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【まとめノート③】技術士二次試験(電気電子部門)の択一式問題

まとめノート③では「原子力発電と新エネルギー」をテーマとします。

【H18-6】

プロペラ型風車の受風面を通過する風の運動エネルギーから正味の風車軸出力に変換される割合を風車の効率とする。これには理論上の上限があり、ベッツ係数あるいはベッッの限界として知られている。この値に最も近い値は次のうちどれ
①30%
②45%
③60%
④75%
⑤90%

【正解③】
風車の風の運動エネルギー変換効率は「60%」程度です。

 

【H17-5】

定格出力1,000 kWの風力発電設備があるものとする。この風力発電設備の年間設備利用率が20%とすると、年間発電量に最も近い値は、次のうちどれか

①90万kWh
②180万kWh
③270万kWh
④360万kWh
⑤450万kWh

【正解②】
1000kW×24×365×0.2=1,752,000kWh

 

風力発電の風車形式として、水平軸形と垂直軸形がある。また、風車を駆動する空気力の種類により、抗力形と揚力形の2つがある。垂直軸形で揚力形の代表として( ア )がある。水平軸形には、風車の位置がタワーより風上にあるアップウインド形と風下にあるダウンウインド形がある。アップウインド形は風車を常に風上に保つ( イ ) が必要である。また、翼のピッチ角が固定されている風車の場合には、風速が大きいときに過負荷にならないよう、( ウ )が行われる。

【正解】
ア:ダリウス形 イ:ヨー制御 ウ:ストール制御

※現状の電験だと、この問題はあまり重要ではありません。しかしながら、再エネの普及により、これらの用語を見かけるようになりました。

 

新エネルギー発電システムに関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

① 潮汐発電は海水の流れによって発電する。
②太陽電池は光エネルギーを電気エネルギーに変換する。現在、アモルファスシリコン太陽電池が最も多く生産されている。
③廃棄物発電のストーカ炉は、主に産業廃棄物用として用いられる。
④風力発電装置の出力制御にはストール制御方式と可変速度制御方式がある。
⑤ 地熱発電は、地表に取り出した地熱流体から蒸気を取り出し、この蒸気でタービンを回転させて発電する。

【正解⑤】

潮汐発電(ちょうせき)は、潮位差を利用するので海水の流れによって発電するのではない。太陽電池は多結晶の電池が最も多い。

※太陽電池の単結晶と多結晶のことを知りたい人向けに整理しました。

太陽電池のアモルファスの意味を知りたい人へ

 

熱発電の発電方式に関する次の記述のうち、誤っているものを選べ。
①天然の乾燥蒸気を直接タービンに供給することによって発電し、排気は復水器に導いて冷却水で冷やし凝縮させる方式を乾燥蒸気復水タービン方式という。
②地熱流体の湿度が低い場合に、水よりも沸点の低い冷媒などを加熱し、媒体蒸気でタービンをまわす方式をバイナリーサイクル方式という。
③地熱流体が熱水と蒸気の混合流体である場合に最も一般的に使われている方式をシングルフラッシュ方式という。
④天然の乾燥蒸気を直接タービンに供給することによって発電し、排気は大気中に放出する最も簡単な方式を乾燥蒸気背庄タービン方式という。
⑤地熱流体の中の蒸気と熱水を分離し、蒸気で発電すると同時に熱水を地下に戻し蒸気として再利用する方式を ダブルフラッシュ方式という。

【正解⑤】

電験の再エネの難易度が上がったら、こういう問題が増えると思われる。シングルフラッシュ方式やバイナリーサイクル方式、乾燥蒸気背庄タービン方式をニュースで見かけることも増えた。