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【電験当日の戦い方】大きなリスクは採らない解き方

試験が迫る中で、戦い方をもう一つお伝えしておく。

 

「戦略的撤退」

についてだ。

 

電験は満点を取る試験ではない。

 

くれぐれも勘違いしないで欲しい。

自分は仕事柄、回答速報をするという仕事も頂いているので100点を目指さないといけない。

もし、回答速報を作ったはいいものの、正答率70%でした!などとなった場合、閉店しないといけなくなる。

 

故に常に実力をキープしないといけないという電験のプロという自覚が必要なのだ、

 

だが、資格に合格することが目標の人はそんなことをしなくていい。

 

無駄でしかない。

60点だろうが70点だろうが100点だろうが、そこに価値の違いはない。(試験に合格するという観点で見たとき)

 

そこで、試験で大きな失点をする人の特徴を一緒に考えてみよう。

 

試験で大きな失点をする人=完璧主義者

試験勉強は完璧主義であればあるほど良い。

それはそうだ。

 

100点を目指し、技術基準も読み込んで問題も10年分解き、さらには参考書の問題も解いた人は8割どころか10割だって狙える。

 

だが、注意しないといけないのは

「普段の勉強は完璧主義ではないのに試験本番だけ完璧主義になる」

というタイプの人間。

※ここを改善する為に自分はTOEICの受験をオススメしてきた

 

試験本番で、絶対に自分の回答は正解だ!!!と

実はよく分かっていない問題を自信持って回答してしまう。

 

これが大きな失点に繋がる。

電験はエネ管理のように問題数の多い試験ではない。

1問が5点、6点という世界。中間点もなく、1問あたりに質問が4つ5つ凝縮されている問題形式。

 

そのため、曖昧な部分は曖昧だ!と認めてやる必要がある。

そして、点に繋がる確率が高い側に張っていくという戦略も取るべきなのだ。

 

例題を共有しておく。

電験2種の問題である。

 

問題

次の文章は,水力発電所の発電機の耐熱クラスに関する記述である。文中の  に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

 

近年の水力発電所の発電機には,定格で連続運転したときに許容できる最高温度として,耐熱クラス 155 (1)の電気絶縁システムが採用されている。これにより,耐熱クラス 130 ( B )と比べて最高温度が高くできるため,巻線の電流密度を(2)ことができ,(3)を小さくできる。また,直列巻回数を増やし出力係数を大きくすることにより鉄心寸法を小さくできる。

その結果,発電機の小形化・軽量化が可能となり,建屋の小形化と,天井クレーンの吊り上げ荷重の減少化が図れる。また,発電効率は,負荷損の増加により(4)の効率は低下するが,無負荷損の減少で(5)の効率は向上する。

着目して欲しいところ

(4)と(5)だ。

選択肢には「全負荷時」と「部分負荷時」のどちらかがそれぞれに入る。

 

この問題は効率の全体像を把握していないと解けない。全負荷時は負荷損が大きくなるから全体の割合を大きく占める。

一方で、部分負荷時は当然部分負荷なので負荷損より鉄損が大きな影響を持つ。

 

これを知らずに、文脈だけで(5)に「全負荷時」の効率が向上する としてしまう人がいるのだ。

 

※ちなみに自分はこの文章に苛立ちを覚えていたりする。この問題の作成者は「日本人なら文章の最後は全体効率が向上した!という感じで、いい感じにするのが文章の書き方だろうが!」と年配の方から説法を受けた方がいいと個人的には思う。

 

最後は冗談を入れさせてもらったが、分からない問題がある場合には「同じ選択肢を選ぶ」という戦略もあるということを伝えたかったのだ。

 

このサイトの読者の中には電験2種受験者もいられるので、そのまま参考にして頂ければと思います。電験2種は電験3種より点を細かく取っていくことができるので、リスクとのバランスを取りながら回答をして欲しいです。

 

電験3種の方も100%正解!という部分以外は慎重に解いて分からない所は冷静に吟味するという戦略を採っていきましょう。

試験中にギリギリの戦いになってしまうことも当然あると思うので、一度立ち止まり、「点」を意識して、基準点に滑り込むしたたかさも持っていて欲しいです。

さ   
         F                  H

 

 E                            F                  H