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コンデンサが並列接続か直列接続なのかで惑わす問題に注意しよう

「コンデンサが登場する電気回路が苦手」という人が一定数いる。

 

通常のコンデンサ問題(コンデンサの形状が書かれていて比誘電率や誘電率を使う問題)は解ける。

だが、電気回路で使用する場合が苦手というケースである。

 

別分野だけあって、視点が違うので久しぶりに問題と対峙すると戸惑うこともある。

 

その前に、初めての方もいらっしゃると思いますので、いつもの簡単な自己紹介を添えておきます。 

おはようございます。

電験と電気業界を研究している桜庭裕介です。 

❑電験研究歴❏
✔トータル100年分の過去問を分析

・電験1種 40年分
・電験2種 40年分
・電験3種 20年分

 

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「理論の超入門」

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一言で言うと、電験をずっと分析してきた人間。

桜庭裕介|電験&電気仕事|MBA挑戦中@denken_1
 
 

夢はある?と最近聞かれた。

電気、プラントの運転操作を教えて、自分が飯を食えれば最高だと答えた。

妻子なしなら、小さなアパートの一室で納豆や卵とごはんだけの食事で暮らすと思う(栄養の事は無知)

今後、確実に介護施設の問題が挙がる。
そこに貢献できれば良い。

そんな事を考えている。

 
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電験の問題をいつどんな状態でも解けるような人でありたいと日々研鑽している人間です。

さっそく本題に入る。

 

この回路は直列接続?並列接続?

「コンデンサ」が登場する回路において、受験者を混乱に陥らせる問題がある。

それが

「スイッチ回路」 

である。

以前、スイッチ回路について言及した記事があるので、スイッチを使った問題自体はそっちを見て欲しい。

 

今回はスイッチからの派生問題の話だ。

そう。

コンデンサを充電してから、その充電電荷で回路はどうなるか??を問う問題である。

勿論、電験3種レベルでは過渡期間の電流挙動や電荷分布の詳しい話は出ない。

 

むしろ、大切なのは基礎。

コンデンサの接続方法がどれなのか

が大事である。

 

挙がる疑問


この質問、単体だけであれば「こんな特殊ケースは考えなくてもよいっしょ」となるだろう。

 

だが、電験3種の過去問を見ると平成24年を境にコンデンサを電気回路で扱う問題はグレードアップし続けている。

 

もし、高校時代に「スイッチ切替でコンデンサ充電と放電」を経験していないようだと、ちょっと理解に苦しむ可能性がある。

 

平成24年の問題を見てみる

図1及び図2のように、静電容量がそれぞれ 4 [μF] と 2 [μF] のコンデンサ C1 及び C2、スイッチ S1 及びS2 からなる回路がある。コンデンサ C1 と C2 には、それぞれ 2 [μC] と 4 [μC] の電荷が図のような極性で蓄えられている。この状態から両図ともスイッチ S1 及び S2 を閉じたとき、図1のコンデンサ C1 の端子電圧を V1 [V] 、図2のコンデンサ C2 の端子電圧を V2 [V] とすると、電圧比|V1/V2|の値として、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

 

2012問1

(1) 1/3 (2) 1 (3) 3 (4) 6 (5) 9

 

答えは(3)だ。

 

この答えを導く際にはコンデンサの静電容量の足し合わせをする必要が出てくる。

単純に考えれば、図2の回路は直列回路である。

 

文句の言いようがないぐらいの直列回路だ。

 

そして、静電容量の直列接続は「単純な和ではなく、抵抗でいうと並列接続の公式」で求めることになる。

 

だが、この図2の回路は「コンデンサの並列接続」として扱わないといけない。単純な静電容量の和(6μF)で計算をしないといけないのだ。

 

どう考えればよいのか

コンデンサに関しては「溜まっている電荷の位置」で考えるとよい。

コンデンサは電源に接続したとき、コンデンサの上に「+電荷(もしくはー)」が、コンデンサの下に「ー電荷(もしくは+)」が溜まる。

 

直列接続であれば「電荷は打ち消されるような接続の仕方」を採る。

 

並列接続であれば「電荷は足し合わせるような接続の仕方」となる。

 

分かりやすいサイト

参考までに分かりやすくて、オリジナリティのあるサイトを紹介しておこう。

接続について理解が深まるだろう。

 

このサイトではイラストで把握することができるので抜群に優れている。(コンデンサの直列接続と並列接続を動くイラストで解説している。)

コンデンサの直列接続が何故、抵抗でいうと並列接続の公式を使用しないといけないのか。また、合成後のコンデンサのイメージも掴めるだろう。

 

まとめ

以上「コンデンサが並列接続か直列接続なのかで惑わす問題に注意しよう」の記事となります。

とても大事なことをふんだんに盛り込みました。

ちょっと消化不良になる人もいるでしょう。自分もそうだったのですが、何度もイラストを見たりしているうちに身に付くものです。

 

コンデンサの直列、並列接続に関しては「ループが形成されているか??」という見方でも個人的には良いと思います。

特にスイッチ回路の場合、電源から切り離されてしまうので直流に見えがちです。スイッチで切り離されたケースは、電源が繋いであった時点で「並列接続だったから並列で扱う」という考え方で分かりやすく整理しておくというのもアリだと思います。

 

自分は「ループ」で判断しています。