「電験のパワーエレクトロニクスは鬼門」「パワエレは捨てる」といった話を聞いたことがあると思うが、これらは本当なのかという話を今日は深堀していく。パワエレを追い求める人は頑張ってもらいたいが、覚悟がないなら諦めてもいい。
電験1種2種二次試験のパワエレは捨てる
電験の過去問をほぼ分析してきた自分は
「電験の二次試験のパワエレは捨てるべきだ」
という結論に至っている。
何故なら、相当の勉強時間を投入しない限り、ほぼ点に繋がらないのがパワエレだからである。
現実はかなり残酷だ。
投入時間ではなく、もう少し「具体的な表現」にする。
網羅性のある勉強をしていないと【点が取れない】といったことが普通に起こる
というのがパワエレだという事だ。
時間ではない。
この記事ではそこを詳細に伝えていく。
過去問分析でのパワエレへの違和感
過去問分析をし終えた人が「ん?」と違和感を持つのが
パワーエレクトロニクス
略して、パワエレである。
ザラっと過去問を眺めて
「・・パワエレって、解けるようになるの??」と思う人がいるはずだ。
少なくとも自分は思った。
それもそのはずで、毎年問題が違っていて、公式を網羅的に押さえられているのかどうなのかすら不安になる。回路図は複雑。
しかも、計算自体も難しい。
一体、どんな勉強をすれば良いのだろうか??対応できるようになるのだろうか??と思ったりする。
で実際どうなのかと言うと・・・
・・・
・・・・
答えは「相当の訓練の下でしか、対応できるようにならない」
「教科書を1から学び、過去問を大量に解く」といったトレーニングをしない限り、取れる点が安定しない。
「取れる点が不安定」というのがかなりヤバい。
学校の定期テストやTOEICのように、年に数回行われる試験であれば「うわ~ミスったわ~点取れなかったわ~」で済むが
電験の二次試験でミスをした場合、笑えない。
本当に笑えない。
試験センターを恨みたくもなるぐらいだ。しかも、一次試験がパアになった瞬間、騙されたと思うほどだ。
ここまでパワエレの怖さを語ってきたが、具体的に「パワエレがどうして難しいのか」「どうして選択しないのか」を綴っていく。
1.パワエレは回路図が複雑
自分は高専時代にパワエレの講義があったので、少しは出力波形の挙動を理解している。ただ当時、パワエレの授業が始まったばかりということもあり、高専の教授すらよく理解していなかった学問でもある。
つまり、ふつうに「覚えること」「理解すること」が沢山あって、ごちゃごちゃしている学問のだ。
まず、回路図がややこしい。
そもそもあまり見たこともない回路図だったりする。
「え?この回路で計算するの?」とツッコミたくなる人もいるだろう。
基本的に電験の問題が解けるようになるためには、種類のある回路図は理解しないといけない。
きちんと網羅しないと、よくわからない回路だぞ!と試験本番で泣くことになる。
何を隠そう自分の事である。
2.パワエレの問題は言っている意味がよくわからない
これは決してネタではない。
問題文を見て、何をすればいいの??
言っている意味がよくわからないよ??
といった状態に陥る人は少なくない。
「言葉の定義」「問題の解き方」がインプットされていないため、対応の手段が頭に浮かんでいないことが原因。
パワエレは回路によって、式がかなり違うので回路のパターン毎に式をちゃんと立てられるようにしなくてはならない。
問題文を読み、どんな条件なのかをまず把握できるようにならないといけない。
・・・言葉で言うには簡単だが、容易ではない。
3.参考書を使っても過去問が解けない
4科目が一冊になっている参考書では基本的に問題は解けない。
知識が不足しまくっているからだ。解法が思いつかない。
現状の参考書には完全な網羅性があるとは言えないので、パワエレの過去問を解くと必ず壁にぶち当たる。
ネットを使って調べながらの作業になる。
しかしながら、時間がめちゃくちゃかかる。
なんでこの答えになるの・・?という部分もあったりする。
「適切なインプットをスムーズに入れることができない」
これ故に、難関科目なのである。
4.他の分野の問題はパターン&型がある
個人的にはこれが、パワエレを選択しない最大の理由である。
「直流機・誘導機・同期機・変圧器・自動制御」
これらは全て出題される問題が大体予想できる。そして、参考書で公式を学び、過去問を解くことで、新しい問題への対応力が身に付く。
つまり、不安定なパワエレを選択する理由が全くないのだ。
先日、こういったツイートをしたぐらいだ。
電験1種2種二次試験のパワエレは「捨てる」という選択はアリ。
— 桜庭裕介|電験&電気仕事|MBA挑戦中 (@denken_1) 2020年4月8日
直流機・誘導機・同期機・変圧器・自動制御に注力した方が点に繋がる。
試験本番に対応できる参考書を作るのは難しいし、過去問や教科書で学ぶのも難しい。
パターン化&型がある問題で点を取るのが良いと考える。#電験ミニ講座
パワエレを勉強するなら、他の勉強しやすい分野をやった方がいい。だって、パワエレは必ず出題されるけど、選ばなければ相手しなくていいから。
これは、かなり的を得ていると思う。
電験2種以上で合格している人で、パワエレを解いて合格したという人は数人しか知らない。
有名な電験講師ですら、パワエレの講義はしないぐらい。
そんな位置づけにあるのが「パワエレ」である。
まとめ
以上「電験1種2種二次試験のパワエレは捨てるという選択肢はアリ」の記事となります。
「半端な学習をするなら、制御を選択した方が良い」というのが自分の意見です。勿論この電験を機にパワエレ分野をマスターする!という意気込みがあるのであれば、大変素晴らしい事です!
試験日まで半年あるぞと思っても、やることを見積もっていくと意外と時間が足りなかったりします。
社会人は頑張っても平日5時間、仕事によっては2時間しか勉強なんてことは普通にあるはず。
自分は0時に帰宅して仕事着で布団で寝ていた時期もありました。「そんな会社辞めろ」という人はいますが、退職金も欲しいですし、避けられないこともあると思います。(【労働基準法無視】12月の予算時期に現場作業がある企業【ブラック組織での実話⑨】参照)
勉強時間をどのぐらい準備できて、どの分野にどう割り振るか、4月中旬には決めておくと良いでしょう。
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