浸水してしまった機器について、解説していく。
自身の経験も踏まえて、水没による苦労をしている人に役立つ資料になればと思います。
結論:水没した電気設備はすぐ故障する
やはり電気設備は水に弱い。
水に浸かってしまうと外観に大きな損傷がなくとも,その後に思わぬ故障が発生する場合が多い。
電源投入前に必ず確認しておいた方がいい事としては
・浸水によるゴミの堆積
・浸水による塩の析出
これらが確認できた場合、電源投入は絶対にしない方がいい。
何故なら、回路がショートしてしまうからだ。
水は電気を通す
水は電気を流す。
電気回路に水が付くと、流れてはいけないところに電流が流れてしまう。
回路がショートしたり、回路の部品が故障してしまうことで、たとえ乾いていても漏電・発火等の事故が生じる危険性があるのだ。
古い端子台を見ると分かるが、有機分が炭化して、黒くなっていたりする。
過去経験した事「発火」
水は泥などの不純物を含んでいるため、小さな隙間にまで、これらが入り込む。
自分の場合、モーターが動かないという事象を経験した。
電気盤内でショートしていて、大きな電流が流れ、電磁接触器(88)とサーマルを焼いてしまった。ショートから異常な発熱による発火等の事故となってしまったのである。
※電磁接触器は定格値10倍となると、故障しやすくなるとメーカー図書に記載がある
既に乾いていたら使える?
水没した製品は、細部まで影響を受けている可能性が高いと言われる。水が乾いた後も不純物が残って、湿気でその部分に電気が流れる状態になり得るからだ。回路がショートしたり、安全の確認が困難であり、今は良くても今後壊れる可能性がある。
メーカーに問い合わせても基本的に修理はできないし、安全も保障できないと言われる。
水没を経験した機器を使うのは設備の重要度、水没の影響がどの程度あるかを判断できる技量が必要である。
物理的ダメージ
水没した機器は水没の影響を受けている場合、大電流と衝撃が加わっていること多い。変形したり,ひずんだりしていることもある。位置を細かく指定する精密機械は摺動部にゴミや塩が入っていることが多い。そのまま使用すると,駆動部分が正常に動かなくなります。(サーマルが連発する)
また、水に浸かった金属は腐食する可能性があり、強度が低下し,製品寿命が短くなる。
やはり、水に浸かった部品は,再生して使用できないことが多い。