「非対称短絡電流」について、解説したいと思う。
同期発電機の設計をするにあたり、短絡電流を求める式に触れた。
短絡電流の式
短絡電流は「定常電流」「過渡電流(交流分)」「過渡電流(直流分)」に分解できる。
過渡電流の交流分と直流分の時定数が異なることも大事だが、電流の成分も大事である。
系統のインピーダンス
系統のインピーダンスは「抵抗成分が小さく」と「リアクタンスが大きい」。RL直列回路として考えることができる。
厳密に電流を考える場合には過渡電流の直流成分も考慮しなくてはいけないのである。
短絡故障発生タイミング
短絡電流に直流成分を大きく含まれるか否かは、短絡故障の発生タイミングによることが分かっている。
電圧がピークの時に短絡した場合には直流成分はほとんど含まれない。
電圧が0の時に短絡した場合には直流成分を含む。
短絡故障のタイミングにより、短絡電流の大きさは異なるのである。我々は最大値で設計する必要がある。
まとめ
以上が非対称短絡電流の簡単な説明である。このほかに高調波の影響も含めると、もっと複雑になる。
以前、電験マガジンで書いた設計で登場した非対称係数はこれらを加味した値として設定されている。