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【停電を学ぶ】停電原因と停電復旧までの時間

停電復旧までの時間は予想できるのか

本記事では「停電」を学ぶ。

停電の仕組みと原因を学び、停電復旧までになぜ時間がかかるのかを学ぶ。


停電が発生したとき、電気をもらう側が一番知りたいのは「電気が使えるようになるのは何時間後だ?!」というところだろう。

 

仕事場は間違いなく混乱する。家庭の主婦の方も冷蔵庫の中の食品が心配になる。夏場であればエアコンも使えなくなり、さらにマンション等に住んでいる場合には水を駆動するポンプが停止するので水が使えなくなり、風呂に入ることも洗い物までもできなくなる。



そのため、電気の復旧時間は誰もが気になるので、まずはその話からしたいと思う。



大体の停電復旧の時間を算出するための重要なポイントとしては


①停電原因

②停電範囲

住んでいる場所


この3点だ。

何時間後と算出することは条件が沢山あるので電力会社も断言はできないのが実態だ。大抵停電復旧見込みはざっくりとした情報であるところからも知れる。


ただ停電原因からざっくりと予想することはできる。

故障の具合、故障箇所、住んでいる場所によっても停電復旧時間は変わってしまうが停電時間の規模は予測できる。


まずは「停電原因」を考えるといい。

 

停電原因

日本において、1日を超えるような長時間停電は「送電線に大きな事故が生じていること」以外にはまず起こらない。

尚且つ1か所のみ送電線が切れたといった事故であれば、日本の技術力・組織力だと、まず1日かからずに復旧してくれる。



まず、春から夏にかけての話からする。


強い雨も降っていないような日の停電だと
「鳥」や「樹木」による電線接触事故が原因であることが多い。
(人為的な送電線や変圧器の接触事故も稀ではあるが起こる)

この原因の場合、数時間で停電が復旧するケースがほとんどだ。
しかも、近年だと管理をきちんとしてくれているおかげで、ほぼこれらの事象で長時間停電するようなことは起こっていない。


一方で、大量の雨が降っているケース。
停電が長引く可能性がある。しかも風が強かったり、雷が何度も鳴るような雨だと1日を超える停電が起こる可能性がある。


そのため、次に考えるべきことが「停電範囲」だ。

 

停電範囲

実際に停電が発生した場合、停電範囲を知るといい。変電所の場所はGoogleマップで調べることができるので、そのあたり全域から停電しているといった情報があってかつ、風、雷がある状況下では高確率で復旧まで時間がかかる。


後述するが、電気供給は当然、停電原因の箇所を切り離してから電気を供給する。ざっくりと分かりやすく言うと「ここは復電してもいい」「ここも復電してもいい」と判断した上で電気は供給していく。

そのため、停電範囲が広いとその分、判断に時間がかかるため復電までに時間がかかる。

 

住んでいる場所

住んでいる場所は同じ地域であるにも関わらず、停電復旧までの時間に影響することがある。(既に現在の場所に長く住んでいる方だと感覚的に「停電復旧には順番があること」に気が付いている方もいるかもしれない)


実は病院がそばにある家は停電の復旧が早かったりする。

しかし、すぐそばに病院があるにも関わらず、1日遅れで停電復旧した家もある。また道路を挟んだ向こうの家は電気がついているのに自分の家は停電中といったことを経験した方もいるだろう。



これは何かというと

「送電線の区分け」によるものだ。


停電を復旧する際には停電原因の切り分ける必要がある。原因が残ったまま、電気を供給すると、また地絡等の危険な状態が発生するためだ。

その切り分けの際に、たまたま原因を含んでいる側に住んでいると停電復旧が遅かったりする。

また、病院等は重要施設であるため、停電復旧の優先度が高い。

もし、その送電線のラインに入っていれば、運が良く毎回、早いタイミングで停電が復旧される。


送電線の区分けを知ることは自分たちのような一般人が知ることはできないが、停電を何回か経験すると大体わかるものだ。これを改善してもらうことはできない。(みんな、停電復旧が早い方がいい)

 

ここまで停電復旧の話を中心にしてきた。
ここからは「停電」をもっと知りたい方のための情報になる。調べた情報をまとめておいたので参考にして欲しい。


電験の関連性
停電に関する情報は電験3種では穴抜問題で出題される。電験2種1種でも問われるほど重要な知識なのでエンジニアであれば覚えておきたい知識。時間がある時に目を通しておくと役に立つはずだ。

 

 


目次

・停電について
・停電の原因をもう少し詳しく
・停電復旧の方法
・停電の過去事例から学ぶ

 

停電について


停電には「予定していた停電」と「予定外の停電」がある。


電気設備のメンテナンスのためには必要処置を行ったうえで意図して停電を行う。重要な負荷がある場合には仮設電源を打つ等の対策を講じる。


一方で「予定外の停電」には様々な原因がある。

実際、電気主任技術者として仕事をして予定外・予想外の停電に悩まされる技術者も少なくない。なぜなら、こういったケースの停電では地絡や短絡等の事故が絡んでいる可能性が極めて高いからだ。※


※上流側の故障で電力会社の責任所掌なら正直ホッとするだろうが油断禁物。過去に地絡電流が流れ込んできて、一般家庭で死傷事故があった過去事例もある。

停電原因について

停電原因について、整理しておく。

①樹木の接触
②鳥類等の巣による地絡(屋内であれば動物)
③雷による地絡
④風による断線
⑤洪水による電柱崩壊
⑥スリートジャンプによる短絡(積雪地域のみ)
⑦碍子の破損
⑧発電機故障を起因とする負荷制限

 

 

停電復旧の方法

停電の復旧というのは実際やろうと思うとかなり難しい。送電線網はかなりの長さで、電流の本数もかなりの数だからだ。

自分が使う電気なので知っておこうと思い、嵐の中に見に行ったことがあるが、、、正直とてつもなかった

一言でいうと「壮絶」。大規模停電になる場合、日本だと大抵は「暴風雨」だからだ。


昔は、停電復旧のために全ての電柱を見て回った時代もあったそうだが、今は技術の進歩とともに少し楽になっている。


故障点を予測することで、現場確認の範囲を狭めることができるのだ。


「変電所から電気を再送電することで故障箇所を特定する」を理解しやすいのが、電力会社のホームページだ。

東京電力のホームページでは動画もあるのでかなり分かりやすい。

停電復旧のしくみと停電理由|東京電力ホールディングス株式会社


送電網のイメージがあるので、こちらも分かりやすい。

中部電力|停電復旧のしくみと停電理由 - 停電時の対処法 (スマートフォン版)

 

停電の過去事例から知識を習得する

2019年7月13日
「ニューヨークのマンハッタンでの大規模停電」


 

2018年9月6日
「北海道で起こったブラックアウト」

今回の記事で紹介した送電線事故だけではなく、発電機側の故障が一番の原因となった過去最大の大きな故障。

ブラックアウト(完全停電)は日本初である。

北海道胆振地方で生じた大規模地震(最大震度7)により、北海道内全域停電が起こった。295万戸停電というほぼ全世帯の停電ということもあり、日本を震撼させた。

停電復旧まで1週間以上かかった。

 

ブラックアウトに至った原因は

主力である火力発電所の停止
②送電線の故障

であることが分かっている。


世界的に注目された理由がここに含まれているので、もう少し詳しく説明する。


苫東厚真火力発電所という石炭火力発電所があって、3機あるのだがその合計は165万kW。北海道内の需要が310万kWとその半分を担っている。ニュース等で沢山報道されていたので多くの方が覚えているだろう。(いつか訪れてみたいと思う)

実は、地震直後に一気にブラックアウトになったわけではなかった。

苫東厚真火力発電所は地震の影響で停止したが、同時に強制停電を行った。他の地域の発電所は運転できていたこと、さらには本州からの連絡ラインから電力をもらったりしたので、需要と供給のバランスを何とか保つことがギリギリできていた。

ところが、送電線がさらに故障してしまったのだ。水力発電所等からの電気を失ってしまったので、送電網を支える発電機に負荷がかかり過ぎた。

そのため、系統周波数がどんどん下がりすぎてしまった。そのため、残る発電機も連鎖的にトリップしてしまったのだ。(こういった事象は世界を見てもなかなかない事象であり、電力会社自体の対応に問題がなかったかといった協議が入ってしまう。)

※ちなみに系統がブラックアウトしてしまうと復旧するのは難しい。まず、水力発電所から起動させて系統を作っていく必要がある。(このあたりは電験の機械科目で習う「鉄機械」「銅機械」といった短絡比が関わってくる。安定性の話。別途紹介したいと思う)