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電験三種合格の必要勉強時間【電験受験申込前に読もう】

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今日もガンガン質問に答えていく。

今日紹介する質問は

「電験三種に合格するために必要な勉強時間を教えて下さい」

だ。

ここに答えていく。この記事はできれば電験受験申込前に読んで欲しい記事だ。

インターネットで検索しても、詳細を説明する記事が出てこなかったので「科目ごとの必要時間」を算出してみた。

「何故にそこまで時間がかかるか」も合わせて記載しておいたので参考にして欲しい。

 

社会人であれば「奨励金の為に資格取得したい!」という方も実際いたが、先に伝えておこう。奨励金といったメリットだけではあまり美味しい資格ではない。

※ただ将来、かなり価値がある資格ではある。定年退職後には「必要な量だけ働く」といった働き方も出てきていることはご存じだろうか?

詳しくはこちらの記事(電験に将来性はある?【結論:判断基準は今後の市場にある】)に記載してある。

要は「将来の需要を見越して動こうね」という話である。興味があれば読んで欲しい。知っておくと得をするだろう。

 

では本題に入ろう。

 

電験三種合格に必要な勉強時間

「700時間」

相当な数字だ。1日2時間勉強した場合には365日かかる。だが、実際には人間の脳には忘却があるため、長期戦になればなるほど勉強時間は必要なってしまう。

この時間を知人を含めて聞き取りをしたが、電験合格者なら「いいセン」いっているなと思うだろう。(電験合格者はこの話題がめっちゃ好きだ)

 

ただ数字を語り合っていても意味がないので「学習者の条件」を整理していこう。

 

必要時間の算出には条件設定が必要

1時間もズレない正確な時間を作出することは「不可能」である。人それぞれの能力やバックグラウンドがあるからだ。

「正確な必要時間が知れないなら価値がない」などと言う人もいるが、この言葉にこそ意味がないし、そういう人に限って「時間の無駄だった・・」などと泣き寝入りしてしまう。

難関資格試験は簡単には突破できない。だからこそ価値があるのだ。

難関資格試験のような不確定要素が多く含まれている課題に向き合う場合、ある程度の確度をつけるための「条件を設ける」考え方が優れている。ざっくりと算出にはなるが行動の指標になるだろう。

俗に言う「あたりを付ける」だ。


設定する条件としては・・・

・中学校までの数学はできること
・電気知識は「0」
・電験受験経験も「0」
・独学

本当の電気初心者が「電験三種を4科目合格するためにはどのくらいの勉強が必要か」を求めるということ。

バックグラウンドがある人にとってはその分の時間短縮できるので引き算してやれば良いわけだ。

また、自分が配信しているような攻略授業を受けていない人間という条件も入れている。ショートカットしていない状態ということだ。

あくまで「図書館で参考書・過去問を借りて取り組んだ」という条件での見積もりとする。

 

 

それでは電験には4科目あるので分解して考えていこう。

 

❑電験の4科目❑

・理論科目

・電力科目

・機械科目

・法規科目

 

※注意事項※

合格点(60点)取れば良いんでしょ?という考えはかなりリスクがある。65点もしくは70点を狙うぐらいが良い。昔と違って同じような問題が少ないし、難易度も上がっているので計算ミスする可能性だってある。

捨てる分野ものちに決めるため、これから紹介する勉強時間よりは減るものの、そこまで大きく削ることはできないと考えておこう。

捨てるといっても拾える所は拾うスタイルで5点を狙いにいった方が良いからだ。

 

理論科目の必要勉強時間

■必要時間■
200時間~250時間

全くの素人だと確実に苦しむ関門の一つだ。

200~250時間は必要になる。

何故、これだけ時間がかかるかと言うと

約20分野の勉強をしなくてはいけないから

である

分野数で考える

数ある資格試験を見ても、これだけ試験範囲が横に広がっている試験はない。参考書や過去問を見ていない状態だと、100時間でもいけるだろうと思うこともあるが、実際に問題集を見ると、考えが変わるだろう。

1分野あたり1時間は分野の概要を押さえる為には必要になる。そこから計算問題を解けるようにならなくてはいけない。

 

実際、高専では1年~2年かけて電験3種の理論科目範囲を学ぶ。

直流回路分野としては

・基本回路計算

・キルヒホッフの第1法則、第2法則

・テブナンの定理

電磁気分野としては

・電気力線の考え方

・電荷単位の計算

・コンデンサ計算問題

・磁気回路

交流分野としては

・抵抗回路の計算

・RLC回路といった複数素子回路の計算

・sin,cosといった三角関数を含む計算

・過渡現象

ここに電子回路(相当厄介)やダイオードら、計測機器が加わる。

相当のメンバーだ。

しかも、難易度も上がっているときている。

 

 

・・・

 

2002年のジダン率いるフランス代表、ロナウド、ロナウジーニョ率いるブラジル代表のようなメンツである。

2000年のミレニアム打線(3番江藤、4番松井秀樹、5番清原和博、6番高橋由伸、7番二岡。1番仁志敏久、2番清水は他チームならクリンナップも打てる実力。代打に元木、マルチネス。9回4点ビハインドでも勝つから最後まで面白かった。ちなみにこの年は優勝。)も思わせるほどだ。

※サッカーや野球を知らない人は申し訳ない!

 

冗談はここまでにして、ふざけてしまうほど各分野かなり難易度が高いことを伝えたかった。

実際、計算を習得しようとすると、1分野1時間では終わらないだろう。2時間、ものによっては3時間かかる。

 

そう考えると250時間の目安として妥当と考えられるだろう。

 

参考書のページ数という観点から見る

参考書のページ数という観点から考察してみよう。

理論科目は約300ページの参考書が多い。大体4ページで1カテゴリーだったりするので約70カテゴリー。

1カテゴリーをマスターするのに2時間消費してしまったら140時間だ。


実体験の感覚で言うと、1分野の授業を1時間やったとして自宅で宿題を1時間でやってもらって、次の授業で1時間演習をやる。これでようやく電験三種の問題が解けるようになる。

これをあまり急ぎ過ぎると、上手くいかなくなる人もいるから注意だ。人それぞれ容量があるということ。

しかも、分野が多すぎるので1ヶ月もすれば確実に忘れる。「公式のまとめ」「計算問題のまとめ」は必須とも言える。

「ただ解けるようになって終わり」という勉強方法では失敗する。「復習」がキーになる。

 

4ページを3時間(1時間ずつの分割学習スタイル)で勉強したとして280時間。多く見積もっているものの、大きくは外れていないだろう。

自分の勉強スピードと比較していく中ですり合わせていくと、ぼんやりと想定時間をはじけるのでやって見て欲しい。

■ 細かい分野毎の話に興味があれば一緒に考えてみよう!

【詳細分析】電験3種の理論科目の勉強時間はどのくらい必要なのか? 

電力科目の必要勉強時間

■必要時間■

150時間

 

電力科目の習得に必要な勉強時間は150時間と想定される。


比較的に多くの方が科目合格しやすい科目ではある。

この科目の性質上、コツコツ努力する人が受かりやすい。


理由としては、計算問題が少ないので、知識を覚えた分だけ点が取れるためだ。

特に社会人であれば、ニュースや実務での経験等で関連知識を持っていたりする。

文章を読む力もあったりする。

早い人だと「100時間程度」で合格点に達するだろう

朝1時間、夜1時間の勉強で約2ヶ月で合格ラインに到達できたという方も実際にいる。

 

機械科目の必要勉強時間

■必要時間■

200時間

 自分はこの科目が「最大の関門」だと思っている。
200時間は必要になる。

過去問を見てもらうと感じると思うが、問題文がまず何を言っているのか分からない。

物の名前がわからないので、問題文に与えられた値がどんな意味を示すのかも分からない。

非常に専門性の高い科目。基礎から学ばないと合格できないため、ざっと見積もっても200時間は必要だ。

誘導電動機の「すべり」を習得しようとした場合、30分で習得は不可能だ。1時間はかかる。しかも、計算問題もやるとなると、その倍は時間がかかる。


だが、ここで少しアドバイスをしておくと

機械科目は基礎を押さえたあと、計算が解けるようになるのは早い。一番点が安定する科目になる

公式をがっちり覚えて、問題の解き方さえ覚えればメキメキ成長していける。

 

参考書のページ数(200ページ後半)から算出しても、200時間が妥当と言えるだろう。

 

「法規」科目

完全な暗記科目だ。
覚える量から見積もると、50時間で習得できる。多い人で100時間。

暗記科目はやり方次第で難易度や勉強時間が急激に変わる。

学生時代を思い出して欲しいが
あまり勉強せずに暗記科目である歴史や地理で点数が取れる奴はいなかっただろうか。


分量が多いので、時間で言えば倍ぐらい差が付く。


また、甘く見ていると足元をすくわれるので注意だ。現に、かなり多くの人間が貴重な休日を潰してまで、法規だけを受けに試験会場に来る。

巷の参考書のページ数から50時間見ておけば十分だとしても、過去問を解く時間も入れておきたいので、余裕を持った勉強計画にしておこう。

 

まとめ

電験の勉強時間をざっくりとではあるが、条件を設定し算出しました。

これから勉強を開始する方の目安になればいいと考えています。勉強計画を立てる際は、本記事を参考にして頂ければと思います。

注意事項ではありますが、本記事に記載した勉強時間の半分といった計画にする場合は注意を払って欲しいです。

試験1ヶ月前になって、試験問題に向き合って勉強不足が露呈し時間が足りなくて泣きを見ることになるためです。

できれば試験1ヶ月前までがっつり勉強するような計画にしてもらえると合格点が取れる確率が高くなるのでオススメです。