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コンバインドサイクルの「排熱回収」「排気再燃」は何故、着目されたのか

コンバインドサイクルの「排熱回収」「排気再燃」は何故、着目されたのか。

ここを考えてみよう。

それぞれの系統図

図1は「排熱回収式」である。

ガスタービンでの仕事を終えた排気ガスをボイラに導き、熱源として利用し、蒸気を作りだす。

 

図2は「排気再燃式」である。

排気ガスに残る酸素を利用する方式であり、ボイラ内に導いて燃焼させることで蒸気を作り出す。

リパワリング

京都議定書など、CO2の地球環境問題が話題となった時期、既設の火力発電所では何らかの対策をしなくてはならなかった。

このとき、海外では既にコンバインドサイクルの技術が確立され、実装まで行われていた。

コンバインドサイクルの種類

当時の資料などを確認すると「排熱回収式」「排気再燃式」「給水加熱式」が注目を浴びていた。給水加熱式は下記の系統図。

給水加熱式は何より工期が少なくて済むことが分かっていた。既設部分への追加としては、主なものとして給水加熱器。(配管、煙突、脱硝装置なども必要)

ただ効率の向上は他の方式と比較して低いため、緊急用の位置づけとして考えられていた。

排熱回収式と排気再燃式

排熱回収式は基本的に蒸気タービン(既設)が単独で運転ができない。

排気再燃式は押込通風機が100%容量であれば、蒸気タービン(既設)が単独運転ができるのである。

効率向上の点では、排熱回収式の方が優れていたが、既設ボイラなどを撤去する必要がある。一方で、排気再燃式はボイラ、燃焼設備、脱硝装置、煙突など、再利用ができる。そのため、工事期間も少なくて済む。

そういった背景もあり、1990年代のリパワリング計画が全て「排気再燃式」だったのはそのためであると言われている。