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短絡容量の抑制対策に直流連系がある理由を図で表現する

「直流送電は短絡容量抑制対策に効果がある」について、補足資料を作成した。

はじめに

電験2種二次試験であれば、暗記してもよい。

書籍によっては「直流送電=短絡容量の低下」といったニュアンスで記載されているので、混乱する人も多い。

直流連系がどのように短絡容量の抑制に繋がるのかを図を用いて表現してみる。

送電系統のモデル

送電系統には沢山の発電機が接続されている。3つの発電機マークでまとめることとした。各電源系統のリアクタンスも加味して考える。

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復習(短絡)

短絡とは、導体間が接続してしまう現象をいうが、電気回路理論では、電圧と抵抗で電流を考えてきた。

短絡時には上記のような状態になる。そのため、無視していた線の電気抵抗(送電線はほとんどリアクタンス)が、電流に影響を与えることになる。

このときの電流を短絡電流と言う。

直流連系

直流連系を考える。リアクタンスx3を有する電源系統を直流連系で繋ぐことにする。

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×の部分で短絡が発生したとする。

 

直流送電設備には、交直変換器がある。

そのため、短絡発生時には電流上昇の抑制がかかるのだ。

つまり、直流送電の所で、系統が切り分けられる。

よって、直流連系は短絡電流(短絡容量)抑制に効果がある

補足

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短絡インピーダンスは、リアクタンスx1、x2、x3の並列接続で考える。そのため、並列数が少なくなるほど、インピーダンスは大きくなり、短絡電流を抑えることができる。

「発電機や変圧器のインピーダンスは大きいものを選定する」が短絡容量抑制対策に挙がるのはこのためである。