変圧器の結線方式まとめ
前回の記事に引き続き、変圧器を学習していく。
今回は「結線方式」を学ぶ。
電験三種において、結線方式は「文章問題」で出題されることが多い。覚えやすいように、結線方式をシンプルにまとめあげた。
この記事を読んたのち、結線方式の特徴を説明できるようになってもらいたい。試験本番で高確率で役に立つ。
変圧器の結線方式まとめ
変圧器は結線の仕方を変えるだけで、特性が変わる。考えた人は本当に凄いと思う。
電験受験者にまず覚えて欲しいのは
「方式名」と「特徴」だ。
複雑なことを覚える前に、知識を肉付けするための土台を作って欲しい。簡潔なまとめてあるので、頭に入れて欲しい。
それから過去問を大量に解くステップに入った方がいいでしょう。
YーY結線方式
一次側、二次側とも中性点の接地ができ、異常電圧に対する保護がしやすい。
送電圧が第三高調波を含んだひずみ波形となってしまう。
YーYーΔ結線方式
YーY結線を改善できる。
(Δ側で第三高調波電流が循環し、ひずみをなくすことができる。)
三次のΔ結線に調相設備を接続し、電圧調整・無効電力調整ができる。
YーΔorΔーY結線方式
Y側で中性点接地できるので、異常電圧に対する保護がしやすい。
Δ側で第三高調波電流が循環し、ひずみをなくすことができる。
YーΔ方式
主に配電用変電所の降圧用変圧器に用いられる。
ΔーY方式
主に発電所の昇圧用変圧器に用いられる。
ΔーΔ結線方式
電圧にひずみが生じにくい。
1相の巻線が故障した場合に、V-V結線で運転できる
VーV結線方式
結線が簡単。
Δ結線と比較して、出力が1/√3となるため、利用率√3/2(86.6%)となる。
(この辺りの計算は別記事にします。)
まとめ
お疲れ様でした。
「変圧器」とくに「結線方式」を苦手だと思っている方は多いのではないでしょうか。
というのも質問が一番多いのが「変圧器」の中でも「結線方式」だからです。
何度も繰り返しでお伝えしてきた内容ではありますが
「簡単にまとめる」
「シンプルに頭に知識を保存する」
これを意識して下さい。
いきなり問題を解いても、網羅性がなくて覚えられないです。
一方で位相差の話が問題に含まれたりしていますが、こういうのは一度計算してみないと覚えられないです。
お経の意味をわかっていない人がお経を暗記するといったような学習はやめた方がいいです。
「文章で覚えられるもの」は「文章で」
「計算で覚えた方がいいもの」は「計算で」
ワンポイントアドバイスでした。
参考にして頂ければと思います。