【電験完全攻略】結線方式に強くなる
前回の記事で変圧器の結線方式を学んだ。
記事配信後、反響が大きかったので今回の記事では電験の過去問を紹介する。
全体を把握するのに使える問題を用意した。
電験三種、電験二種および一種の一次試験で出題されるような問題だ。
難しい計算問題ではないので、ササッと目を通して覚えてしまおう。
変圧器結線方式の問題
問題①
変圧器の結線に関する記述として、不適切なものはどれか。
(1)Y-Δ結線は第三調波電流がΔ結線の外部に現れる。
(2)V結線は、Δ-Δ結線の一相を除いたもので変圧器の利用率が低い。
(3)スコット結線は位相差が90°の二交流が得られる。
(4)平衡負荷の場合、ΔーΔ結線の変圧器相電流は負荷の線電流の1/√3である。
問題①の答え
(1)
解説
各結線の定義が頭に入っていれば、正答を選ぶことができるだろう。
第三調波電流はΔ結線の内部で循環され、外部には出ない。
問題②
YーΔ結線された変圧器の特徴に関する記述として、不適切なものはどれか。
(1)Y結線で中性点接地ができる。
(2)Δ結線があるので、誘導障害が少ない。
(3)高圧から低圧に変換するのに適している。
(4)一次電圧と二次電圧に位相差がない。
問題②の答え
(4)
解説
YーΔ結線では、1次電圧と2次電圧とでは30°の位相差がある。
このまま覚えてもいいが、ベクトル図を手で書いてみるのが一番分かりやすいだろう。
1相電圧と相間電圧とでは30°の差があることがわかる。
問題③
三相変圧器に関する記述として、不適切なものはどれか。
(1)YーY結線の線間電圧の位相は二次電圧と一次電圧とでは同相である。
(2)YーY結線の線間電圧の大きさは相電圧の√3倍である。
(3)ΔーΔ結線の線間電圧の位相は二次電圧が一次電圧より30°進んでいる。
(4)ΔーΔ結線の線電流の大きさは相電流の√3倍である。
(5)YーYーΔ結線はYーY結線の欠点を改善したもので、Δ結線である三次巻線にて高調波を循環させることができ、さらに調相設備を接続することも可能である。
問題②の答え
(3)
まとめ
お疲れ様でした。電験三種の問題を解くことはできたでしょうか。
これらの問題を正解できると大きいです。
あと高頻度で出題される火力発電、送電関係の問題が解ければ一気に「電力の合格」が見えてくるでしょう。
できれば毎日、知識を習得するように心がけると、より電験の4科目合格に近づくことができると思います。
試験申込まで10日となりましたが、一つの区切りにもなるので、そこを目指して頑張りましょうね。