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【本気】電験3種の勉強方法を考察!自分の好きな道を選べ!

「勉強方法に悩んでいます」「独学で大丈夫ですか?」といった悩みについて、本気で考えていく。それがこの記事のテーマだ。

 

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電験3種の勉強方法を全力で考察する

「電験3種の勉強方法」はいくつか存在する。

結論を言ってしまうと

いずれの方法を採ったとしても、余程出題範囲を外していない限り「合格点」に到達する

だ。

勉強方法は大きく分けて3パターン。

①過去問から入る(逆算思考型)

②参考書から入る(基本型)

③業者に指導してもらう(委託型)

①②は「独学スタイル」を取ることになる。

とはいえ③も指導時間以外は自分で勉強しないといけない。一昔にあった「いたせりつくせりで簡単合格」という通信講座は姿を消した。

「効率」「勉強時間」という観点ではやはり①②と比較すれば③の方が優れていると言える。指導者がつくとやはり近道や落とし穴を教えてくれるからだ。

自分は「大崩れ」という表現がよく使うのだが、まさに言葉の通り10点単位で点を失うことを示す。それを指導者は教えてくれる。

ただ注意して欲しいことがあるので聞いて欲しい。

勉強方法を選択する際の注意事項

電験の勉強会たるものを開いて多くの人を見てきたが、挫折してしまう人は勉強のスタート時から道を踏み外していることが多い。

何が原因かというと

「自分の意思」ではなく「他人の意思」で動いている

ということ。

これは注意しておきたい。

勉強方法は自分で選択すること

「あいつが良いと言っていた勉強方法をやるか!」

「〇〇会社の勉強方法にするか」

「講座の先生の勉強方法でいいか」

こういった考え方は失敗しがちだ。

勉強方法をネット記事で検索するのは良いが、最終決定の際は「この勉強方法で行こう!!」と自分の意思で決めて欲しい。

もっと言うと「自分の好み」で決めてしまって良い。

 

勉強方法は自分に合う合わないが当然ある。合わなかったとしたら、途中で路線変更してしまえば良い。

ただし

「自分で勉強方法を選択したこと」

これが何よりも力になる。合わなかった時に再度路線変更するやる気の源になったりもする。

自分はこれまで会社に関する記事も沢山書いてきた。

【会社員】仕事の理不尽に耐えても実は意味がない話。

同期後輩の出世を気にするな。市場価値だけを見ておけ。

入社5年目で元部署の大先輩(40歳)を部下にするという苦い経験もしたし、わけのわからない苦境に立たされたり、無駄に時間を過ごしたこともあった。

 

しかし、これらは「自分のだらしなさが導いた結果」だと今は思っている。

何故なら

就職活動の際に自分の意思で入社していなかった

からである。

完全に自分の意思ではなかったのだ。沢山の企業を受けた中で一番待遇が良い企業という理由だけで入社してしまった。

それ故に自分の事業とは違い、どこか他人事だったし命をかけてまで頑張る!という気にはなっていなかった。

本気になっていたら、どんな事でも変えることができると思っている。

勉強も仕事も一緒

「難関資格への挑戦」にも同じことが言える。

「自分の意思」で挑戦しよう

勉強方法もご存じの通り、いくつもある。しかしながら、自分で選んだ勉強方法を全力でやりきることができれば合格点には必ず到達する。

 

これを信じて欲しい。

大事な事なので冒頭に伝えておきたかった。

 

いよいよ本題に入っていく。

①過去問から入る(逆算思考型)

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基本的にこの方法を採る場合、基礎知識があることが前提となる。

ここを伝えずに

とにかく過去問だ!

などとアドバイスする人がいるから困る。実際、最近の電験の問題は難しい。電気回路ですら回路変形が必要になったりしている。

昔は最大の得点源だったコンデンサの静電容量問題ですら、複雑なパターンが登場してくる。

基礎の公式が身に付いていない状態で過去問から「問題のバリエーション」を吸収していくのは結構酷。かなりツラいぞ。

かろうじて、電力科目や法規科目は手当たり次第知識を吸収するスタイルでも良いと思うが、機械科目は相当訳が分からないと思う。

工業高校でがっちり学んできた人にはオススメ

ただ「過去問の解説から入る」勉強スタイルがオススメのタイプがいる。

それは「工業高校を卒業したての人」だ。当然、しっかりと授業の演習問題を解いてきた学生のことだ。

積み重ねができている人にとって、1から勉強をするというのはあまり効果がない。ある程度の段階に来たら、試験問題にもまれて知識吸収すべきだ。

問題のバリエーションを吸収し、問題集の解説を読んだ方が点数が伸びる。電験は解説部分を読めば読むほど点が取れるようになる。

余裕があれば電験2種の問題集の解説部分も読んで欲しいぐらいだ。

 

②参考書から入る(基本型)

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これは一般的で「基本スタイル」と言えるだろう。

10年以上前の昔と違って、今の時代は参考書がっちり良いのがある。(10年以上前はかなりひどい物もあった。下ネタを書き綴るような参考書まで存在していた)

また、下手に学校の教科書やノートで勉強をしていると、試験範囲とのミスマッチが生まれたりする。これが最大の問題。

故に参考書をベースに勉強を展開していく人が増えた。

例えば理論科目で言えば

電気計測

ここをノーマークで失点してしまう人がいる。「おいおい、計器の誤差なんてどうでも良いだろ。些細なこと言うなよ」と思う人もいるかもしれない。

実際、自分も思っていた。

ところが・・・

電気計測は「B問題」でよく出題される

だからどうしたんだ?という人は過去の記事(電験3種はB問題が怖いという話を知っているか。)を読んで欲しい。

 

平成28年度に急にB問題で出てきた。B問題は10点(法規科目は13、14点)というA問題の2倍の点数だ。

・・・せっせと解いた回路計算×2というワケだ。また、学校によっては「ダイオード回路」や「電子回路」を疎かにしている学校がある。その学校を卒業している人は必ず自分で勉強すること。

 

これらのことから学校の教科書ノートと参考書の併用というより、学校の教材はサブ的な扱いにしておくとズレによる大幅失点を防ぐことができる。

あくまで電験は「電験問題がルールであること」を忘れてはいけない。

③業者の指導を受ける(委託型)

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最近だとサービスも良くなったので、通信講座を利用したり塾に通うのは良いと思う。但し、コストがかかる。そこそこのプランにすると10万円ほどかかるのはマイナスだろう。

この勉強方法のメリットしては

「良い教材が手に入る」

「マンツーマン指導」

「わからない所を質問できる」

「勉強時間を強制確保できる」

成長の度合も恐らくこの方法が一番早い。

業者はよく落とし穴も知っているし、陥りやすいミスも教えてもらえたりもする。

 

大手企業と福利厚生サービスで繋がっているので、悪評が広まればあっという間に提携解除だろう。

資格の大原、TACなどがあるが、特にTACの勉強資料は見違えるほど良くなった。参考書が出版されてプラスのニュースとして話題になった。Amazon等で教材を調べた人はご存じだろう。

自分がベストと考える勉強方法

ここからは個人的な考えとなる。

自分としては「①と②のハイブリットが良い」と考えている。

余程の実力不足でない限り「③の業者」に高額を払うことはないと思う。(余程時間がないか、勉強の苦手な人向けだ)

※ただお金持ちなら通信講座を申し込んだ方が手っ取り早いとは思う。「これだけやればいいのね」と面倒な手間を減らすことができる(10万円~12万円なのでやりきる覚悟をして欲しい。)

 

まずは「相手を知ること」から始めよう。

過去問を読み進めて「出題範囲と深さ」を探る。

次は「持っている参考書で出題範囲と深さに対応できているかの確認」を行う。

そこから「基礎知識と経験」を習得する。

戦う準備がある程度できてから「問題集と向き合い続ける」というやり方だ。

❑流れ❑
過去問を分析する⇒参考書で基礎を身に付ける⇒過去問と向き合う

毎日勉強すべきか否か

勉強方法に付随して「勉強スタイル」をどうすべきかという疑問が出てくる。実際、平日は疲れているから週末だけ勉強というスタイルを取りたいというのが正直なところだろう。

だが、正直そのスタイルはキツイ。

たぶん本人が相当嫌になると思う。

最初の1ヶ月ほどはたぶん続く。土日で8時間ずつ勉強できたぜ!と。ただ数ヶ月するとやる気が下がってくる。

それは人間なので仕方がないことだ。完全にマンネリ化だ。「またよく分からない勉強かよ」「土日ぐらい休みたい」となってしまう。

だが、そもそも予定が入ってきたりして勉強時間が取れなくなってしまったりもする。

 

長期戦の勉強を経験している人はまだ良いが、未経験の方は注意した方が良い。勉強しない期間を作るとかなり知識習得率が低下することを知っておいて欲しい。それも経験だという人がいるが、電験は年に一回しかない試験なので経験に支払う対価は大きい。

このあたりの話を以前記事にしてあるので参考にしてもらえればと思う。(電験は毎日勉強した方が絶対に良い理由【結論:自分が楽】

科目合格狙いにする戦略

電験には「科目合格制度」がある。4科目同時に合格しなくても電験3種の資格が取れるという仕組みだ。

「1科目合格したら、その1科目は2年間合格が継続する」

ということ。

「3年で4科目合格すれば・・」という話を聞いた事があると思うが正確に表現しておくと

①今年「理論科目」合格

②来年  試験免除

③再来年 試験免除

 ということ。

勉強時間が確保できないなと思うのであれば、舵をきる選択もアリだ。一定の勉強時間(100時間単位)を投入できないようであればその方が良い。

電験合格に必要な勉強時間

「電験に合格する為に必要な時間を出せんのか??」

と以前、前の会社の部長に言われたことがある。

社内で勉強を教えていた時の話だ。正直、勉強時間の算出というのは人それぞれのバックグランドが違うし、集中力や勉強スタイルの違いでかなりの誤差を含むから正確には導きづらい。

 

そこで自分は「全くの素人」をモデルにざっくりとした算出をした。その結果としては

約700時間

と見る。

(参照:電験三種合格の必要勉強時間【電験受験申込前に読もう】 

 

分野数やページ数という数値から逆算していったが、経験的に大きくズレていないと感じている。逆に700時間を切ろうとするならば相応の工夫が要ることは認識しておいて欲しい。

 

「もっと早くマスターできないのか?」と言われることもあるが、分かりやすい所で言えば直流回路。

①「キルヒホッフの法則」の公式を理解する

②「テブナンの定理」の公式を理解する

③基礎問題を解く

④電験の過去問を解く

直流回路分野の複数並列といった複雑な回路計算で点を取ろうとした時に必要となる勉強ステップだ。

1つの公式の完全理解を30分で行うことができるだろうか?たぶん1時間はかかる。基礎問題を見る中でこういうものか!という発見をしていくことになる。

公式を自分なりにまとめたり、書いたりして記憶に残す作業もあるし、復習時間も欲しい。(パッと見てすぐ覚えられる人は別だ)

過去問も1パターンだけであれば良いが、複数の回路パターンがあるし複数回解いておきたいところだろう。

 

そう考えた時に

・公式学習:1時間

・基礎問題を何も見ずに解く:2時間

・電験過去問を解く:3時間(3日に分けたとして)

・復習:1時間

・仕上げ1時間

こんな勉強モデルを各分野で組んでおきたい。 1分野8時間。電験の理論科目は約20分野もあるので約160時間は少なくても必要になる。

実際、高専ではキルヒホッフの法則の授業があるのだが、授業数としては2コマ(4時間)は確保されている。原理を学び、練習問題を解き、応用問題を解く。

この授業だけで試験で点が取れた人はいないことも認識しておかないといけない。テスト勉強という名の復習にがっつり時間投入して臨んでいる。

 

実際、電磁気分野は素人だと結構難しい。公式展開もあるし、そもそも暗記が必要だから時間が余計にかかる。

故に理論科目は200ないし250時間というバッファーを設けた時間で伝えることが多い。 

まとめ

以上「【本気】電験3種の勉強方法を考察!自分の好きな道を選べ!」の記事となります。

3つの勉強方法を共有しました。この3つのうち、どれを選択したとしても大崩れしないと思います。

自分の勉強方法も記載したのですが「問題を把握した上で細かい知識を付けていく」というのは価値があると思います。

特に電験申込から勉強を開始した人に役立つはず。1つの工夫でしかないですが、問題を把握した上で日々勉強するのとしないのとでは数ヶ月後の成果は雲泥の差。

早い段階で「問題を知る」というのは結構アドバンテージになり、無駄な勉強時間を減らせるでしょう。

 

今の時代はyoutubeやブログ等で分からない所を知ることもできますし、電験の落とし穴等を知り勉強効率を高めたいのであれば、自分のような活動をしている人から情報を得ることができる時代。

【電験完全攻略】第3種電気主任技術者試験攻略手順(2019年版)|桜庭裕介@電験講師

 

動画学習が合う人もいれば合わない人もいる。そこは自分の性格に合うスタイルを勉強する中で見つけていって欲しいです。

勉強時間を減らす工夫をこれからも提供すると共に、自分は点の取りこぼしを減らすことが得意なのでそこをフォローしていきます。

これからも読み続けてもらえれば自分も嬉しいです。