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「電池電力貯蔵設備」を説明せよ

「「電池電力貯蔵設備」を説明せよ」という問に答えられるか、挑戦してみて欲しい。令和2年問6を読み込んでおこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回答

電池電力貯蔵設備は,需要家の負荷平準化,緊急時のバックアップ電源などに用いられてきたが,近年は再生可能エネルギー発電の出力変動に対応するための送電系統の (周波数制御)に用いる実証試験等も行われるようになった。そこでは,電極活物質などが異なる様々な二次電池が用いられている。

ナトリウム・硫黄電池は,二次電池の中では比較的,理論エネルギー密度が高いなどの特長を有している。同電池では,円筒形状の単電池を断熱容器に格納し,正極・負極活物質を溶融状態に保つため(300℃)程度に保つ。このためヒータの消費電力量が大きくならないような運用形態で使用することが望ましい。

また,電解質として有機溶媒電解液等を用いた(リチウムイオン電池)は,二次電池の中では充電効率が比較的高く,常温動作であるなどの特長もあることから,電気自動車用も含めた様々な用途で利用が進んでいる。(リチウム電池)は,ナトリウム・硫黄電池に比べ (Cレート)を高くとることができるため,比較的小さい電池容量 [kW·h] で大きな出力 [kW] を得ることができる。

これらの二次電池以外に,電解質タンクの大きさを増すことで電池容量 [kW·h] を増大できるなどの特長を有するレドックスフロー電池も,送電系統用として使用されている。

二次電池を運用するにあたっては,過充電,過放電を避けつつ電池容量を有効に利用するため,満充電時に対する充電状況を比率で表した (SOC)を適切に管理する必要がある。(SOC) の推定方法は電池種別により異なるが,例えば電池の開回路電圧を用いて推定するなどの方法がある。