今日もがっつり質問に答えていく。
今日の質問は
「電験2種に合格するために必要な勉強時間を教えて下さい」
詳細に記載したので、約3000文字となった。
時間がある時に、じっくりと読んでもらうことをオススメする。
※以前、電験3種について紹介した。これをベースにする。
結論から言うと・・・非常に厳しい回答になることは言うまでもない。
稀に電験3種ではなく、2種をいきなり受験する方がいるが、そういった方は覚悟して欲しい。
この資格の価値は、言うまでもなく、物凄い高い。
転職サイトを見ると、30歳どころか40歳でも就職できる上に、年収500万円は固い。
40歳での転職は想像以上にハードルが高いことは何となくは想像つくと思う。
実は、自分は転職を試みた経験があって、実際の現場に居合わせたことがあるが
どんな現場だったかと一言で言うと
「門前払い」を言い渡される現場だった
応募には「40歳はダメ」などと書いていないにも関わらずだ。
そんな情勢の中、資格一つで優位に立つことができる電験二種はやはり凄い。
必要時間の算出
正確には、算出不可能であることを伝えておく。
人それぞれの能力やバックグラウンドがあるからだ。
しかし、そんなことを言っても、何の意味もないので「条件」を設けて、ざっくりと算出してみた。
条件としては
・中学校までの数学はできること
・電気知識は「0」
・電験受験経験も「0」
・独学
つまり、本当の電気初心者が電験2種を4科目合格し、二次試験も突破するためには、どのくらいの勉強が必要かを求める。
バックグラウンドがあれば、その分、時間短縮できる。
また、自分が出しているような「攻略授業を受けていない人間」という条件も入れる。あくまで図書館で参考書・過去問を借りて取り組んだという条件での見積もりとする。
必要勉強時間
「1500時間~2000時間」
膨大すぎる時間だ。
「何故、ここまで時間がかかるか」
「時間のふり幅が大きいのか」
このあたりが気になると思うので、詳細な話をする前に先に伝えておく。
まず、ここまで時間がかかる理由は
「前提条件を全くの素人として算出しているため」だ。
そして、時間にふり幅が出るのは
「数学の習得度合いが違うため」だ。
時間算出の条件が「全くの素人」
電験二種の電気回路計算は複雑な問題が多い。
学校で勉強した内容では対応できず、訓練をし、問題に慣れる必要が出てくる。
そうすると、どうしても電験3種の計算問題から始めて2種の問題を解くという流れになる。
ここで押さえておきたいのは
電験3種の時に200時間程度かけて理論を勉強していれば、単純にー200時間できるということ。
電験3種と2種は被る範囲がある。
「きっちり3種を勉強していれば、電験2種の1次試験は突破できる」という言葉の裏には、こういった裏付けがある。
これは「電力科目」「機械科目」「法規科目」も同じである。
一番ネックになるのが「数学」
主に、理論科目や機械科目で使うことになる。
「三角関数」や「難しい微分と積分」が特に時間がかかる。これらを1時間で学ぶことは独学で不可能だろう。3時間はかかる。
また、パワエレの難易度が高すぎるので「捨てる」という選択をするのが得策なのだが、その代わりに「制御」で点を取る必要がある。
そうすると「ラプラス変換」を学ばなくてはいけない。(独学だと意味不明なのだが、知っている人から学ぶと超簡単。twitterや電話で既に教えたりした。)
独学だと、どうしても無意味に難しく覚えようとしてしまう。(教科書が悪いだけなのだが)
数学の習得状況が、必要勉強時間を左右することになる。
ただし、問題を解きながら、習得できるので全く心配する必要はない。数学の塾に通うという方もいたが、結構無駄になることが多い。
電験に必要な部分だけ学ぶスタイルで十分。
それでは各科目を見ていこう。
「理論」科目
全くの素人が苦しむ関門の一つだ。
電験3種レベルの問題を解けるようになるためには、200~250時間は必要になる。
そこから、電験二種の問題に慣れる作業が必要になる。
厄介なのは問題文がどんな意味を示しているか、理解する部分だろう。
また、計算が複雑になっているので、その訓練も必要だ。
出題範囲は約20分野あるが、一通り学び、過去問の解説を理解するのに100時間。
計算の訓練をするのに100時間といったところだろう。
上記をまとめると
①電験三種レベルを解けるようになる
⇒200~250時間
②電験二種用の学習
⇒100時間
③計算訓練
⇒100時間
「電力」科目
自分の身の回りだと、一番科目合格が多い科目だ。
以前の記事では、電験3種の電力を習得するのに150時間は必要だと解説した。
実はよく見ると、電験2種の一次試験は3種とあまり違いがない。
全く一緒にすると、バレてしまうので、穴埋め部分がマニアックな部分になってたりするが、大筋同じような問題が出題される。
問題は二次試験だ。
電験の難易度をここまで高める理由は二次試験にある。
問題の形式自体が全く違うのだ。
一次試験の覚え方では全く合格点に達しないように試験を作成しているのである。
解いてみればわかる。
一言で言うと、そういったビジネスをしているのである。科目合格制度を利用した・・
おっと失礼。言い過ぎましたね。(黒い部分が出てきてしまいました)
多方面から知識の習得をしているか確認しているのである。(そこまで問題形式を変える必要があるかという疑問は置いておこう)
二次試験の完全攻略集は現在作成中であるので、そこで完全に解説したいと思う。
上記をまとめると
①電験三種レベルを解けるようになる
⇒150時間
②電験二種用の学習
⇒50時間
③二次試験用の学習
⇒100時間
④計算訓練
⇒100時間
「機械」科目
やはりこの科目が「最大の関門」。
電験3種の問題を解けるようになるために200時間は必要になる。
ここで朗報なのだが、電力科目と同様、電験3種をきっちり学習しておけば、細かな部分を追加学習しただけで突破できる。
問題は2次試験。
冒頭でも説明したが、電験3種との違いは「制御」にある。
さらに、各問題の難易度が桁違いだ。
しかし、一定のパターンがあるのでそこを覚えることで合格に近づくことができる。
上記をまとめると
①電験三種レベルを解けるようになる
⇒200時間
②電験二種用の学習
⇒50時間
③二次試験用の学習
⇒100時間
④計算訓練
⇒100時間
「法規」科目
電験3種と2種で見比べをした人はいるだろうか。
対比表を作ってしまいたいとも思った。
機械科目のように一見同じように見えて、実は違う。
文章自体は同じなのだが、「問われる」部分が違っていることに注意しよう。
電験3種の問題集を覚えるだけでは、不合格になることを認識しておこう。
しかも、ただの暗記科目ということもあり、電験3種時代の記憶はほぼ残っていないはず。
そのため、法規用の勉強として100時間を見ておこう。
まとめ
電験の勉強時間を算出してみました。
膨大な試験範囲に加え、数学の習得状況の違いもあり、一概に言えませんが、電験3種の知識もない方だとかなりハードルが高いです。
覚えることが単純に多いのです。
逆に3種でみっちり勉強している方はアッサリ2種を合格したりもします。
今回の記事は、これから勉強を開始する方の目安になればいいと考えています。勉強計画は、本記事を参考にしつつ、作成して頂けると具体的なものができると思います。
電験三種の記事でもお伝えしたのですが、できれば試験1ヶ月前までにがっつり勉強するような計画にしてもらえると合格確率が高くなるのでオススメです。