前回配信した記事(同期電動機と同期発電機の違い)に加えて、さらに点を取る知識を共有しておく。
休日を利用して、一気に知識を補填する方にとって、役立つ記事になるだろう。
テーマは今回も「違い」だ。
「同期発電機と同期電動機」の「電圧」に特化した内容である。
■近況報告■
最近はコメントや支援を頂くことが多くなった。大変嬉しい限りである。
頂いた支援は全額社会福祉用と決めている。
被災地支援にも貢献できるので嬉しい限りだ。(しかしながら、日本は台風等の震災も恐ろしく高頻度なのでかなりツライですね。。。)
とはいえ、仕事を頑張ることで広告費は確実に増えるし、頂く支援も増える。仕事の依頼も増える。
誰かの為に頑張るまでだ。
こんな挑戦(「塾を作る夢」の裏の話|桜庭裕介@電験講師|note)もしているので覗いてみて下さい。
同期電動機と同期発電機の電圧
このタイトルだけで何が言いたいかを理解できる人もいるはずだ。
そう。
発電機と電動機の言葉を読み違えただけで計算結果が変わる問題が存在するということだ。
しかも、プラスとマイナスという符号のズレに繋がってしまう。
それを今日は共有しておく。いきなり問題と対峙して解けるようだとかなり完成度は高いと言えるだろう。
共有する問題は王道中の王道。
昭和時代から存在する問題たちである。
(ちなみに筆者は三相で出力5MWで電圧6600Vという問題を解き過ぎて、電流は437Aと覚え込んでしまっている。「しみな」だななどと意味不明な言葉を発したりする。)
問題「同期発電機」
三相同期発電機(定格出力5000kVA、定格電圧6600V、同期インピーダンス5Ω/相、力率0.8)にて、定格運転したときの下記の値を求めよ。
①誘導起電力
②電流
③電圧変動率
※ちなみに電機子抵抗は小さいので無視すること。
解いた結果
解説
①誘導起電力について
「 誘導起電力=端子電圧+電圧降下分」が発電機である。
あとはきちんとベクトルを書いて、sinθ、cosθで成分を分けること。
電圧降下分は電機子抵抗が無視なので「Ix」。
※「Ixsinθ」が実数側であることを忘れないこと。
自分は脳内で解くのが苦手な人間なので、絵を必ず描く。
②電流について
定格電流は「定格出力/(√3電圧)」で即求まる。
③電圧変動率について
電圧変動率は「定格からどれだけズレているのか?」という定格が基準になっていることを覚えていれば、公式は思い出せるだろう。(とはいえ、忘れるので「6600」を何回も分母に書いたことを覚えている。ノートにデカい字で書いたりもした※)
※かなり昔の話だが、覚えにくい短絡比も分母にInと書いていた痕跡が参考書にある。
もう一問解いておこう。
問題「同期電動機」
定格出力100kW、定格電圧3000Vの三相同期電動機がある。9月6日の気温と湿度が高い日に総合負荷試験を実施したところ、定格出力かつ力率100%運転時における総合効率が95%であった。電機子1相の誘導起電力の値を求めよう。
ただし、1相あたりの抵抗は1Ω、同期リアクタンスは5Ω。
この問題は、端子電圧から電圧降下分を引かないといけない。電動機は端子電圧が大元だからだ。
矢印を書くと分かりやすい。誘導起電力Eと電圧降下の矢印を足したものが端子電圧Vになっている。
一点気が付いて欲しい点がある。
いつも電機子抵抗を無視していいと助けてくれるのに、今回は記載されていないという点!
つまり電機子抵抗を考慮して、計算しないといけないのだ。
ただこの問題は力率1であるからまだ優しい問題。電流と端子電圧に位相差がないので、cosθsinθで成分を分けて足さなくて良い。(これは有り難い)
「cosθsinθで成分を分けて足さなくて良い。」と察することができるようになるまで問題を見続けてみるといい。
24時間見続けても効果はあまりないので
3日に分けて出逢い続けてみて欲しい。
違和感はなくなるし、ベクトル図も書けるようになる。
ちなみに自分は電圧を6600Vを入れてしまい、100回ぐらい解いてきた問題を間違えている。
もし本番の試験だったら、大変なことである。
数値の入れ間違いは絶対に最終確認時にはチェックすること。