「電工から電験へ進むために必要なこと」
今日はこの質問に答えていく。
この質問は、近年、非常に関心が高まっているテーマだ。
某出版社の方とお話しさせて頂くことがあったのだが、その特集を組むといった話があるくらい関心が高まっているとのことだ。
独自に調査した結果をまとめてお伝えする。
既に電験3種に挑んでいる方の役に立つ情報も盛り込んであるので、参考にして頂けたらと思う。
電気工事士(電工)から電験3種にステップアップ
まず、電工について整理しておこう。
電工は2種と1種があり、1種の方が難易度が高い。
ここの差は意外と大きい。
現場施工の試験が難しいのもあるが、机上での試験の難易度がグッと上がる。
2種はほぼ過去問をインプットしておくことで、机上の試験は突破することができる。基本的な回路計算が出題されるので、勉強していて、大変意味のある資格試験だと感じる。
問題レベルとしては工業高校の授業で学習するような内容が出題されるイメージだ。
公式をしっかりと復習し、過去の試験問題を解くことで対応できる。
では1種はどんなレベルの試験かと言うと
「学校の授業で発展問題として紹介される問題」と思ってもらうとわかりやすいだろう。
回路計算で言えば、複雑な問題になっていて、3行程度の計算では済まないような問題だ。
正直、自分はこの電工1種レベルが現場管理を行う上で、現場に即したレベルだと思っている。
では、その難易度を遥かに超える「電験3種」とはどういったレベルなんだろうか。
大体想像がつくと思うが、紹介する。
電験3種のレベル
わかりやすいように、電工1種と比較して、説明していく。
一番の違いとしては
「出題問題のうち、ほとんどの問題が昨年、一昨年、3年前の問題とは違う問題が出題される」
(5~10年前、それよりも前の問題をアレンジして出題される)
さらに
「問題文が複雑で、意味がわかりにくい問題がある」
また
「言葉の定義を知らないと、即失点に繋がる問題が含まれている」
これをまとめると
一筋縄ではいかない試験といった印象を持ってもらって間違いない。
具体的にどこが厄介なのか、もう少し深堀していこう。
科目ごとの試験になる
電工では実技試験があったが、電験にはそれがない。
だが、4科目(理論、電力、機械、法規)といった科目ごとの試験になる。
つまり、これは何を示しているかというと
「試験範囲の膨大な増加」を示している。
今まで電工で学んできたことは主に「理論」に該当するのだ。
だが、朗報がある。
電工経験者は「理論科目」を合格できる方が多い。
つまり、電工受験時代にしっかりと電気回路やコンデンサの基礎の積み上げができていれば、少し勉強しただけで合格できるということだ。
では、どこで躓くかというと
「法規」と「機械」だ。
「電力」は勉強不足で不合格になる方が多いのだが、暗記科目なので継続することで合格できる。
だが、この二つの科目は勉強のやり方が分からず、挫折してしまう人が多い。
「機械」科目が厄介な理由
そもそも学校で勉強したことがないという方が多い。これが一番の理由だ。
・勉強したことがない
・機器の内部を見たことがない
これで合格できる人の方がおかしいだろう。
問題集や参考書だと、図書によっては理解しづらく、不合格になるだろうな・・というものも実際にある。しかも結構多い。
まず、インターネットで
「同期機」
「誘導機」
「直流機」
「変圧器」
これを検索して、イメージを掴むこと。
(既に問い合わせが来ており、近いうちに記事でまとめます)
どんな物なのか、どういう原理なのか調べてみよう。
ネットサーフィンぐらいの感覚でいい。
これをしておくと、試験勉強に必要な下地が出来上がる。
「法規」科目が厄介な理由
法規も機械と同様、学校で勉強したことがないことが一番の理由として挙がるだろう。
そして、いい教科書があまりない。
技術基準の本文をそのまままとめたような参考書だと、文字だらけでとても覚える気にならないし、覚えにくくて仕方がない。
何とか工夫をして、知識を吸収していくしかないのがツライ。
決して「実務で必要ない知識じゃん」などと思わないように。
一気に覚えられなくなってしまう。(経験談)
まとめ
電気工事士から電験3種にステップアップするために必要なことが、ざっくり思い浮かべることができたかと思います。
過去問を実際に見てみて、自分がどこまで解けるか、一度確認してみて下さい。
おそらくネックは「機械」でしょう。根性がある方は、法規は気合いで乗り切れるものなので。
受験を考えている方の参考になる記事を整理しておきます。
時間のある時に見て頂き、必要な情報を吸収して頂ければと思います。
参考勉強資料
「機械を知る」
「電験攻略方法を知る」
「計算問題をオンラインで共に学んでいく」