今日の記事では「高専生は英語を頑張っておくとメリットがある」という話をしていきます。
高専生にとって、英語の資格と言えば
「TOEIC」「英検」「工業英検」という3つの資格が有名どころ。
では、この資格のうち、どこに注力すべきなのかという悩みにも答えていきます。
まずは簡単な自己紹介をしておきます。
おはようございます。
電験と電気業界を研究している桜庭裕介です。
❑電験研究歴❏
トータル100年分の過去問を分析しています。
・電験1種 40年分
・電験2種 40年分
・電験3種 20年分
≪実績≫
❑電験3種関係❑
【電験|電力(水力発電)】水車まわりの記事がそのまま試験に出題されました
❑電験2種関係❑電験2種|機械【結論:ポイントを押さえて選択肢を減らす攻略法は有効だった】
❑TOEIC❑
電気エンジニアTOEIC攻略までの道のり【800点までは取れた】
こんな感じで、英語や電気の勉強を研究し続けてきました。
高専生はTOEICや工業英検に挑戦しておこう
そこで、今日は「高専生の英語」に関して切り込んでいこうと思います。
結論としては
TOEICでも工業英検でも英検でも1度は挑戦しておいた方が後々得をする
社会人経験を踏まえて、ここを詳しく解説していきます。
高専生の英語事情
高専生は「英語が苦手」
10年以上前
これは日本全国の高専生の特徴でした。
もちろん、英語が得意な人もいました。海外留学生と仲良くなり、海外に遊びに行くといった強者がいることを聞いたことがありますが、そんな人は稀です。
今はSNS、教材、NOTE、学習サービスがグレードアップして、昔と比べれば、英語が苦手な学生は減ったと思います。
しかしながら、高専自体の英語教育システムは抜本的に変化したわけではありません。
そのため、個人依存であることから、学生の一定層は「英語が苦手なまま」という状態に変わりはありません。
高専生のTOEIC平均点は300~400点
全国で統一テストをしたわけではないので正確には計測できていませんが、このぐらいだと言われています。
TOEICの平均点は約580点(IPテストだと約480点)と言われているので、これらと比べると明らかに低いことが分かるでしょう。
しかしながら、この平均点はTOEICマニアの増加により、充てにならないとも言われています。(記事や教科書を作るために、TOEIC満点を取り続けている人達のこと)
では、本質的な部分である
「英語の運用力」
この能力があればTOEICスコアなんてどうあってもいいのですが、TOEIC400点では正直なところ
英文がロクに読めない
そして、聞き取れない
体感的にはTOEIC700点後半はないと、ビジネスで使うような英文をスラスラ読むことは難しいでしょう。(正確に言うと、リーディング400点程度)
英語が得意な人は1クラスで数人
完全な統計を取ったわけではなく、聞き取りや経験談ではありますが
「自分のクラスで英語が得意な方はどのぐらいいましたか??」
「TOEICや英検、工業英語の資格を持っている人がいましたか??」
といった質問に対して、高専の実情はどうかというと
英語の上級者と言われる「TOEIC800点以上」「英検準1級以上」に合格している人はほぼ0です。
TOEICに関連して、会社員に役立つ情報を紹介しておきます。
・管理職に昇進する
⇒TOEIC700点以上
・海外部署に異動する
⇒TOEIC800点以上
・海外勤務(がっつり英語を使う)⇒TOEIC A判定(860点以上)
こんな基準が多くの会社に存在することをご存じだったでしょうか。
※英検は準1級、1級で同等と見なす企業もありますが、よりビジネス指標として図りたいという企業の意向から「TOEICを受験して欲しい」と言われることがあります。賛否両論あるが、TOEICは改革をしている部分もあり、最近の試験はより実践的。(問題文を見ると、確かに会社生活で役立つ英文が多い)
他との差別化が容易
高専にいる間の5年間では
「英語が得意だろうが、数学が得意だろうが、みんなで楽しく過ごせるので正直どうあっても良い」
というのが個人的な感想です。
こういう考えの人は多いと思います。
ただし、下記に該当する人は少し意識を変えた方が良いでしょう。(あなた自身が苦労するからです)
①大学に編入するかもしれない人
②就職してから出世したい人
③国内の仕事が嫌な人
④せかせか働くのが嫌な人
⑤他の人とは違う仕事がしたい人
上記に該当する人は
「他の人との違い」
「自分だけの強み」
を持つといった意識しておいた方が良いです。
高専の3年、4年のうちにがっつり勉強しておくと、人生がイージーモードになりやすいです。
編入試験時、昇進試験の場面で、過負荷を避けることができます。
「他人との違い」があると何故良いのか
会社をイメージすると、理解しやすいでしょう。
仕事には役職やポジションがあって、その枠数は必ず決まっています。
そのため、そのポジションに就きたいと思った時、上の人達から「自分」を選んでもらう必要があります。
上の人達は「あなたという人材を推す理由」が必要になるのです。その理由に「他者との違い」が一番シンプルで簡単。ここがあると、選ばれやすくなります。
一方で、大学編入に関してはというと・・・
「他の人と違いを作ること」と「大学編入」
ここがどうして繋がってくるかが分からないという人がいるかもしれませんね。
ここは深堀しておきます。
試験は基本的に他人との比較
少し生々しい話をします。
編入試験を経験したことがある人はわかると思いますが、結局試験というのは「高専生同士の選抜試験」なのです。
有名大学であれば、あるほどその競争率は高まります。
当然のことながら、試験問題は難易度別に構成されています。
・平均点以下の人が解ける問題
・平均点程度の人が解ける問題
・それ以上の実力者が解ける問題
こういった具合です。
つまり、試験と名が付くものは基本的にみんなが点を取れなければ団子状態ですが、そこから頭一つでも抜けている人がいれば、圧倒的にその人が有利なのです。
編入試験で英語に死にそうになっている人をこれまで何十人と見かけてきました。
このことからも、絶対に1年~4年生の間で英語の基礎はマスターしておいた方が良いです。(言葉が悪いですが、ストレートに言うと、京都大学や東大の英語は本当にエグイですよ・・・)
どの英語資格を勉強しておけば良いのか??
結論からいうと、今の時代は「TOEICが良い」と言われています。
自分も編入試験、社会人経験を沢山してきて、そう感じます。
実際、自分は工業英語を何級か忘れたものの持ってはいるのですが、資格欄に書いた時「TOEICだと何点なの??」と聞かれたことがあります。
これは「英検」にも言えることで
結構多くの人が問われる質問の一つです。(就活では特に)
役員クラスはTOEICぐらいしか価値の指標を詳細に知らないというのが問題でしょうね。
まぁここは変えることができないので気にせずにいきましょう、時代の流れで変化していきますから。(くれぐれも熱くなって英検を語らないこと)
これから資格に挑戦したいと考える人は「TOEIC」で結果を出しておくと、圧倒的に得をします。
英検は手間がかかるぞ
※これは完全に個人的な実体験に基づいた感想です。
英語学習者には決して言ってはいけないのですが、英検は手間がかかる。(こんなこと言うと、英語を本職にしている人から責められるので注意)
個人的には費用対効果が低いと思います。
難しい単語、文法を大量に覚えないといけない。理系出身にとって、かなり難易度が高いです。
TOEICとは問われる問題の質が違うことを知っておいて欲しい。
また、不合格になってしまうと、何も残らないのは痛い・・・。その分、全身全霊でハードルを超えに行かないといけないことは知っておいて下さい。
※油断していると、試験1週間前に身をもって理解できるはず。
TOEICなら、スコアとして残るので
400点、500点、600点、700点、800点というステップで、どんな工夫をしたかという話もできるので、就活や転職の努力エピソードでは使えるのもTOEICの良さ。
❑裏事情❑
裏事情を話してしまうと、面接官もTOEICのスコアが欲しいと思っているケースが思いの他あります。つまり、相手が聞きたいと思っているので話が刺さりやすいので、面接が上手くいく確率が格段に上がります(理系分野)
くれぐれも文系や圧倒的に英語を重視する外資系では、英語の話をするときは工夫しないといけない。(TOEIC900点は普通どころか英語での業務経験を気にしている企業)※需要があれば、失敗談も含めて別記事で紹介します。
TOEICと英検の違い
TOEICと英検(工業英検も)の受験経験がありますが、これらの違いは絶対に押さえておくこと。
闇雲に勉強する前に知っておくと良いでしょう。
TOEICは・・・
英文を速く読み、質問に如何に速く回答できるかを測定する資格試験
英検は・・・
しっかりとした英文法知識と単語力が必要となる資格試験。
TOEICよりもどんどん解いていく必要はないが、知識がないと完全に点が取れない。
もっと分かりやすくいうと
TOEICは「英語の運用能力を図る試験」で、英検は「知識を図る試験」というイメージが合うと思います。
どちらの技能が伸びやすいかは明らかでしょう。
ただし、知識を補填していくのが好きな努力家の人は英検に向いていると言われていますが、これはこれで正しいと思います。
編入試験の対策で「TOEICのみ」は不可能
編入試験は「知識を問う試験」
TOEICとは決定的に「問われる質問の質が違うこと」を認識しておいて欲しいです。
TOEICは簡単な読解がメインの試験。ビジネスの現場で活躍すべく、読む速度と処理する速度を図る試験であるとお伝えしてきました。
もっと具体的に言うと
TOEICでは英文を書くことはしないので、編入試験の問題で点が取れないでしょう。
英文読めるけど、細かい所はわからん!となるはず。
ただ、だからと言ってTOEICがムダかというとそうではないと思います。
TOEICは編入試験の対策にならんなら、編入試験のテキストで勉強するか!!となったとします。
・・
・・・
恐らくは・・・
高専生の教育だけで、編入試験の英語と向き合うと「びっくりする」と思います。
自分の経験から言えることは
いきなり編入試験の勉強をすると、正直吐きそうになる
情けないですが、事実です。
そのため、ステップを踏んだ学習方法を採っていくと良いでしょう!!!
数々の失敗を繰り広げて、死にそうになってきた自分からの提案ですが、下記のように進めていくと、編入試験でも英検でも点が取れるようになるでしょう。
①TOEICで英語に慣れる
・基本的な単語を身に付ける
・英文法のルールを覚える
・英文を早く読めるようになる
②少し間を置く
③英検や編入試験で詳細な知識を身に付ける・難しい単語を身に付ける
・ひっかけのような英文を覚える
・英訳もできるようになる
できれば、TOEICと英検は高専4年までに挑戦しておいて欲しいです。超楽になります。
そして、成長のコツは②の「少し間を置く」です。
人間、爆発力を出す為には「脱力」が必要であることはご存じでしょう。
いきなり慣れもしない英語に対して
TOEICに挑戦し、英検にも挑み、編入試験も頑張るというのはツラすぎます。
ツラさをステップ毎に分けて、軽減しましょう。
どの資格に挑戦しても、英語を学んでいる事には変わらない
これは超大事なこと。
Twitterをやっていると、惑わされがちなのですが「TOEIC意味なし」「英検意味なし」「英会話だ!」「いや、そもそも英語は不要」
といった議論が起こるのですが、無視しておきましょう。スルーしよう。
編入試験を受ける以上
会社員をやる以上
英語は必要です。
いや、フリーランスをやるにしても、英語スキルはあった方がよいでしょう。
英語を少しでも習得しておかないと、まずお金がかかります。
「海外に仕事で行くなら、通訳をつければいいじゃん!」という人がいますが、費用知っていますか?と言いたくなります。
2週間の滞在に通訳をつけるとしたら、場所にもよりますが軽く100万円を超えてしまいます。航空機代、保険代、ホテル代、そして通訳代。
人を雇うって、すごいことなんですよ。(エンジニアの方だったら、技術支援やシステム補修の委託費用をご存じですよね・・)
英語の必要性は、今後20年は不変だと推測されます。
必要であることは間違いないのであれば
あとはどのように学ぶか。そして、どのルートで学ぶか。
ここを決めた上で挑戦していきましょう。
工業英語は少し注意
ここまで「TOEIC」「英検」「工業英検」を話題に出しました。(IELTSという海外の資格はちょっと置いておきます。(これはまた難しいし、知名度が低い))
この中で「工業英検」はちょっと路線が違うので、自分が進む道を分析してから挑戦した方がよいと思います。
エンジニアよりの資格試験なので、単語もマニアックなものが多く、日常生活ではあまり使用しない単語、言い回しが多いからです。
ただし、TOEICだろうと、工業英検だろうと、英検だろうと自分の英語力を成長させることに違いはありません。(この中だと、英検の方ががっつりと知識が必要になる)
英語の基本である「単語」「文法」という基礎を習得することができます。
そのため、今既に勉強をしている資格があるのであれば、後悔することなく頑張れば良いと思います。
高専の1年2年の英語の授業では、運が悪ければまともな授業を受けることができない可能性があるので
もし、そういった環境であるのであれば、授業中に寝るのではなく、授業時間を使っても良いので【自分の努力】で補う工夫をしましょう。
もし、高専1年~2年の間でTOEIC700点~800点、英検準1級を取ることができれれば最高と言えます。
身に付いた英語の基礎知識は、数年後、自分への最高の貯金、プラチナチケットになります。大学編入にも使えますし、昇進試験、転職にも使える汎用性の高いものだと感じるでしょう。
まとめ
以上「【高専生】TOEICや工業英検に挑戦しておくと得をする話」の記事となります。
TOEICでも英検でも工業英検でも良いので、英語の基礎知識を習得しよう!習得しておくと、将来自分の為になるよ!!という話をしました。
自分は今回の転職活動は英語と電気を武器に、全企業から合格をもらうことができました。当然、途中で辞退したので全て役員面接には行っていませんが、不合格通知は0という結果を出しました。
今回の記事では、工業英検という資格を紹介しましたが、正直使い道はあるの??と思っている方もいるかもしれません。
自分は工業英語が昔好きだったので、別の記事で紹介したいと思います。この資格を持っている恩恵を受けたことはないものの、使いこなしていないだけかもしれないのでリサーチを入れます!!
また次の記事で会いましょう!!
今日も英語や電験、もしくは読書をして、自分の価値を高めていきましょうね!!!
❑英語関係の役立つ記事❑
❑電験関係で役立つ記事❑
❑仕事探しに役立つ記事たち❑