「電験2種の二次試験をどう戦うか」「どう準備(勉強)を積み上げるか」がこの記事のメインテーマだ。
具体的に「どのような準備をするのか」を点を取る観点から考察していく。膨大な知識を持っていない人、計算問題を解くのが得意ではない人に読んで欲しい一冊の体験談だ。
おはようございます。
電験と電気業界を研究している桜庭裕介です。
初めての方もいらっしゃると思いますので、簡単な自己紹介を添えておきます。
≪実績≫
❑転職関係❑『残業10時間以下』&『年収変動なし』の企業に転職成功
※詳細を下記のnoteに集約
電気エンジニアとしての決断【超大手企業を退社する選択】
❑電験研究歴❏
✔トータル100年分の過去問を分析
・電験1種 40年分
・電験2種 40年分
・電験3種 20年分
✔雑誌連載を開始
≪実績≫
❑電験3種関係❑
【電験|電力(水力発電)】水車まわりの記事がそのまま試験に出題されました
❑電験2種関係❑電験2種|機械【結論:ポイントを押さえて選択肢を減らす攻略法は有効だった】
❑TOEIC❑
電気エンジニアTOEIC攻略までの道のり【800点までは取れた】
先日、ある方からメール頂いて「電験2種二次試験の勉強方法」の話をした。「勉強方法は人に依存する」という考えをこれまでお伝えしてきたが、今回の話を紹介する中で、具体的にこんな勉強方法があったのかという気付きを得てもらえればと思う。
電験2種二次試験を倒す勉強方法を考えよう
まず、電験2種の二次試験とはどんなものか確認しておこう。意外と特殊なルールが含まれているので注意が必要だ。
❑電験2種二次試験のルール❑
「2科目で180点満点の試験」
「電力管理は120点満点」
「機械制御は60点満点」
「各科目で平均点以上を取らないといけない」
これが二次試験の正体である。
もし、あなたが膨大な知識量を持っているならば、その知識量を持って「論説問題」を一網打尽できるだろう。
もし、あなたが計算問題に強い人であるならば、電力科目の計算は楽勝で、機械科目の電動機計算などは苦もしないだろう。
しかし、そんな人は一握りだ。
では、どうすれば合格点を超えることができるレベルまで到達できるのか。
ここをより具体的に考えていこう。
「必要な知識と能力」
「それらを手に入れる勉強方法」
ここをはっきりさせることで、ぐんぐん取れる点が伸びてくる。
※電験2種を攻略する上で大切なことは下記のnoteで完全無料で公開している。合格を狙う上で「要点」だと考えている。ズレると、良くない方向に向かうので一読して欲しい。自分の経験の蓄積である。
電験2種二次試験の勉強方法は人それぞれ
電験2種に合格するための勉強方法というのは色々ある。大学受験だって、英語の試験だって、勉強方法は人それぞれであり、その効果も異なる。
故に、自分は読者の方に
試験の特徴・本質を押さえて、自分に合う勉強方法を考えて欲しい
とお伝えしている。
だが、勉強方法は100パターンとまでは拡散しない。
何故なら、人のタイプはそこまで分類されないから。
故に、自分に似た境遇の人の体験談は役立つし、勉強方法もトレースすることで、成果は出る。
現に社内試験、TOEICといった試験の対策だって、自分は自分に似た人の勉強方法をリサーチして成果が出た。
自分のようなエンジニア人間が、文系の有名大学出身の方の英語勉強方法など取り入れてもバックグラウンドが違いすぎて成果は出ない。(過去に真似て大失敗している。)
取り入れるまでもないが、京都大学の超頭の良い人間の真似をしても成果が出ないのは当然。
これはきちんと理由があって「能力自体が大きく違うから」だ。
ここは自分が一番よくわかっている。
イチローの真似をしてもヒットは打てないし、大谷翔平のような投げ方をしても150キロ後半のストレートは投げれない。
ボルトのような走り方は明らかにキャパオーバーが目に見えている。
PCの性能と同じで、性能が良くないPCに大量の情報をインプットしようとすると、処理しきれないのは明白だ。
勉強においても、同じことが言える。
ある人からの勉強方法の相談
「こういう勉強プランでいこうと思います」
といった相談を先日受けた。メールの文面から見ても、電験をよく分析をし、自身の能力もよく把握している優秀な方だと思う。
人間は思いの外、時間がない。
仕事や家族が勉強時間を制限したりするし、自身のバックグラウンドが電験からかけ離れていると、そもそもかなり時間が必要になる。
勉強戦略の話をするような時期・・・
いよいよ「電験シーズンの到来」を感じた。
電験の質問は年末、年明けから何件か連続で質問を受けていたが、4月に入るとやはりギアが一段階違う質問だと感じた。(自分自身がそういう覚悟になっているからかもしれない)
了承を得たので、いくつか質問を掲載する。
「どんな質問だったのか」
その質問に対して
「自分は過去問題をどう分析していて、どう返しているか」
この質疑を見るだけでも、随分価値があるはず。少なくても電験の落とし穴を回避することができるだろう。
重要な質問は3つあった。
勉強方法の悩み①
パワエレと自動制御、どっちを選択すべきか
「自動制御が圧倒的に攻略しやすい」
これまでの配信で伝えてきたことでもあるが、ここは2020年も変わりない。
自分が自分の分析結果に基づく戦略だ。
色々やってきて、この結論に至った。
相談者の方は下記の見解も持っていた。
「両方の分野を攻略するという時間はない」と考えています
この見解は正しいと思う。
もちろん、パワーエレクトロニクスは面白いし、学生時代も嫌いではなかった。日本産業を支えているのはパワエレでもある。
ただ・・・電験におけるパワエレは、試験本番に挑戦するにしてはあまりにもリスクが高い分野だと考えている。
どういうリスクかというと
勉強時間を投入しても、点という対価が得にくい
というリスクだ。
「誘導機、直流機、同期機、変圧器」という必須級の勉強をし、必ず出題される「制御」の勉強をするのはかなりの時間を要する。
それでもリスクを取るという選択を取るかどうかは自分で選択して欲しい。よくよくパワエレの過去問を見て欲しい。
自分の参考書で解くことができるだろうか??
自動制御とパワエレを比較する
一方で、自動制御は
「問題パターンが決まっている」
「問題を想定することができる」
という特徴がある。
これが攻略しやすいという根拠でもある。
一方、パワエレはどうかというと
「非常にランダム性がある」
「応用問題を解くのが難しい」
「応用問題が予想しにくい」
赤字の部分が重要で
電験1種の二次試験にも同様の事が言えるのだが
電験に対抗できる「パワーエレクトロニクスの参考書」がない
こういった問題がある。
かなり勉強環境が悪いのだ。
もっと正確に表現をすると
「試験本番に対抗できるような網羅性のある参考書・問題集がない」ということ。
類似問題だ!と思って、解けるレベルに到達するまでには参考書+学校の教科書が必要になる。
パワエレを選択し、合格した人間がそばにいますが、専門学校できっちりと体系化された教育環境で1から学んできた人間。
その方から教科書を今借りていますが、やっぱりパワエレは習得に時間がかかる。
(何とかできないかもがいていますが・・・。)
「型にはめられない」
「全てをパターン化できない」
「計算も複雑」
「覚えることが多い」
というのがパワエレの難しさの要素でしょうね。
勉強方法の悩み②
自動制御をどう勉強すれば良いか
自動制御の試験問題を試験本番に解けるようになる為には、何が必要か考える必要がある。
必要となるのは
網羅された知識
である。
電験の過去問を数問やってOKとはならない。
過去問5年分やったとしても、一次試験と二次試験を合わせて最大10問しかインプットしていないことになる。
しかも、電験は10年ぐらい昔の問題が出題される。
例として、フィードバック制御の問題で考えてみよう。
至近、5年分だけだと自動制御の問題全てを網羅して把握できているかというと、かなり怪しい。
制御のループが違う問題に対応できるだろうか??
外乱の入ってくる問題に対応できるだろうか??
間違わずにラプラス変換の計算ができるだろうか??
具体的に「制御で点を取るか」ですが、いくつか質問をする。(自分が学習者で失敗した時に向けて、足りない部分を問うような質問)
電験3種の過去問が解けるか??
5年(できれば10年分)の過去問を解けるだろうか??3種だからといって、舐めてはいけないぞ。電験2種に出題される問題もあったりする。
そのため「制御だけをピックアップしてまとめて解く」というトレーニングをしてみてはどうだろうか??一気に自動制御に強くなるぞ。基本の型の問題が沢山出題されているし、解説も豊富なので勉強教材としてはめちゃくちゃ使えるのだ。
次に、電験2種の過去問も10年制御だけ解けるようになったか??
勿論、5年分を解いて余裕だ!と感じた人はそれ以上勉強する必要はない。その人は制御という学問に向いている可能性がある。そもそも学生時代に自動制御の授業を受けていたり、ラプラス変換が得意といった良いバックグラウンドを持っている可能性がある。
だが、もし少しでも「知識に不安」「応用問題が解けないかもしれない」と感じるようだったら、10年分の過去問を解こう。10年といっても、電験2種の二次試験であれば、10問しかない。
さらに、電験1種の過去問10年制御だけ解けるか??
実は、自動制御は電験1種も2種も同じような問題が出る。(もちろん電験1種の方が難しい)だが、他の分野と比較すると、そのレベル差はかなり少ない。回転機の計算もそうだが、3種2種1種のレベル差は実はそこまでなかったりする。それだけ応用が利かせにくいとも言える。(ただ同期機の一部は別。横軸インピーダンスといった複雑な考えが入ってきた瞬間、相当難しくなる。)ただ3種の取り組みの方が優先と言える。基本を身に付けてから、電験1種の問題をやるべきだ。
オススメの勉強方法
「アウトプットしてみる」
今日学習したことを口頭で説明してみよう。問題の解説に記載されている「定義」「公式」は自分で説明できるかをチェックするのだ。※
※自分はホワイトボードに書いて、説明するというトレーニングをしていました。仕上げに「問題」「定義」「公式」といったポイントをノートにまとめるのも効果的でした。
過去問でガンガンインプットして、その日にアウトプットして記憶にどんどん刷り込んでいく。
これをやると、ゴールが見えてくる。
勉強方法の悩み③
論説と計算の勉強時間配分はどのぐらい??
力の置き方をどうするか?という話だ。
ここに関しては個人差がある。
知識を沢山持っている人は論説問題を解く戦略を取るし、計算が得意な人は計算問題を解きに行く準備をする。
どっちでもないよ!という人も当然いる。というより、こっちの方が主流だろう。
ここに関しては「科目毎で何点取るか」を考えてみると良い。
機械科目は「パワエレ以外、論説も計算っも両方やるべきだ」
過去、こんな人に出会ったことがある。
「自動制御が苦手で不合格でした」という人だ。
だが、よくよく分析をしていくと、もっと重要な欠点があることに気が付いた。
その欠点とは
「問1問2側の熟練度も低かった」
というもの。
そこに気が付いてから、自分の先輩、後輩もチェックしたが、不合格になる人は総じて、誘導機、同期機、変圧器、直流機の熟練度も低い。
つまり、誘導機、同期機、直流機、変圧器の計算問題で満点を取りに行く準備ができていない人がほとんどだということ。
電験の機械科目という問題の性質上、選択する問題は満点取りに行く感覚でいかないとダメ。
7割ぐらい取れれば・・という準備だと「試験本番で1問躓いた時のリカバリーが効かなくなる」
意外と怖いのが
二次試験は各科目の合格基準平均を下回ってしまうと、トータル合格点に到達していても不合格になってしまうルール。(電力満点でも、機械がダメだと不合格になってしまう)
機械科目は2問しか選択できないので、1問落とした瞬間、一気に苦しくなるので注意が必要。
誘導機、同期機、直流機、変圧器の計算問題が難しい年度もあるので、制御で点を取るという局面もある。
そういったことを考慮して勉強準備していく必要がある。
まとめ
以上「電験2種二次試験の勉強方法を具体的に考える【結論:点を取る意識】」の記事となります。
電験1種の二次試験でも機械科目は満点近く取っているので、結構有効な戦略だと考えています。(パワエレは苦手ですが・・^^)
特に思い入れがなければ
【「自動制御」で点を取る方向に舵を切る 】という決断もあり。
また「制御科目ができていないから不合格だった」と決めつけるのではなく、全体を見てみることもオススメします。
どこで点が取ることができて、どこで点を取らないのかをはっきりと整理することで、合格に近付くと確信しています。
以上の話も参考として、勉強計画を立てて頂ければと思います。(追手、追記していきますので、ブックマーク等して頂けれると助かります。)
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