本記事では「科目合格制度の罠」を紹介する。
前回の記事では「電験の申込」を解説した。結局、分かりやすかったのは試験センターの資料だったのだが、落とし穴があるので注意喚起をしておく。
少し変わったパターンではあるものの、受験回数が多い方がハマりやすいところなので注意して欲しい。
会社から受験しろ!と圧力がかかり仕方なく受験する方が実際いる。やる気もないので全科目合格は無理だった。
会社からは当然「受験結果」を問われることになる。そこで面目を立てるために、嘘を報告してやり過ごすというのはたまに聞く話だ。
ところが、こういったことを繰り返していると数年後、困ることになる。
うっかり科目合格制度を使わずに受験してしまうことは仕方がないことだが、3年有効だから今年は科目合格制度は使わずに・・・といった嘘の帳尻合わせをすると、大きな損をすることになるのだ。
本記事ではこのあたりを明らかにしておく。ちなみに自分は科目合格制度を使わずに大きな損をした。
この経験が誰かの役に立つことを願っている。
電験科目合格申請をしないとどうなるか
「電験の科目合格申請ってなんですか??」
「電験の科目合格申請をせずに受験したいのですが、問題ないですか??」
こういった問い合わせをもらった。
この疑問を持っている方は多いだろう。
2つ目の質問は自分も以前、疑問に思ったことがある。
電験2種以上には二次試験があるので、電力と機械は一次試験から受けたいと思ったのである。
科目合格しても1年経つと知識はほぼなくなるのでこの制度は電験2種以上だと注意が必要だ。
正確な情報を持っていなかったので、試験センターに問い合わせをして確認した。
試験センターに問い合わせした結果
結論から言うと、科目合格は3年間有効だそうだ。
正確に言うと「翌年」「翌年度」の受験申請まで有効であるそうだ。
ところが
「科目別合格制度を使わずに申込をした場合には合格は消えてしまうので注意して下さいね!」と最後に一言言われたのである。
「受験案内にきちんと書いてあるじゃないですか~」(電話が繋がるまでかなりの待ち時間があったせいもあり、話言葉に苛立ちも覚えたが・・・放心状態に)
受験案内を調べてみたところ、書いてない・・・
ん??
ちょっと待てよ。
文章の最後の方に何か書いてあるぞ。
なお、この免除申請をしなかった場合、その合格科目についての留保の権利はなくなり、試験結果が優先されます。
ッ!!!!!!!!
書いてあった。
しかしながら、この情報は知らない人が結構いるのではないだろうか。受験案内をきっちり見ている方はあまりいないと思うのだが・・・ぞれは受験者側が悪いということか。。。
試験を受験すると科目合格は上書きされる
分かりやすく表現すると
「試験を受けることで科目合格のデータが上書きされてしまう」ということだ。
つまり、昨年合格していた科目を今年免除申請せずに受験した場合、合格すればいいが不合格になってしまった場合がマズイ。
「科目合格は2回の試験まで有効だけど、1度使うと上書きされるよ」ということだ。
電験3種を受験される方は余程ストイックに勉強される方を除いて科目合格申請しておくことをオススメする。
まとめ
そもそも「科目合格制度は3年間有効」という言葉も正直わかりにくい。
「2回の試験までは科目合格申請で受験免除できる」という意味であると認識しておこう。
電験3種合格には非常に有効な手段なので、忘れずに活用していきたいところだ。
電験2種以上だと、理論と法規の科目合格は活用すべきだが、電力と機械の科目合格については注意しておいた方がいい。
かなり勉強しておかないと、結局、二次試験で失敗することになる。
このブログのユーザーが増えてきたので、以前配信した記事を再掲しておく。科目制度の罠にはまり、不合格になった電験2種の話をまとめてある。