7月の中盤。本格的に電力科目を攻めていく。
人によっては捨てる分野である「配電」をテーマに話をする。
配電分野の中でも「点が取れる範囲もある」ということを知って欲しくてこの記事を綴る。自分と共に勉強をしてくれている数百人(正確な数字ではないが記事を毎日見てくれている人)に役立つことを願っている。
❑昨日配信した記事❑
電験の配電計算
配電分野の中でも特に難易度の高い領域。
人によっては捨てるという選択をしても良いと思う。
勿論、17問のうち、どのようにして点を取るかを考察した上で捨てる選択をするのは言うまでもない。
「これは捨てる」「あれも捨てる」としていくうちに
「フルパワーで65点程度しか取れない」
という事態は絶対に避けよう。
配電の占める割合
ちなみに配電は年度によってはB問題×1(10点)、A問題×2(10点(うち5点は文章問題))ということもある。
ノーマークはリスクがあると考えるべきだろう。
えげつない失点をしないようにすべく、押さえられる問題を今後共有していくので、セフティーゾーンを増やして欲しい。
ちなみに自分は「短絡計算は苦手」である。ここは捨てて、その分の時間を他のゾーンに充てるべきだという考えを持っている。
平成23年問9の配電
問題文は簡潔に読もう
一次電圧6400V、二次電圧210V/105Vの柱上変圧器がある。
3つの無誘電負荷が接続されている。
・負荷1には50A
・負荷2には60A
・負荷3には40A
L1とN間の電圧がVa、L2とN間の電圧がVb、変圧器の一次電流I1を求める。
※変圧器から低圧負荷までの電線1線あたりの抵抗が0.08Ωである。
実際に問いてみる
問題文が長いので正直面倒に思えるが、実際解きなれてしまえばノートは半ページで解くことができる。
キルヒホッフの法則の計算問題より簡単に解ける。
電圧の向きだけ注意するだけだ。
問題文の抵抗が分かりにくい
「0.08Ω/線」の意味が分からない人もいるかもしれない。が、意味は超簡単である。
「Iaの流れる回路の抵抗」が「0.08Ω」
「Inの流れる回路の抵抗」が「0.08Ω」
「Ibの流れる回路の抵抗」が「0.08Ω」
という意味で捉えれば良い。
二次電圧の向きと電圧降下の向き
これがポイントである。ただやっていることは、キルヒホッフの法則を学んだ時に経験した「ループ内の電位の足し合わせ」にしか過ぎない。
手書きノートでは即Vaを求めたが、本来の考え方の元は
電源電圧=電圧降下分+受電端の大きさ
であるので
105Vの電圧=「Va+Ia×0.08-In×0.08」。
※鉛筆書きで「+」「ー」と書いているが、変圧器の向きがいつもと違ったこともあり、若干の混乱があった。シンプルに電流の向きで考えてしまえば良いだけだった。
変圧比が分かれば解けること
非常に重要だなと思うことがある。
それは「変圧比」だ。
変圧比というものは問題文から即求められる問題がほとんど。
そして、変圧比がわかれば、1次もしくは2次の電圧もしくは電流を用いることで、その反対(1次もしくは2次)が求められる。
今回の問題でいえば、2次電流が求まった時点で1次電流は求められるということである。
どんな資格試験でも、こういうゴールを見切った解き方をするのが理想である。
まとめ
以上「【電験3種電力】平成23年問9(配電計算)解説から学べること」の記事となります。
今回、配電計算の基礎を紹介しました。中でもキルヒホッフの法則の知識で解ける問題を共有しました。
これは武器になるので、試験本番ここで点を取るのはアリだと考えています。