「極数と極対数」について、質問メールが数件届いていた。また、御礼メールも届いていたので、恐らく令和3年の電験二種二次試験で出題されたのだろう。確認したところ、そうであった。
これまで元の職場での教育担当経験も含めて、電気の知識と向き合って、約5年となるが、極数は間違いやすい知識の一つである。
参考書執筆にあたり、言語化して残しておいたものが大きく役立てたようで幸いである。
極数と極対数
PΦについて、よく考えておく必要がある。
Pは磁極数である。N極とS極が1ずつあるのでP=2だ。
やりがちな間違い
NとSが1セットでP=1は誤り。
NとSが1セットでP=1という考え方は「極対数」である。
きちんと言葉を整理しておけば、間違う事はなくなる。
完全マスターはこのあたり解説していたと思う。が、なかなか読めないものである。
これからも指導する際には、要点を強調して伝えていこうと思う。
極数と極対数の登場分野
極数と極対数という言葉の定義は簡単な参考書には掲載されていない事がある。中レベルの詳しさの参考書には記載される。
大抵、直流機で解説が行われる。そのため、誘導機や同期機だけを学習している人は落とし穴にハマる可能性がある。
近年の電験二種、電験三種の試験問題を読み解いていくと、この記載レベル差というような谷間やエネ管との線引き、歴代との問題との差をよく吟味し狙っているなと思える。
極数は分野間の歪みなのか
今回の「極数と極対数」に関しては、試験作成側が分野間の差、歪みを狙っているというのは偶然だろう。
参考書作りを経験して、磁極数や極対数をどこで解説すれば良いのか?第一章の直流機、第二章の誘導機、いや第三章の同期機?といった悩みを抱えていたから、分野間という意識が働いただけだ。
ただ昔、友人の福島氏と話をしていた事が現実に起こるとは思っても見なかった。極数や極対数という言葉の定義が試験問題として適切かどうかはどうでもいいし、もはや期待をするものではないだろう。
今回も含めて、他にもいくつかあるが、最前線にいないと捉えられないだろう。これから指導する際の為にまとめておこうと考えている。
あとがき
このようなミスを起こしやすいものを一つずつ潰していくサービスを電験マガジン(自分が始めたオンライン塾)を卒業した方がやってくれる。
世の中の人の為になれば、幸いである。
当時解説していた極数と極対数
直流機の問題に対応できるようにする【弐の巻】|桜庭裕介/桜庭電機株式会社|note