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5月の電験勉強では何をしておくべきか【後半戦を見据える】

「5月にどんな勉強をすれば良いかな?」「申込をしてから勉強でも良いかな?」といった疑問を持っている人は多い。実際、自分だって偉そうなことを言える立場ではない。電験1種の一次試験で死ぬ目に遭っている。

 

この記事では「5月の戦い方」を議論していく。

 

おはようございます。

電験と電気業界を研究している桜庭裕介です。 

初めての方もいらっしゃると思いますので、いつもの簡単な自己紹介を添えておきます。

≪実績≫
❑転職関係❑

『残業10時間以下』&『年収変動なし』の企業に転職成功

※詳細を下記のnoteに集約
電気エンジニアとしての決断【超大手企業を退社する選択】

❑電験研究歴❏
✔トータル100年分の過去問を分析

・電験1種 40年分
・電験2種 40年分
・電験3種 20年分

 

✔雑誌連載を開始
「理論の超入門」

❑TOEIC❑

✔半年で885点取得

電気エンジニアTOEIC攻略までの道のり【800点までは取れる】

一言で言うと、電験をずっと分析してきた人間。

桜庭裕介|電験&電気仕事|MBA挑戦中@denken_1
 
 

夢はある?と最近聞かれた。

電気、プラントの運転操作を教えて、自分が飯を食えれば最高だと答えた。

妻子なしなら、小さなアパートの一室で納豆や卵とごはんだけの食事で暮らすと思う(栄養の事は無知)

今後、確実に介護施設の問題が挙がる。
そこに貢献できれば良い。

そんな事を考えている。

 
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「電験マニアという名前をつけていいですか?」と出版社から言われていますが、どうしたら自分に関わっている人や記事の読者の電験勉強が上手くいくか、大多数の人がゴールに辿り着けるかというのをかなり真剣に考えている人間なのであながち間違ってはいないかもしれないです。

 

電験勉強の5月の戦い方

今年は非常に戦いにくい環境であるのは間違いないだろう。電験延期や中止という噂も出ていますし、実際厳しいのでは?といった見方をしてしまうのは仕方がないと思う。

先日配信した記事(電験が延期・中止でも問題ない勉強の仕組みを作りあげよう)では舵をきるという選択もありだとお伝えした。

自分の性格上、試験があるのかどうか分からない状態だと頑張れないタイプだから舵をきるといった話をした。

理系文系に関わらず「無駄」というのは誰もが嫌いなことだから、試験が中止になろうがものなら「勉強が無駄になった!」と感じ、泣きたくなるだろう。

そういう人は

経験として残る勉強

していこう。

細かな数字や公式を暗記ではなく、計算問題を解いたという経験を積もう。この蓄積は自転車に乗れるようになった子供の頃のように非常に忘れにくいものだからだ。

自分は未だに機械科目の電動機計算、トルク計算は何も見ずにできる。問題文を覚えてしまっているからこの数値とあの数値があれば答えを導けるとスラスラ言う事ができる。電線のたるみ計算も電験1種の鉄塔への落雷問題すら解ける。

ただ暗記問題は解けないものもある。細かい数値は忘れてしまっているからだ。法規の細かな数値、例えば風や雪の制限値はインプットしないといけない。

そしてこの暗記の値は実務だと法律書で確認するから暗記する必要はない。

 

ただ王道の道で学習したい、学習できるという人もいるだろう。(計算ばかりは滅入るという人も)その人に向けて、最低ラインを記載しておく。

このラインを超えていれば、試験直前の苦しみを軽減できるというラインだ。まずは先月配信した4月の戦い方のおさらいからしておこう。

 

先月(4月)勉強の最低ライン

❑4月の戦い方❑
電験申込前の4月に何をすべきかを考察【4科目合格を狙う】

この記事では「誰もが同じラインにはいないので、きちんと分類分けして考えていこう」という趣旨の話をしていて

電気の勉強が未経験の人 

①全科目の参考書を読み込む

②過去問と参考書の見比べをする

※可能なら過去問の解説を読む

 

電気を学んできたけど忘れている&電験を知らない人

①参考書を使って自分の知識の確認をする

②過去問を見て現段階で歯が立たない分野を探す

 

電験を知っているが特定分野が苦手な人

①過去問の総チェックをする

※どこで大きく失点していてどこで点を取っているかを知る

 

電験を知らないが知識のある人

①電験の特徴をよく知る

※学校の勉強でカバーできない範囲があるのでそこを特定しておく

(「電験なんか嫌いだし、知識もほとんどないし、勉強する気もない人」もいるかもしれないが、それはツラすぎる・・ちょっとご飯か飲みに行きますかという感じだ。頑張るしかない)

 

ここの作業をやっておければ、結構下地ができてきていると言える。この段階で油断しがちなのは「電験を知っているが特定分野が苦手な人」。

俺は電験を知っているぜ!と思って基礎を疎かにしがちなので是非とも気を付けて欲しい。

 

電気の勉強が未経験の人はちょっとハンデを追っている。特に計算問題の経験がないのはキツイ。だが、今回の試験延長中止の状況下なので思いっきり計算問題に挑戦して欲しい。むしろ思い切りいける分、逆転が起こりやすいかもしれないと自分は見ている。

 

5月勉強の最低ライン

1.電気の勉強が未経験の人 

①過去問と参考書の見比べをする

②計算問題を解く

※計算問題に舵を切っても良い

 

2.電気を学んできたけど忘れている&電験を知らない人

①実力不足の分野を勉強し直す

 

3.電験を知っているが特定分野が苦手な人

①過去問の中で点が取れていない分野の問題を解く

 

4.電験を知らないが知識のある人

①電験の特徴を把握できたので、未経験分野の勉強をする

※復習をしつつ、未経験分野を勉強していく

 

「4.電験を知らないが知識のある人」は知識のベースがあるから恐らく科目合格できる。現にほぼ勉強せずに理論科目に合格できた人を知っている。またベテランの先輩は電力科目をほぼノー勉で合格していた。

だが、機械科目や法規科目は勉強していない人が多いので未経験だろうし集中して時間投入した方が良い。得意科目に時間を投入しすぎて失敗するケースも見てきた。80点90点取るゲームではないことは認識しておいて欲しい。

 

4以外の分類の方(1、2、3の人)について、解説していく。

 

電気の勉強が未経験の人 

他の分類の人よりも進捗が遅れているのは否めないだろう。そこを引き目に感じている人は多いがこればかりは仕様がない。

実際、自分が昨年TOEICに挑戦した時に英語のバックグラウンドがないことで悔しい思いをした。だが、ここを悔いても何も生まれない。

バックグラウンドがないことの最大のマイナスは

経験がないこと

である。

ここを如何に早い段階で補うかを考えた方が良い。この経験の差が生まれるのは「ん?と思うような文章問題」「計算問題」に立ち向かう時だ。

経験が豊富な人は根拠がないけれども「何となくこれが正解じゃないか?」という鼻が利くことがある。これを予測や肌感とも言うのだけれども、これは意外と大きい。電験で言えば一問5点、6点なので合否を分けてしまうことだってある。

 

5月というのはGWもあり、比較的に時間の流れがゆったりしている月だ。勿論職業によって違いはあるが。7月8月という終盤にあまり期待をしない方が良い。この時期は忙しいこともあるし、何より知識の詰め込みをする時期だ。

 

4月にザッと一通りの知識をインプットしてもらったので5月は「さらに知識を深める作業」を行うと良いだろう。先月に引き続き、過去問を知り、経験を積んでいく。ここでの土台作りが後半戦の戦いをスムーズにする。

焦る事はない。

1ヶ月という31日間、31×2時間(できれば3時間)で62時間~93時間という時間を投入して欲しい。

 

恐らく、得意分野と苦手分野がはっきりと生まれてくるはず。しかしながら、優先順位に従って勉強を進めてもらえればそこまで厄介な分野に囚われていることはないはず。ちゃんと点に繋がっているはずだ。(地絡計算や%インピーダンスの問題は難しい)

 

電気を学んできたけど忘れている&電験を知らない人

4月で「自分の忘れてしまっていた分野」を把握できただろうか??

キルヒホッフの法則が使えない、テブナンの定理を忘れてしまった、無効電力計算を忘れてしまっている、そもそも直流回路の計算すら忘れてしまっていた・・・などといった問題点が浮かび上がってきただろうか??

そして、そもそも過去のピークの自分でも解けない問題があることに気が付けただろうか??

 

ちなみに、これらは完全に昔の自分に言っていることである。

電験と高校の自分との照合作業はちゃんと疎かにせずやっておこう。ここのズレを中心にフォローしていくことになるからだ。

 

ここで2通りの勉強パターンが生まれる。

「学校で習った記憶がある分野を勉強する」or「全くの未経験の分野を勉強する」だ。

 

特にこだわりがないのであれば

「学校で習った記憶がある分野を勉強する」

を選択して欲しい。

勿論好みがあるから自由だが、全くの未経験分野は比較的進捗が遅い傾向にあるので嫌になりがちだ。 やっぱり一度学んだ分野は習得が早い。過去問も解けるようになるし、手ごたえを感じやすい。

そうなると勉強にリズムが生まれて上手く進むようになるだろう。

 

電験を知っているが特定分野が苦手な人

電験に一度不合格になった人の多くが該当するのがこの分類だと先月お伝えしたが、この分類の人は勉強を再開したり継続するのが難しい。

何故なら

一回失敗しているから

である。二度失敗しているようだともっと大変だ。

人間誰もが失敗という通知を貰って「わーい」とはならない。しかも、一生懸命頑張ってきて、しかも自己採点では合格だと思っていたりした場合には絶対にやる気にならない。

一年が経過し気持ちを落ち着かせて向き合うことができただろうか?そのための4月でもあった。エンジンを温めるような期間だった。

「全く何も考えない期間」というのはリフレッシュしているように見えて、実は何も改善されていないことがある。ゆっくりでも良いので向き合って考えることで立ち向かう気が養われる。

 

よい例えが「浪人」。

受験戦争で敗れてもう一年勉強し直すというのは思いの他ハードだ。幸い自分は浪人の経験はないがチューターの経験がある。

予備校ではダメージを負った学生をいきなり追い込むような勉強を強要しない。むしろ、時間を決めて勉強を再開させる。正常状態に戻すためだ。

「悔しい」「親に悪い」といった感情では冷静な分析と勉強はできない。

 

電験を複数回受験する人は勉強時間は十分アドバンテージがある。よく分析をし、自分の苦手分野、点が取れていない分野の勉強を進めてみて欲しい。

ベースは過去問、補佐は参考書というスタンスで原則間違いはない。

 

まとめ

以上「5月の電験勉強では何をしておくべきか【後半戦を見据える】」となります。

 

自分のどの分類にいて、何をしないといけないか。

ここは合格点から逆算してみると見えてきます。過去問を見て、10数問ある問題のうち、どこで点が取れて、どこで点が取れないか。

 

そういう視点で5月という期間を過ごして頂けると幸いです。貴方の成功を祈っています。試験に近づくにつれ、試験で出るような「まとめ記事」も配信しますのでそれまで土台作りを頑張って下さい。

 

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今後、電験教科書(出版社からは来年1月~4月出版予定)や転職に関する電子書籍(Amazonにて販売予定)を現在製作中です。価値あるモノになった際には無料でお渡しさせて頂きたいと考えております。少しでも皆様に恩返しとお役に立てることを目標に頑張っていきますので、試験本番まで共に全力で頑張っていきましょう。

桜庭裕介

 

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