先日、誘導起電力に関する記事を配信した。
「4.44」はこんなところから出てきていたのか!!!
そもそも「4」は周期から来ていたのか!!
という気付きをしてくれた人もいたので、配信した意味があった。
これで絶対に忘れないだろう。
試験中に直流機が出題されて、誘導起電力に関する問題が出たら、波形率1.11は忘れてしまったとしても、4.44で何とか食らいつくことはできるだろう。
ということで、ここに関連する話で、もう一つ電験でよく出題される「鉄機械」「銅機械」にアクセントをつけようと思う。
鉄機械と銅機械
鉄機械、銅機械から一気に紐づける。
— 桜庭裕介/電験講師&電気仕事 (@denken_1) 2020年7月28日
誘導起電力の式と関係がある。
「E=4.44kfNΦ」
Eを一定で考える。
水車発電機は磁極数が多いのでΦが大。大きい鉄心が必要。タービン発電機は巻き数Nが多く銅の量が多い。
銅の量が多いと
・同期インピーダンス大※
・電圧変動率大
・負荷損大
※逆数が短絡比
約140文字でまとめてみた。
鉄機械、銅機械から一気に紐づける。
誘導起電力の式と関係がある。
「E=4.44kfNΦ」 Eを一定で考える。
水車発電機は磁極数が多いのでΦが大。大きい鉄心が必要。
タービン発電機は巻き数Nが多く銅の量が多い。
銅の量が多いと ・同期インピーダンス大※ ・電圧変動率大 ・負荷損大
※逆数が短絡比
混乱しがちな知識(失点しがちな知識)が一気にまとまっているだろう。
高校時代に学べた基礎は役立つ。こういう覚え方はアリだ。
鉄機械と銅機械の名前の由来は
「素材」
の違いからである。
言葉のままであり、鉄機械は「鉄心」が銅機械より多い。
そして、何より重量がある。
銅機械は銅線が多いので損失が多いが、その分軽さがある。
付け加える知識
この「重さ」という観点は狙われやすい。
電圧変動率ほどではないが、電験2種でも1種でも狙われるので絶対に押さえておいて欲しいところ。
「重さ」は別の言葉で表現される。
GD^2だ(^2は2乗のこと)
正式名称は「慣性モーメント」である。
そう。
回転体が重量があることもあって、鉄機械は大きな慣性を持つ。
故に速度が変化するような事象が発生しても、揺るがない。
一方で、銅機械は鉄機械に比べて慣性モーメントが低い。
そのため、安定度が小である。
分かりやすい言葉で言うと
「軽い故に速度変動が起こりやすい」
ということである。
はずみ車効果
試験に出るので、物理の言葉を紹介しておく。
慣性力によって回転が保たれる効果を「はずみ車効果」という。
完全に余談だが、直流電源系統が瞬時停電起こった際に、負荷側が停電してしまわぬように、慣性を持たせる設備がある。
それが「フライホイール」だ。
回転している発電機の軸に、このフライホイールも付いている。
そして、発電機の動力が失われた時に、フライホイールの動力によって数秒間だが、発電機は回転することができるのである。
まとめ
重要なキーワードが沢山出てきたと思います。
どれも試験の答えになるようなものばかりなので、正確に記憶しておいて欲しいです。
ただ、根底にある銅機械は銅、鉄機械は鉄心が多いという知識をベースに持っておけば、一つずつ暗記するなどといったことは必要ないでしょう。
こういう整理をしていくと、脳内の記憶容量を省エネすることができます。
機械の落とし穴をだいぶ拾えたかと思いますので、覚えておいて下さい。
あとは計算を解けるようにすると良いと思います。
各キーワードの詳細については問題と合わせて、共有していこうと考えています。