電験合格からやりたい仕事に就く

電験・仕事・電気資格情報を配信

アンペアの周回積分の法則を超簡単に

この勉強資料では「アンペアの周回積分の法則」を学ぶことができる。

学校の試験では勿論出題されるし、国家資格「電気主任技術者」の試験でも出題される。

電験3種の理論科目では暗記で乗り越えられるものであるが、電験2種の理論科目からはきちんと理解しておかないと、思わぬ失点をする可能性がある。

アンペアの周回積分の法則

電流の作る磁界中を一定方向に一回りしたとき、磁界の強さと磁界に沿った長さの積は、その一周にした閉回路の中に含まれる電流の和に等しい。これをアンペアの周回積分の法則という。

f:id:denken_1:20211223085627p:plain

式で表現する

f:id:denken_1:20211223082945p:plain

導体に電流が流れていて、その電流が作る磁界の中で、ある点から任意の経路に沿って再び元の点に戻るようなループを考える。ループを微小な長さ Δℓ1,Δℓ2,Δℓ3・・・Δℓn に分けて、それぞれの部分における磁界の大きさをΔH1,ΔH2,ΔH3・・・ΔHnとしたとき、上の関係式が成り立つ。

簡単に表現

定義の日本語が長くて、理解しづらいので

「磁界強さ」×「長さ」の和=電流の和

と覚えておくと良い。

考えるモデル「同軸ケーブル」

よく代表例として、挙げられるのが同軸ケーブル

f:id:denken_1:20211223085806j:plain

同軸ケーブルの灰色部分(内側導体と外側導体)には互いに反対方向の電流が流れる。

※互いに反対方向に電流が流れることで、外部に電磁波が出ない仕組み。

内部導体内

中心O点からの距離をrとするとき、r<α の範囲のことを言う。

内・外導体間

中心O点からの距離をrとするとき、α<r<b の範囲のことを言う。

外部導体内

中心O点からの距離をrとするとき、b<r<c の範囲のことを言う。

外部空間内

中心O点からの距離をrとするとき、c<r の範囲のことを言う。

※書きにて、互いに反対方向に電流が流れることで、外部に電磁波が出ない仕組みと書いたが、計算すると納得いくと思う。

アンペアの周回積分として考えるとき、電流の総和は反対方向の流れなので0となる。つまり、磁界も0。

それぞれの磁界の求め方

アンペアの周回積分を利用する。

分子に電流分母に円周の長さを入れ込むことで、計算することができる。この視点で問題の解説を読むことで、理解しやすくなると思う。

実際に計算してみる

内部導体内

f:id:denken_1:20211223091004j:plain

内部ケーブルの直径はα。αより短いrを考える。そのため、電流は+Ⅰより小さい。

直径r内に流れる電流をⅠrとすると

Ⅰr=(πr2/πa2)×Ⅰ

となる。

rの位置の磁界Hrは

Hr=Ⅰr/2πr

Hr=(Ⅰ/πa2)×r

となる。

※電流密度という考え方をするのが一般的だが、苦手な人もいると思うので、別の表現とした。講義にて、既に解説して欲しいという声があったので、別に追加する。

内・外導体間

f:id:denken_1:20211223091753j:plain

半径r内の電流Ⅰr=Ⅰ

よって、磁界Hr=Ⅰ/2πr

外部導体内

f:id:denken_1:20211223091826j:plain

半径r内の電流はややこしいから注意。

「内部導体に流れる電流+Ⅰ」-「外部導体に流れる電流※」

※外部導体に流れる電流は、rとb間だけである

※別途問題解説でやりましょう

外部空間内

f:id:denken_1:20211223092801j:plain

半径r内の電流は、トータルで0

内側導体+Ⅰ、外側導体ーⅠであるため。

※試験問題でいうと、問題の後半に地味に問われることが多い。電験2種だと、これだけで点数になることもあるので、大枠として理解しておくことも効果的である。

まとめ

「アンペアの周回積分の法則」について、できるかぎり、吸収しやすい形を目指して頑張ってみた。

アンペアの周回積分の法則が分からない!と悩む人の役に立てたら幸いである。

電験マガジンでは引き続き、「電気知識を分かりやすく」「社会人から勉強する人の助けになる」をモットーに頑張る。

本日はアンペアの周回積分の法則に挑戦!!|桜庭裕介/桜庭電機株式会社|note

課題の答え合わせが完了したら、苦手な部分はノートにまとめておくなど、知識が積み重なるような工夫をしておいて欲しい。

模試に向けて頑張っていこう!

 

【電験マガジン】電験2種対策資料の目次

【電験マガジン】電験3種対策資料の目次