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数字に強くなることのメリット【仕事に繋がる】

「数字に強くなる」

という言葉がある。最近はそうでもないが、ひと昔前には流行して、書籍も沢山出ていた。

 

当時の自分は「数字に強くなる価値」にぴんと来ていなかった。

実際、社会人となり仕事をするようになっても「計算をする場面」がそこまで多くないこともあり、正直よくその価値が分からないまま年月が経過した。

 

立場が変わってから「数字に強い」の本当の価値を知ることになるのである。

 

数字に強い人

「数字に強い人」というのは色々定義が存在する。

「実際に電卓を叩いて高速で積算資料を作れる人」「難しい回路計算の問題が解ける人」というのも数字に強い人である。

また「数字を10桁以上も暗記できる人」も数字に強い人だろう。

 

だが、これらの例とは違った「数字に強い人」を最近知った。

年齢を重ねて、働く環境が変わるにつれて「数字に強い人」の解釈が増えたのである。

 

結論を言うと

・「計算が早い人」も「数字を扱える人」も数字に強い人

 

・両方とも役に立つが、それぞれ活きる場所が違う

 

である。 

早い計算ができる人

計算が早い人は資格試験では圧倒的に有利である。それは数学要素が含まれる資格試験でかつ難易度が高いほど、それは顕著だ。今年の電験2種二次試験においても、制御の問題、変圧器の効率計算、電力管理に関しても計算が得意な人はサッと終わらせることができたはずだ。

計算力は磨いても伸びるから鍛えておいた方が絶対に良い。自分が得をする。

 

実務における計算力

電気のエンジニアの作業としては、予算や発注、運転管理(測定器の設定等)の場面で数字を扱う事もある。資格試験ほどの計算をがっつりするような事はないが、設計や解析になると、複雑な計算をすることがある。

耐震計算や応力計算、流体解析といった仕事に関わるとなると、説明を求められるような場面では計算力がないと大変な目に遭う。

 

実務においては「違った計算力」の方が重宝される。

「概算で求める力」だ。

例えば、見積もり。

実際、緊急を要する場合、電気補修の業界では管理職同士で話をつけることがある。変圧器のトラブルなど早急にやらないといけない場合は大体のオーダーで話をする。必要な対応を考慮して概算で業者対応金額を算出し、足し合わせることで提示する。

ここをミスすると、あとでトラブルになったり火消しに追われることになる。

 

 

ここから先が年齢を重ねる上で、大事になる話だと自分は感じている。

数値推移から物事を推測する力

年齢を重ねるにつれて、仕事が変化してくる業種がある。

「現場での作業」が中心だった人が「事務所中心」となったり。現場管理から運転管理に変わったり。

 

一方で、現場管理や運転管理から離れて、全体管理のポジションになる人もいる。

この時に大事になるのは「数値から物事を把握する力」である。

 

この力は「先回りして行動する為に必要な力」であり「危険を事前に察知して軌道修正できる力」である。

立場立場で違ってくるが、現場責任者や運転管理の責任者はプラントを管理する為にこの力が必要になるだろう。メンテナンスの要否の考察にも必要になる。

 

また、自分の責任の範囲が広がれば広がるほど、考えなくてはいけない事や応対したいといけない事が増えるので一件一件に向き合う時間がどうしても限られてしまうのである。

その環境下で適切な対応を採るためには報告で上がってくる数値をきちんと捉える力が必要になる。

 

※ただ偉くなったポジションになってから学べばいいや!と考えるのは違う。急にできるようになることではない。また、大抵、全体管理をするポジションの人の下には補佐が付く。この補佐の仕事をする場合「数値から物事を把握する力」がないとツライ。

 

個人で仕事をする場合にも応用できる

個人で仕事をする場合にも「数値推移から物事を推測する力」は役に立つ。

会社員は会社が仕事を採ってきてくれるし、既に構築された受注関係があるから安定している。優秀な部下もいるし、会社の看板が何とかしてくれる。

 

だが、個人で仕事をする場合は違う。

自分がしっかりしていないといけない。

そして、仕事をする上で必要になるのは「早い計算ができる事」ではなくて「数値から物事を推測する力」であることが圧倒的に多い。

これから自分で事業を成して、世の中に貢献したい!と考える人は後者の力を伸ばしていく必要がある。

 

最近の仕事と数字の話

最近は、色々な業種の方と仕事をする機会が有難いことに増えた。

農家、漁業といった人たちと繋がることができ、それぞれの仕事を知った。そこに電気エンジニアがどう介入させてもらえるかを自分は試行錯誤している。

サービス業やメンテナンス業は事業者の事業活動における「生産から消費者までのサイクル」の中に入り込むことで生きていくことができる。

 

その中で「数字」というのが極めて重要になる。電気エンジニアにとっても、農業や漁業を行う人たちにとってもだ。

 

事業者は「現在抱えるお客さんの数」に加えて「潜在的なお客さんの数」を把握しなくてはならない。ここには職業ごとに違いがあり、地域性もある。

これらの前提にあった上で、利益が加味された価格設定が行われる。

 

サービスとして中間に入る者は彼らの事業体系の中で生きているが故に、費用対効果が低い業者は今後、どんどん差し替わる可能性がある。去年、急な不況から、どんどん加速している。