8月21日
技術士にも登場しますが「磁束密度一定」という文言があって、はじめて
「周波数の2乗に比例する」と言えるでしょう。 pic.twitter.com/2R2sxVsB27
「渦電流の浸透の深さ」という知識はバラバラではなくて、「参考書とリンクしていて、知識同士もリンクさせている」という点に気が付いて欲しい。(さらに計算問題でインプットしているので、公式の分子分母ですらブレない工夫を仕込んでいる。抵抗率は分子。エネ管では抵抗率の逆数である導電率を分母に入れ込んでくる問題がある)
「参考書とリンク」が「過去問とのリンク」でも構わない。
細かい所までやると大変なのでまずは大きなジャンルからやってみることをオススメする。
これが俗に言う「試験前の調整」であり、試験日にベストコンディションに持っていくコツになるでしょう。
各分野のベースにしている問題共有
※校正中。ただ自分の中で一番中心にある問題を掲載するだけですので、あなた自身も整理してみて欲しいです
まとめ
以上が「電験試験直前の勉強方法は?過去問を周回していく事が正しいのか」の記事となります。
「過去問を周回する」の前に1ステップ入れ込むことで随分結果が変わってくるはず。頭の中が混乱しているな!と感じたら、一旦立ち止まって整理をしてみると良いでしょう。
ベースが固まってくると、今までの学習がより思い出しやすくなります。
残り数週間ですが、共に頑張っていきましょうね!!!