電験合格からやりたい仕事に就く

電験・仕事・電気資格情報を配信

高専生は「電験」を取得することができるのか。合格に必要なことは何か。

本日配信予定です。


こういった質問を受けたので

「合格できるか否か」を答えたいと思う。


さらに「どこが有利で」「どこの知識が不足するか」といった観点で紹介していきます。

「高専」というかなり充実したカリキュラムを持つ学校をもってしても、100%近い合格者を出せないとなれば

やはり勉強のやり方を考えていかないといけないだろう。

2019年6月14日追記

高専生が「電験三種」を取ることができるか

なかなかストレートな質問である。

「学校の授業だけで合格できるか」

という質問に変えよう。



元高専生として回答する。

 

 

 

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「授業の知識だけでは合格できない」

これが自分の答えだ。

※当然「電気系の授業を受講できる専攻者」を対象として



高い授業料を支払っているにも関わらず、残念ではあるが事実だ。

授業だけでは「合格に必要な知識」が必ず不足する。

 

授業の知識だけでは合格できない

高専を知らない方もいると思うので、高専を簡単に紹介しておく。

高専とは、5年制の学校だ。

1~3年生までは基本的な一般授業(国語、社会、英語)もそこそこの割合で受講することができる。


4年、5年では一般授業の割合がぐんと減り
他の学校と違い「専門科目」という授業が多くを占めることになる。

専門科目の授業では、電気科、情報科、建築科、化学科、機械科といった専攻ごとに特化した授業が行われる。

机上での勉強に加え、実技についても学ぶことができる。はんだごてを使って、電気回路を組んだり、プログラミングを学ぶこともできる。


5年間行われる専門教育のおかげもあり、ある程度真面目に授業を受けていれば、かなりの知識を習得できる。



「専門性を持つ学生を育てることができる学校」が高専なのだ。
就職先を見ても、一流企業だらけ。社会的な評価が物凄い高い。






だが、電験の合格者数があまり高くないことはご存じだろうか。



近年、電験を受験する学生が増えているとのことだったが、1発合格できる人は本当に限られた学生だけである。

一見すると、教育、実技の両面から充実教育システムを誇る工業高等専門学校。


優秀な人材が多いのに、合格者が少ないことには、きちんと理由がある。

 

 

 

カリキュラムが「電験合格」を目指していない

当然と言えば、当然なのだが、これが一番の理由だ。

(ただ個人的には、電気技術者を排出する電気科であれば、クラスの半分は電験三種合格レベルにまで引き上げて欲しいという思いはある。電験の社会的価値を考えれば、取得させてあげた方が学生のためになるからだ。・・そもそも先生自体が合格できない可能性は大いにあるが。)


高専の授業では技術者倫理といった授業はあるが「法規」については学習しない。
ただ法規についてはある程度の時間をかけ、知識をインプットすることで合格はできる。


では、授業だけでは、どの科目であれば合格できるのかというと



電気科であれば「理論科目」のみ

機械科であれば「機械科目」のみ



全高専を調査していないものの、高専自体には大きな差はない。


電験は4科目で構成される。
「理論科目」「電力科目」「機械科目」「法規科目」


法規は仕方がないとして
残りの三科目に対しては、どの専攻を選んだとしても、これらを網羅的に学ぶことはできない。


結論から言うと

電気科を専攻した者であれば「機械科目」を初歩から学ぶ必要がある。

機械科を専攻した者であれば「理論科目」を電験三種の問題が解けるレベルまで勉強する必要がある。


そして「電力科目」については、高専によっては4年、5年生に強電科目で学ぶことができる人もいるものの電験の出題範囲を網羅しているとは言えない。

 

結論「自己学習で合格しやすい」

ここまで読んで頂き、授業だけでは合格できないことは理解して頂けたと思う。


ただ、高専生には大きな武器がある。

知識もそうだが、それ以上に他の方と比較して優位な武器を持っている。





それは「計算力」だ。

実は高専のカリキュラムでは5年間、数学の授業は継続する。


つまり「電験合格を阻む計算問題に強い」といった特性を誰もが持っているのだ。


問題を見て、式を立てる能力は、もしかしたら低いかもしれない。自分は少なくとも低かった。

ただ式さえ立てることができれば、解くことはできた。

 

高専生が電験に合格するためには

それでは、高専生が電験に合格するためにはどんなことをすればいいのかを整理する。

大きく分けて3つある。


①過去問題を大量に見て、式を立てるトレーニングをする。



②電力科目の知識を頭に入れる。


③自分の専攻ではない科目を0から本を買い、がっちり学ぶ。

 


自分が伝えているのはこの3点だ。
ここを確実におさえ、法規の勉強を行うことで合格することができる。



0から電験を始める方はやることが多く、本当に大変だ。時間に直すと、1000時間ぐらいかかったりする。



高専生は現役であれば、理論を50時間から100時間で合格することができるだろう。
社会人になって2年も経つと、理論はほぼ忘れる。
電験三種の計算問題であっても、歯が立たなくなったりする。


もし、部活も終わり、時間があるといった方は是非とも電験を取っておくことをオススメする。


将来、あなた自身を助けてくれる資格になる。