「独学で電験合格はできるのか」「一発合格なんて無理だろ」という疑問や不平不満がある。これまでの経験を踏まえて「これらを押さえておけ」という話をする。過去問勉強をする上で参考にして頂ければと思う。
おはようございます。
「電験マニア」という名前で世に出てしまいそうな桜庭です。
初めての方もいらっしゃると思いますので、いつもの簡単な自己紹介を添えておきます。
≪実績≫
❑転職関係❑『残業10時間以下』&『年収変動なし』の企業に転職成功
※詳細を下記のnoteに集約
電気エンジニアとしての決断【超大手企業を退社する選択】
❑電験研究歴❏
✔トータル100年分の過去問を分析
・電験1種 40年分
・電験2種 40年分
・電験3種 20年分
✔雑誌連載を開始
「理論の超入門」
❑TOEIC❑✔半年で885点取得
一言で言うと、電験をずっと分析してきた人間。
夢はある?と最近聞かれた。
電気、プラントの運転操作を教えて、自分が飯を食えれば最高だと答えた。
妻子なしなら、小さなアパートの一室で納豆や卵とごはんだけの食事で暮らすと思う(栄養の事は無知)
今後、確実に介護施設の問題が挙がる。
そこに貢献できれば良い。
そんな事を考えている。
最近は結構、電験の過去問を眺めている時間が増えました。公園で電験3種10年の資料を読むのが好きです。
持ち運びが不便ですが、それもまた良し。
ということで今日は「独学」「一発合格」というテーマで経験を記事に起こしておくので勉強の支点として頂き、大崩れを防いでもらえればと思います。
独学で電験に合格できるのか
まず「独学での電験合格は可能なのか」という話からしておこう。
そもそも合格できない難易度であれば話にならない。
結論から一発合格できるかと言うと
可能である
というより圧倒的に独学で合格する人の方が多い。
実際に昨年、自分の同期は電験二種に合格したが独学だった。一回リセットしてしまい、そこから這い上がって合格まで辿り着いた人だ。
会社での仕事も真面目に行っていて、自分は尊敬している。親友の中の一人だ。会社の休み時間にお互いの勉強会をしたりしていた仲だった。
電験の過去問をエクセルでまとめたり、問題を出し合ったりしていた。
資格試験に挑戦する上で「仲間」というのは結構大事だと再認識した。マンツーマンで電験の話をしていると知識は深まる。(サボれないのも大きい)
独学以外の勉強方法
独学以外にはどんな勉強方法があるかというと
「通信講座に加入する」
「工学院に入学する」
「短期セミナーを受講する」
工学院に入学するというのは社会人だと不可能に近いだろうから、実質、通信講座や短期セミナーと独学の併用というスタイルになるだろう。
電験講座や通信講座は以前配信した記事(電験講座は合格に役立つのか【結論:人による。面倒くさがりは活用するのもあり】)でお伝えしたが、最近は昔とは違い、格段に質が向上した。
今はインターネットの時代で昔のように変な資料を出していたら、確実に拡散され叩かれてしまうだろう。
通信講座を行っている企業は一部上場企業とWELBOX※というサービス提携で繋がっていることもあって、真剣にやらざるを得ない。
本気で電験を攻略しにいかないと、提携から外されてしまうだろう。(故に参考書もかなりいいものを出版している。)
※WELBOXってなんだ?という人はこちらの記事参照(WELBOXとカフェテリアプランで約8万円損を回避した話)
独学で電験3種一発合格に必要な10カ条
自分は大学時代に電験3種を受験し不合格だった。それから数々の失敗も経験してきた。のちに他人に勉強を教えるようになるのだが、教えた人も落ちることだってあった。
その人の環境もあるので勉強時間の強要はできないが故に100%の合格率をなかなか担保できない。
ただこれらの経験を踏まえた上で「ここを押さえておけば大失点しない」という10カ条を整理した。
大失点さえしなければ、工業高校を出ていれば合格点ぎりぎりに迫ることは意外とできるし、未経験でも40点ぐらいまでは点を取ることができる。(そこからピンポイント学習で2問正解できれば+10点だ。あとは選択肢があるので運さえよければ可能性が出てくる)
1.試験範囲と深さを把握する
電験だけでなく、資格試験に挑戦する上で最も大事なことだ。
資格を沢山取っている人がTwitterを探してみるといるが、そのほとんどがよく試験のことを知っている。
そして、語ろうと思えば語れるほど特徴を押さえているから面白い。電験に長々と挑戦している人ほど、意外と試験の特徴を押さえていなかったりする。
これを社会では
要領が良い人悪い人
と表現したりする。
自分はとても耳が痛い。20代前半の時は資格試験によく挑戦をして失敗をしていたのでまさに要領が悪いタイプそのものだった。
TOEICも危険物甲種もボイラー技士も不合格になった。行政書士にも挑戦して失敗した経験がある。
TOEICとボイラー技士はリベンジを果たし、目標点以上獲得&合格を果たした。(危険物甲種や行政書士も今は取る気になったら取れるだけの実力を身に付けてきた。職場で必要ないので取りに行っていない。)
資格試験で点が取れる人は「試験範囲」と「範囲の深さ」を把握している。最短で資格試験に合格する人は必要以上の勉強をしない。
まずは出題範囲に忠実に従って勉強していることが多い。それもそのはずで試験範囲以外の知識を入れても点にならないからだ。「この分野はどんな試験問題かな?」「問題のバリエーションはいくつあるかな?」という視点で観察している。
2.自分の実力を適宜確認する
「直流回路が得意だった」「キルヒホッフの法則は使いこなせる」といった20代後半の人がいるが、実際電験3種の問題を解いてもらうと解けなかったりする。
院卒でも公式の使い方を忘れていて、準備をしていないと電験3種の合格点には届かない人がほとんどだ。
そしてここでポイントとなるのは「適宜」という言葉。
自分の実力は定期的にチェックすることをオススメする。
スタート時のチェックは「自分の知識経験がどこまで電験に通用するのか」という観点で行うと良いだろう。
その後に行うチェックは「身に付いた知識経験が試験問題にどこまで対応できるか」という観点で行うこと。
勉強したからOK!
といった管理をしていると試験直前でお手上げ状態になる。「試験問題が解けない・・」となるのだ。これは大学受験の勉強でよくある話で、長期戦の勉強を経験していない人は要注意だ。
3.自分に合う参考書と問題集を買う
「参考書と問題集の選び方」は極めて重要。以前配信した記事でこのあたりは熱く語った。
要は「用途を理解して選ぼう!」「自分のレベルと好みで決めよう」という話だ。故に人によって、オススメの参考書が出てくる。
改訂版も出て内容が良くなったりもするから最新版で比較した方が良いだろう。そのあたりを考慮して自分は記事にまとめている。
試験はよく戦で例えられがちだが、参考書と問題集は「装備」である。そして、戦で大切なのは「状況把握」「戦術」「装備」だ。
きちんと自分に合う装備を見つけて欲しい。それが結果に大きく繋がってくる。
4.覚えるべき公式を把握しておく
よくいるのだが「公式なんて暗記しても意味がねぇよ!」という人。
気持ちはめちゃくちゃ分かる。自分もそう思う。
「複雑な公式など覚えてどうするのだ。」
「今の時代、ネット検索で見つからない公式が電験に登場されることはない。」
だが、大変申し訳ないが自分に力がないため、試験内容は変えられないのだ。覚えて欲しい。特に電磁気関係。
公式を覚えていないということは「理解度が低いからだ」などと大学時代に言われたことがある。確かに分からんでもない。
試合中にルールをいちいち確認してプレイするプロ選手はいない。ルールを確認しないと分からない程度の修練しか積んできていない選手はいないということ。
これは資格試験にも言えることだろう。どうかこの理由で公式をきちんと覚えて欲しい。覚えると取れる点が伸びる。
5.計算問題とちゃんと向き合う
もう自分の記事の読者は耳にタコができるかもしれない。
計算問題を何故に頑張れ頑張れ!と煩いのかというと「経験として残る」からだ。暗記問題は時間の経過とともにあっという間に忘れる。
電験合格者が法規科目を今解け!と言われたとして、合格点を取れる人はかなり少ない。
しかし、理論科目を解け!と言われたら、正解する問題もあるし、正解にならずとも惜しいあがきをするはず。経験を相当積んだ「直流回路」「交流回路」で相当点を取るだろうし、記録力が良い人は「電磁気」で点を取る。
何が言いたいかというと
「計算問題が解けるようになると暗記問題に時間投下できる」
ということだ。
これが逆だと暗記知識を忘れないようにしながら計算問題も解かなきゃいけないので疲れる。結果的に計算問題を捨てたりする。
これでは全科目の至るとこで大きな失点が待っている。
6.過去問を解く
知識に自信がある人がやりがちなのが「学校の勉強だけ」で電験に挑んでしまうことだ。
電験の試験問題は学校の定期テストのようではない。試験範囲が膨大であることに目がいきがちだが、実は問題自体も複雑なのである。
試験問題に慣れていないと、返り討ちにあうだろう。特に電力科目は年々難易度を増しており、選択肢も複雑だ。
過去問を解いておくことで、複雑な問題に対する慣れを生むことができるし、何より苦戦した記憶が知識を根深いものにするだろう。
知識を学んでいる最中は点であったとしても、継続すれば点の集合体となって線になる。
7.B問題を全力でマーク
B問題が解けることが電験3種では極めて大切。
電験2種とは全く違う。
何故なら配点が高いからだ。3割~4割がB問題なので絶対に解けるようにしておくこと。
B問題を準備していないと普通に15点20点といった単位で点を失うことになるぞ。
科目ごとに気を付けるべき点が違うので、詳しい話を過去の記事をリニューアルし、まとめておいた。(電験3種はB問題が怖いという話を知っているか。)
8.全部捨てる分野は作らない
電子回路とパワエレを捨てたい気持ちは超分かる。特に電子回路で点が取れる気がしないからだ。
ただ・・・基本だけは学んでおこう。
時間があるならちょっとだけやっておこう。1日でいいから電気エンジニアとしての最低限知識だと思ってインプットだけしておこう。
何故にここまでしつこいかと言うと、稀に基礎だけ押さえておけば解ける問題が出題されるからだ。
しかも電験3種は「5肢択一式」の形式なので、逆にピンポイントの知識で点を取ることができることもある。(最近は超工夫してくるので厄介だが)
5肢択一式問題
資格試験をあまり経験していない方はご存じないかもしれない。文系の資格試験でよく使われる腹が立つ問題形式。
特徴と過去の問題を含めて解説を入れてあるので知っておくと良い。
9.低頻度出題の分野を疎かにしない
一時期、原子力分野は出題されないぞ!などと言った噂が流れたが、普通に出題されるので注意すること。(電験に必要な原子力発電知識を徹底的に分析・集約した記事)
A問題だからいいか・・と思いがちだが、5点6点で合否が変わるから油断はできない。結構試験はシビアに設計してくる。(よくもまぁあれだけ合格点を上手く設定できるものだ。TOEICほどではないが、大したものだと関心する。(偉そうにすみません。失礼しました笑))
ブリッジ回路なんかもランダムで出題されるから怖い。(雑誌新電気の9月号で解説予定だ)
10.毎日1時間~2時間勉強する
最後は「勉強習慣」を挙げさせてもらった。
やはり電験3種クラスの難易度の資格試験は「時間」が必要だ。
一流の画家が音楽に関わる時間が圧倒的に多いように、凡人のサラリーマンが仕事である程度のアウトプットができているように時間を投入してやる必要がどうしてもある。
自分は趣味で漫画を描いていて持ち込みをした経験もあるのだが、上手い奴は圧倒的に筆を握っている時間が長い。
Twitterで超上手い絵をあげているサラリーマン兼プロは基本的に「3時間以上」は絵を描いている。だから成長する。
プロスポーツ選手を目指す人の多くがかなり長い時間、そのスポーツに触れる時間を取っている。
電験にも同様のことが言えると考えている。どうしても時間が空くと再起動に時間がかかる。サラリーマンは特に平日色んな情報に揉まれているので、脳内の代謝が早い。
故に週末に勉強したことなど消えてしまうのが当然。
やっぱり成果を出すには「毎日学習」が推奨となってしまう。(やっていくとRPGゲームのように楽しくなってきますしね)
まとめ
以上「【独学】電験3種一発合格するために必要な10カ条【失敗経験含む】」の記事となります。
まとめますと・・・
1.試験範囲と深さを把握する
2.自分の実力を適宜確認する
3.自分に合う参考書と問題集を買う
4.覚えるべき公式を把握しておく
5.計算問題とちゃんと向き合う
6.過去問を解く
7.B問題を全力でマーク
8.全部捨てる分野は作らない
9.低頻度出題の分野を疎かにしない
10.毎日1時間~2時間勉強する
・・・最後の10は難易度が高いが、それ以外はきちんと確認しておけば、大きな失点を防げるものばかり。
問題は時間ですね。ここは毎朝起きる、もしくは寝る前に勉強するといった工夫をして頑張っていきましょう。(頑張って力をつけてしまえば、他の資格試験にも通用するので是非とも修練だと思って・・やっていきますか^^;)
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