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【水力発電】比速度の定義とその必要性を学ぶ【電験完全攻略】

「比速度」を完全に理解する

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水力発電分野において、自分は苦手意識がある項目があった。

それが「比速度」である。


何度学習しても、忘れてしまう。
今、振り返ると、あまり意味が分かっていなかったのだと思う。


比速度に限らず、覚えにくいものは

「誰でも一つぐらいはあること」「個人差があること」

多くの方と話す中で、これらを知った。



では、それらをどのように克服すればいいのだろうか。

 

「よく忘れる知識」を覚えるために有効な方法

王道と言われる方法を試してみた。

主に、下記の3つを実践した。

①覚えることを正確に書き出す
⇒あやふやな部分を明確にすることで、知識として取り込める状態に変形することが目的である。

②何度も口ずさむ
⇒覚えるために、何度も音読することで覚え込む方法だ。

③問題形式で、違う視点から知識を覚えてみる
⇒問題を解く過程で実際に使うことで、体験としての記憶化を狙う

 

 

王道を試した結果

最初、②をかなり実践してみた。
きっちり脳内に記憶されたとその時は感じた。



・・・ところが



数日後、ところどころ意味が分からなくなっていることに気が付いた。
さらに、比速度の公式も数字部分が間違っていた。


・・おかしいぞ。王道の勉強法なのに。。。


そこで「何度も音読するトレーニング」について、インターネットで色々検索してみた。


色々漁ると、あることが分かった。



「ただ暗唱するだけに陥っている場合、高確率で知識を忘却してしまう」

こういった説があるとのことだった。




たぶん自分は忘却してしまう人間側に該当していた。






そこで①をやってみることにした。

 

覚えることを正確に書き出す

これはかなり効果があった。

やるとやらないとでは大きな違いが出ることを身をもって知った。


やってみて気付いたのだが、自分は意外と理解していない部分が多かった。


書き出してみると、不明確な部分がどんどん明らかになった。


(後から振り返ると、これは明らかなメリット)



やっぱり分からない部分は、スムーズに書き出せない。


こうして自分は、よくわからない部分をもう一度しっかりと調べることにしたのである。

半日ぐらい使って、分からない部分をまとめて調べた。




この調べ作業によって、理解が進んだ。

一番大きな成果としては「物や現象のイメージを持てるようになったこと」だろう。

 

最終的には

・比速度の定義をきっちりと書き出すことができるようになった。

・「比速度」という言葉が持つ意味と、イメージを他者に説明できるようになった。

・公式の意味も理解できるようになったので、式を覚えやすくなり、数字だけを注意しておけば良くなった。

 

自分の経験談をお伝えしたが、これらを踏まえた上で「比速度」の説明を見て頂くと効果的だと思う。

 

比速度とは

<定義>
ある水車と幾何学的に相似形を保って、大きさを変え、落差1mで出力1kWを発生させたときの毎分の回転速度

 


覚えるときのコツなのだが、自分はこのまま覚えようとして失敗した。意味が分からなかったためである。そのため、表現を変えてみた。


 

<定義>
落差1mで出力1kWを発生させたときの毎分の回転速度

 

意味とイメージさえ、掴むことができればこれぐらい短くていい。むしろ、このぐらいの短い文の方が覚えやすい。

 

比速度の意味とイメージを掴もう

水車とは、ぺルトン水車、フランシス水車、斜流水車、プロペラ水車といった具合に種類が多々ある。

 

まず、重要なのは
①水車毎で大きさや形状が違うこと




これは、想像しやすいので理解できるだろう。

では、さきほどの定義と照らし合わせてみよう。


<定義> 

②落差1mで出力1kWを発生させたときの毎分の回転速度

 

この2点から分かることは

「水車毎に比速度は異なる」ということだ。
※水車の大きさが違えば、出せる出力が違ってくるというのはイメージしやすいだろう。




もう少し、分かりやすく表現を変えると

「水車の大きさや形状を工夫すれば、小さな水車よりも回転させずに出力を出すことが可能である」

ということだ。

 

比速度は何故必要なのか

結論から言う。水車を製作するために必要だからである。

水力発電所を作る上で、水車設計は極めて重要である。当然ながら、水車を作ってみてから設計修正、作り直しなどといったことはできない。かなりコストがかかる。(水車の運搬だけでも、数100万円を超える)


水車毎の比速度を求めておくことで「必要な出力」「有効落差」が決まった時、実際に運用する回転速度を算出することができる。その回転速度を基に、それに耐えうる周辺設備の設計を行うことができる。これが比速度の利点である。(水車およびその他の設備を作ってから試験してみて、やっぱり駄目でしたということがなくなる。)


比速度は「水車の型式」の中に含まれている。

※水車はメーカー毎に作りも違うし、かなりの種類があることも合わせて知っておこう。(当然、比速度はそれぞれ異なる)

 

比速度の公式

それでは重要な公式を載せておく。
意味と必要性を理解することができたので、覚えやすくなっていると思う。

公式の要素としては「水車回転速度」「水車出力」「有効落差」だ。

 

 

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少し覚え方のコツをお伝えすると

有効落差があればあるほど、回転速度を高めなくても出力が出るという点の理解だろう。

 

それを理解できていれば

「分子と分母を逆にしてしまう」といったトラブルは減る。

 

まとめ

以上「比速度を分かりやすく説明して欲しい」記事となります。


こういった複雑な事を覚えるには

①正確に書き出してみる
②理解してから、音読してみる
③さらに分子分母を逆にしない工夫をする
④実際に計算問題を解いてみる

 

経験上、いきなり④を行っても、たぶん自分と同じように数日後に忘れてしまうといった方がいると思います。

そもそもポンプすら見たことないよ!といった方は、比速度なんて特に想像しにくいと思います。

まずは「ポンプ」でネット検索してみて、こういった形状なのかとイメージを持って下さい。

そこから、比速度の定義を見ましょう。

定義を確認したら、公式を見て、回転速度や出力の関係を見てみましょう。


最後に問題を解いてみると、比速度の価値が分かると思います。

 

今日も一日頑張りましょうね。