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アンペアの周回積分の法則とビオ・サバールの法則は何が違うのか

国内でも最高峰のレベルの資料を書きたいと思って、書いた。

アンペアの周回積分の法則

アンペアの周回積分の法則を超簡単に

ビオ・サバールの法則

ビオ・サバールの法則を超簡単に

両者に関する疑問

講義をする中で、この2つの違いが分からない人が沢山いた。どっちか一つで済まないのか?といった質問もあった。

そこで「アンペアの周回積分の法則とビオ・サバールの法則は何が違うのか」というテーマで解説をする。

2つの法則の違い

ビオ・サバールの法則は、円形コイルに流れる電流が円形コイルの中心に及ぼす磁界を求めることが可能。

アンペアの周回積分はそれができない。

ビオ・サバールの法則の方が自由度が高く、応用が利く法則であると以前の勉強資料に記載したのはこの為である。

ビオ・サバールの法則では、導体の微小部分に区切って電流を捉えるため、細かい磁界まで計算できるのが最大のポイント。

アンペアの周回積分では、ある閉じた経路に沿って磁界を積分していくと、閉じた経路内に存在する電流の総和と等しくなるという法則をまとめたもの。であるから、大きな違いがあることが分かる。

ビオ・サバールの法則のモデル

「直線導体」

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「円形コイル」

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アンペアの周回積分のモデル

「閉じた系における磁界と系内の電流」

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「同軸ケーブル」 

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関連

電流によって、生じる磁界の方向を定義したのは「右ねじの法則」である。

※レンツの法則とは違う。(レンツの法則は19世紀のロシアの物理学者、ハインリヒ・レンツ氏が発見したもので、誘導電流が生じる場合、誘導電流の向きは誘導電流の原因を妨げる方向であると結論付けた。例えばコイルに軸方向から棒磁石を近づけると誘導電流が流れるのはそれである。)

 

ここから先は、試験には出題されることのない知識である。自分のメモである。

12月は時間の合間に歴史を学んだ。電気の学者たちの発見だけでなく、どんな生活をしていたかなどを調べていた。それがまた自分の生活と照らし合わせて、もっとこうしたい!といった修正力になることを知った。

エジソンは実業家であることを知った時が一番衝撃だったし、特許にもかなり精通していることも面白かった。

フランスやデンマークなど、現地に行ってみたいと思った。

ビオ氏とサバール氏

「ジャン=バティスト・ビオ(Jean-Baptiste Biot)」

・1774年4月21日 - 1862年2月3日
・フランスの物理学者・天文学者・数学者
・研究内容は隕石、熱気球による飛行、光関係

 

フェリックス・サヴァールFélix Savart)

・1791年6月30日 - 1841年3月16日
・フランスの物理学者・外科医
・アルデンヌ県メジエール出身

ビオ・サバールの法則が生まれるまで

自分は知らなかったのだが、著書を読んでいくと、デンマークのエルステッド氏が所々で登場する。何年も予想されながらつかむことのできなかった「電流により磁気作用が生じる現象」を突き止めた人物である。

パリで行われたエルステッドの報告が一気に電気学磁気学の研究を加速させたと言われている。

アンペールはすぐに「アンペアの右ねじの法則」を発表し、フランスのビオとサバールが続いて「ビオ・サバールの法則」を報告。アラゴ氏もアラゴの円板現象を発見。

この時代は数学を重視する風潮があったという見方もある。現象を数学で紐解いていく発明が相次ぐ時代だったのだろう。

昔は学者が生きやすい世の中であったという説

フランスもそうだが、昔は数学学者や物理学者という職の人間が結構いたイメージがある。インターネットなどないため、知識の拡散速度が遅いこともあり、今以上に重宝されていたのだろう。

結局は、国益に繋がる発見ができれば価値になる。当然ながら、政府からの資金が流入するというのは今も昔も変わらないだろう。

※今の流入先を見る視点は大事だろう。宇宙産業、蓄電池、太陽光など、資金と時間がある人間たちはそこに注入できるから強いと感じる。生活費の為に時間を割かないから、没頭できる。

※やりたい!と思い、突っ切っていく行動力が大事なのだろう。

純粋な研究という面だが

今の日本では、数学学者と聞かれて、あまり答えられる人はいないと思う。数学学者どころか、大学の研究室自体が予算がないという状況なので、社会実装が弱い学者は存在しにくい。

自分は運が良く、高専機構を代表する数学名誉教授と接点があって、よく研究室で話をできたのは運が良かった。後になって、もっと吸収しておけば良かったと後悔しているが、雰囲気は感じることができた。既におじいちゃんで、自分の参観日に親と研究室に入っていったら、ソファーで寝ていた。とにかく優遇されていたし、純粋な数学研究者という感じがする人はあの人だけである。

 

学んだ事、感じた事をパパっと書いた雑文で恐縮だが、これまでずっと言い続けてきた「時間」「環境」「やりたい事」というのはこれからの時代、より大切になる。意識していきたい。