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【PROJECT】電験二次試験過去問の超解説集-電力・管理-平成15年版【1日目】

お疲れ様です。

桜庭裕介です。

 

9月も中旬に差し掛かってきました。

 

今日から毎日配信で「電験二次試験」に取り組んでいきます。

 

問題を解く前に、合格に近づく「いつもの習慣」をやりましょう。


「勉強量の把握」「ポイントの把握」ですね。

 

電験2種二次試験過去問の超解説の学習概要【平成15年】

学習項目①「貫流ボイラの概要」

⇒ボイラーの特徴を答える問題は過去に何度も出題されているが、二次試験で出題されると厄介だ。穴埋めじゃないので知識がなければ、知識不足がはっきりと露呈してしまう。きっちり吸収して欲しい。

学習項目②「変電所接地網の問題」

⇒接地網という言葉自体知らない人もいるだろう。実際、自分は知らなかったのだが、この問題は過去電源2種でいきなり出題されたので解けなかった人も多い。その数年後に電験1種で出題された。しかもほぼ問題が同じだったのは驚きだった。(電験の改定がかかる以前の昭和時代には出題されてはいたので、実は初見ではないのだが、マイナーすぎる問題だったのでネットでは騒ぎになっていた)


学習項目③「油入変圧器の絶縁診断の問題」

⇒こちらは一次試験のときによく目にしているので、知識を持っている人は多い。比較的に難易度は低い。高速液体クロマトグラフが出てくる。かなり印象が強いワードだ。特徴は押さえておきたい。


学習項目④「配電自動化の問題」

⇒配電は苦手な人も多いだろう。これは資料が少ないことが原因だ。ブログ記事に起こす予定だ。活用して頂ければと思う。

【2019年10月12日リンク追記】
【配電自動化システムまとめ】目的と概要を把握・整理しておく - 電験合格からやりたい仕事に就く




学習項目⑤「系統連系の問題」

⇒系統連系することで、遮断器の遮断容量が足りるかどうかを検討する問題だ。エンジニアとして必要な知識なので学んでおこう。初心者にとっては難しいだろう。計算を学ぶなら1日かけてゆっくり学ぶいいだろう。まずは理論上の概要を理解しておくといい。

 

※更新情報

【毎日更新:2019年9月16日】
問6「系統を追加する問題(計算・論述)」を追加。

【毎日更新:2019年9月15日】
問5「配電自動化の問題(論述)」を追加。

【毎日更新:2019年9月15日】
問4「油入変圧器の絶縁診断問題(論述)」を追加。

【毎日更新:2019年9月15日】
問3「変電所接地網の問題(計算・論述)」を追加。

【毎日更新:2019年9月15日】
問2「貫流ボイラの概要・特徴問題(論述)」を追加。

【毎日更新:2019年9月13日】
問1「揚水発電所の出力計算問題(計算)」を追加。

 

二次試験15年間の過去問を解く際の注意点

過去問を使って15年間の勉強するといっても、時間がある人はいいのですが、時間がない人は闇雲に取り組むのはやめた方がいいです。ロスが発生する可能性があります。


上手くいかなそう・・と思う方は下記を参考に勉強方法を検討してみて下さい。


①計算問題は集中できる所で解く

計算の流れも含めて、頭に入れ込むようにして下さい。丸暗記ではなく、流れを掴むこと。二次試験だと一次試験とは違い、自分で式を立てます。問題文だけではなく、計算も長くなるので、どこか座れるところで1問ごと、まとめて知識吸収した方が良い結果を出しやすいと思います。

 

②論述問題は常に吸収する 

一方で、論述問題は覚えるだけなので少し気楽です。

隙間時間を使って、ガンガン知識吸収していくことで取れる点数は上がっていくでしょう。

 

通勤時間、仕事の合間、何故か出席させられた会議中、休憩時間、家族との買い物の合間等で、積み重ねていきましょう。

 

本サイトでは「論述問題」に着目し、覚えるべきポイントをまとめていきますので活用して頂ければと思います。(計算問題についても、どう対処すれば点が取れるかを添えていきます)

 

ポイントは「計算と論述の切り分け学習」

電験の二次試験では「計算問題」と「論述問題」が出題されますが

 

勉強のコツとしては

「2つを切り分けて勉強すること」

 

ここが重要なポイントとなります。

 

人間、計算問題も論述問題も両方やるというマルチタスクでは知識をなかなか吸収することができないものです(頭の良い方は別です・・)

 

役立ち情報

電験の二次試験には特徴があって
「電験1種であっても、2種二次試験の問題が出題される」ことがあります。

 

その逆もあります。

 

今日扱う平成15年の2種問題が、昨年の電験1種の二次試験に形を変えて登場しています。交流電圧降下法の問題ですが、回路もほぼ同じ。もし、2種二次試験を勉強していれば点が取れたでしょう。

こういった使いまわしのような問題は多いですよ。電験1種二次試験攻略は「電験2種問題を解く」というのも有効な手段の一つだと考えています。

 

 

勉強量の把握」と「ポイントの把握」が完了しましたので、平成15年の論述問題を勉強していきましょう。

 

平成15年度 電力・管理

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問1について

「揚水発電所の計算問題」

≪check point≫
この問題では「貯水池の有効容量」と「発電電動機の皮相入力」を計算で求める。定番問題なので、何度も見かけたことがあるはずだ。公式に当てはめるだけで答えは求まる。

 

問2について(論述問題

「火力発電所で用いられる貫流ボイラーの概要と特徴について説明せよ。」

≪check point≫
下記のような回答が書けると点が取れる。
質問に対して、採点者が自身の答えが分かりやすいようにまとめて記載しよう。ごちゃごちゃ書くのは良くない。(わからない問題のとき、空白をさけるべく、知っている内容を書き込む戦法を取るときは別)

 

 解答

<貫流ボイラの概要>

貫流ボイラーは「ドラム」「降水管」を持たない。自然循環ボイラーや強制循環ボイラーとの決定的な違いである。蒸気が発生する仕組みとしては、長い管の一端から給水ポンプで給水を送り込み、途中で加熱されることで、管の終端から過熱蒸気を得ることができる。

 

<貫流ボイラの特徴>

・亜臨界、超臨界ボイラーとして採用されている

・ドラムがないことから保有水量が少なく、熱容量が小さいので急速起動することができる

・ドラムがないことで、ボイラを小型化することできる

 

・保有水量が少ないことで、給水量と供給量のバランスが重要

 

これらの説明をしたあとに簡単に系統図を書けるとなお良いだろう。

 

問3について(数点分の論述有)

「変電所の接地網の接地抵抗を求める計算問題」

≪check point≫
接地網の接地抵抗測定は過去にも出題されているものの、初見だとまずビビる。何をどうしてよいか混乱するためだ。この問題では何をすべきかを学ぶだけでいい。内容がわかってしまえば、求めるべきものはシンプル。誤差となる誘導電圧、接地電流その他による大地漂遊電位を考慮すればいい。つまりはベクトルの和を取ればよいのだ。真の接地電位上昇を求めて、電流で割ることで接地抵抗を求めることができる。

 

「交流電圧降下法での留意事項を3つあげよ」という問題が(1)で出題されているが、知識がないと答えようがない。結局、計算ができなくては大幅な失点は避けられないので、選択するかどうかは微妙なライン。


解答
①電圧回路への誘起電圧を低減するため、電流回路と90°以上の交差角を付ける

 

②電流回路の電流値はなるべく大きい値(20A以上)とする

 

③電流回路の電源が接地している場合には必ず絶縁変圧器によって電源回路から絶縁する

 

問4について(論述問題)

「高圧または特別高圧の油入変圧器の絶縁診断に関する問題」

≪check point≫
ここに記載されていることは全て重要。電験だけの知識ではなく、実務でも関わることがあるのでしっかり覚えておこう。手に職を身に付けるのであれば、これらは覚えておいて損がない。


A、B、C、Dの空欄に記述するといった問題。

f:id:denken_1:20190914153711p:plain

 

【Aについて】
JISに定められた電極容器に絶縁油を入れ約3分間放置し、印加電圧を毎秒3kVの割合で上昇させ絶縁破壊を乗じる電圧を測定する。


【Bについて】
絶縁油にトルエンとエチルアルコールの溶剤を入れ、アルカリブルー6B溶液を指示液として、水酸化カリウム溶液を用いて滴定し酸化測定する。


【Cについて】

 変圧器を運転すると、アーク放電や部分放電、局部加熱により、絶縁油が熱分解し種々のガスが発生する。このガスの油中溶存量により絶縁油の劣化判定をする。


【Dについて】

 高速液体クロマトグラフ(HPLC)

 

問5について(論述問題)

「配電の自動化の目的と概要を説明せよ」

≪check point≫
配電を自動化にしてどんなメリットがあるのか。具体的にはどうすることで、メリットが実現したのかといった観点で答えをまとめよう。自ずと点数のもらえるキーワードが入るはずだ。目的をただざっくり3つ書くだけだと数行で終わってしまい、短すぎるのでキーワードを狙いつつ、もう少し細かく書いて、多少ずれてても点がもらえるように細かい話も書くといいだろう。


解答

<配電自動化の目的>

目的は大まかに分けると3つ。
「設備利用率の向上」
「運転・保守の手間の削減」
「停電時間の削減」


もう少し詳しく分けると

①供給信頼度を向上させる
②事故点の探査の手間を減らす
③設備利用率を向上させる
④運転監視の手間を減らす
⑤負荷率の向上
⑥検針業務を削減させる
⑦現場情報の即時把握をする

<配電自動化の概要>
配電の自動化は「配電設備の運用管理」を自動で行うものだ。さらに「需要家の管理」も遠隔で行うといったものである。

配電設備の運用管理として、具体的には線路用開閉器や保護装置、変電所の再閉路装置といった機器を遠隔から監視・制御する。系統に事故が起こった際には電流・電圧といったパラメータにより機器は自動的に動作する。(復旧は自動で行う区間もある)


配電系統全体の運用を遠隔で制御するという点は変わらないが、手動操作が必要な区間もあったりと、複雑な線路系統に対応するために、用途に応じたいくつかの監視制御システムが存在する。

 

問6について

「154kV系統-変圧器-66kV-負荷といった系統があって、66kVに1台の発電機が電源供給している場合に他系統からの連系を考える計算問題」(計算結果から論述が少し)

≪check point≫
この問題では「連系前」と「連系後」の短絡容量、短絡電流を計算で求める。こちらも定番問題なので、何度も見かけたことがあるはずだ。基礎の固まりみたいな問題なので何度も解いて解けるようにしておくと、かなり強い。

 

 

論述問題は「追加系統を連系することでの問題点と必要な対策を答えよ」という設問。

 

※計算しなくても、察しがつくが、恐らく計算で数値を求めていないと大幅な減点、もしくは点数が貰えない可能性はある。


【解答】
計算の結果、遮断器の遮断容量を上回り、短絡故障電流を遮断できなくなる。これが問題点だ。

対策は大きく分けて3つ。

①短絡故障電流を上回る遮断器に取り換えを実施する。

②追加系統側の発電機に限流リアクトルを設置する。(直列リアクトル方式、分離リアクトル方式)

③追加系統において逆電力事象が発生したとき、瞬時に発電機を遮断できるようにしておく。※



※保護継電器を電源系統状態に合わせた設定にしておくということ。逆電力事象を深く知りたいという方は色々調べたこちらの記事がオススメです。知識をがっつり詰め込みました(【電気知識集vol.2】送電系統への発電機並列失敗の原因(逆電力継電器動作)|maco|note

 

まとめ

以上「【電験2種過去問平成15年】電力・管理|二次試験対策1日目|」の記事となります。

 

自分ならば、問1、2、4、5の4つで合格点を狙います。水力の計算は絶対に落とせない問題でインプットしていますし、配電関係の知識は雑誌等で読んでいれば、知っていることをガンガン書いて多少点が取れると思います。


ただ最近の難化した電験であれば、問6を解けるようにしておきたいですね。かなり出題されやすいでしょう。


・・・二次試験対策は、いかがだったでしょうか?
今後もどんどん過去問を解いていこうと思います。計算問題であったとしても、ザッと解く道筋を見ておくのも勉強効果はありますので、掲載するようにします。

 

皆さまの勉強の役に立てればと思います。

 

使用した問題集
(平成17年度版)

 

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将来について、少し考えてみる記事。
雑務が多すぎる仕事、今後なくなるであろう仕事をしているとツラくなるので、それらの不満を和らげる記事。

 

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